自宅ゲーム会431 フリーダム! | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和4年6月20日

 

 さて、前日は午後に3人でゲーム会としていましたが、本日は運よく時間が空き今週はどうしても和訳の終わったばかりのこちらがプレイしたかったので、暇をしていたちいと2人でウォーゲームといそしみます。

 

☆フリーダム!

○概要

作者:Vangelis Bagiartakis

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:90-120分程度

 

 オスマン帝国からの独立を目指して勃発したギリシア独立戦争の最中の、メソロンギを巡る包囲戦を扱ったタイトルです。マイナーなテーマに加えてルール、カードともに全訳するというハードルがあったものの、何とかルールを完成さえプレイにこぎつけることができました。

 

①ラウンド毎に手札が8枚になるように配布します。

②ラウンドの最初に両軍が予備行動として若干の移動を行います。

③モラルの高いプレイヤーからアクションフェイズを行います。手番になるとカードを1枚プレイし「アクションポイントとしてアクションの実行」もしくは「イベント」として使用します。

④イベントは自軍もしくは中立のものしか実行できず、相手側のものはアクションポイントとしてしか使用できません。相手側のカードをアクションポイントとして使用した場合、続く相手側の手番では手札の破棄と引き換えにそのイベントを発動させることができます。

⑤アクションは両軍で異なりますが、「軍隊の移動」「軍隊の攻撃」「周辺エリアへの影響力」「砲台の設置」「アクションポイントの温存」などがあります。

⑥攻撃はダイスによって損害を判定し、エリアの軍隊を全滅させると自軍のモラルを上昇させるか、相手のモラルを下げることができます。

⑦7手番行ったところでアクションフェイズは終了です。

⑧アクションフェイズが終わるとオスマン軍、反乱軍の順番に砲台から砲撃を行います。オスマン側の砲撃は城壁を破壊し、防御力の低下をもたらすとともに2ヒットをくらい崩壊するとオスマン軍が進入可能となります。

⑨周辺エリアの状況からリソースや軍隊などを受け取り、自軍の維持のためコストを支払います。必要なコストが支払えなければモラルなどが減少します。

⑩反乱軍が政府に救援要請を行います。ダイスの判定に成功すれば軍隊や物資が支援されます。

⑪これらを繰り返しますが3ラウンドが終了すると後半戦となって、使用するカードが後半戦のものになったり、オスマン軍に援軍が到着したりと変化します。

⑫相手のモラルを0にすることで勝利となります。また、オスマン軍は城壁にある要塞か都市後方にある砂浜の占拠、反乱軍はオスマン軍の勝利を妨害することで勝利となります。

 

〇プレイ経過

 攻めるオスマン帝国側を担当しゲーム開始時の様子です。赤いキューブがオスマン軍、青いキューブが反乱軍、白いキューブは都市に篭る市民で鍛える(アクションのひとつ)と反乱軍となります。また、黒い三角トークンが砲台(紫はより強力な特殊な砲台)です。

 

 ちなみに、都市の後方には3つの島があり、これらを攻略する事で都市の背後に上陸することも可能となっています。

 

 最初のラウンドは攻城戦までは行わず、戦力の展開と前線への砲台の配備、さらに周辺地域への影響力の拡張を狙います。

 

 第2ラウンド。カードの引きがいまいちということもありましたし、砲撃で城壁が大きく破損しておらず(防御の低下と進入可をもたらすので正面からの攻略においては必須)引き続き砲台の配備を進め左右の城壁に砲撃を集中させることで、そこから城壁にのぼり攻略を目指す作戦です。ちなみに、この時点では後方の海上には手数を注いでいませんでしたが、海域エリアでの優勢を得たことで海側から増援が到着しています。

 

 3ラウンド。2ラウンドの砲撃で左翼の城壁が崩壊しており、そちらから攻勢を集中したことで一旦は城壁に登り占領することができましたが反乱軍の必死の反撃には耐え切れずに城壁から追い落とされてしまいます。海上からの攻略も狙ってみましたが島の守りは堅くこちらの攻略もなかなか進まずといったところです。

 

 ここで前半戦が終了し、後半へと突入します。オスマン側には同盟国としてエジプト軍が参戦しますが、エジプト軍は砲台の命中率を向上させる能力を持っています。

 

 4ラウンド。前半終了時には右翼側でも城壁が崩壊しており、このラウンドには両翼から戦力を投入して攻勢に出ます。かなりの損害を与え反乱軍のモラルも低下していましたが、堅い守りの前に攻略は果たせず、左翼を中心にこちらも大きな損害を受けています。ただ、砲撃に備えていたエジプト軍による追加の損害に加え、右翼は城壁前にユニットが集結しており攻撃準備が整っています。

 

 そして5ラウンド目です。ここまでに反乱軍が発動したイベントの影響等もあり、この段階でオスマンの食料、資金ともに尽きていました。このラウンドの終了時には支払える見込みがなくモラル低下による敗北もありえましたが、攻撃準備を終えていた右翼で猛攻にでます。ギリシア反乱軍も戦力を集めてこれをとめようとしましたが、最後は与えた損害により反乱軍のモラルが先に尽きたことで、何とかオスマン軍の勝利となりました。

 

〇評価

 ギリシア独立戦争におけるメソロンギ包囲戦というマイナー(管理人はこのゲームで知りました)なテーマを扱っていますが、都市を包囲し陸や海から突破口を穿とうとするオスマン帝国と城壁や海岸という地形効果と内戦の理を活かしてそれに抗うギリシア反乱軍の戦いをファランクス社らしい豪華なコンポーネントとアートワークで製作しており見た目からして非常に興味を引くタイトルとなっています。

 基本的なシステムは共用のデッキの中から配布された手札をアクションポイントとして使用するかイベントとして使用するかが難しい「ハンニバル(「自宅ゲーム会102 2日目後半」を参照。)」タイプのカードドリブンシステムですが、相手がプレイした自軍側のカードのイベントは続く手番に手札を破棄すると発動できるという仕組みは特徴的です。イベント発動のために破棄したカードは相手側のものであっても相手がさらにイベントとして発動することはできないので、発動させたくないイベントはこれにより破棄することができます。当然相手が先に捨ててくれるのを待ちたいところですが手札の引きによってはそうも上手くいかない状況も多く、そういう時は手札をプレイするタイミングでどれだけ強力なイベントであっても発動させている暇はない(アクションで対応しないと)という状況に持ち込むなど、この辺りのカードマネジメントは考えどころです。

 また、両軍ともにターンの経過とともにリソースを消費していき、リソースの欠乏はモラルの低下につながります。カードのイベントでいくらかの確保はできますが、戦力の補充等も含めて周辺地域に影響力を広げていくことは重要な補給源として必要な要素となります。ただし、影響力の拡大を進めていくアクションは軍隊の移動や攻撃といったアクションに比べるとコストがやや高く設定されており、影響力の拡大にアクションポイントを投入しすぎると本土における情勢がおろそかにならず、本土と周辺地域へのバランスをどうして行くかというのも悩ましいところとなっています。

 あと、初回のプレイでも2時間はかからなかったくらいでウォーゲームとしてはかなり高めのプレイアビリティなのもいいところかな。 

 ゲームが国内で一般的な流通に乗っておらず現状公開された和訳がないなどプレイにいたるまでのハードルはありますが、ゲームとして大きく気になったところはありません。両軍ともに十分といえないリソースの残量、そしてライフのようなモラルに気を配りつつ盤上での戦力展開と周辺地域への影響力を如何に進めるか、カードドリブンらしいイベントとアクションついでに砲撃の応酬が熱くとても面白いゲームになっていると思います。

 

 

 本日は午前中のみだったのでこの1ゲームで終了となっています。

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村