自宅ゲーム会427 前半 ネフスキー 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和4年6月4日

 

 さて、6月に入り最初のゲーム会ですが、本日はちいと2人でのゲーム会となりました。

 

☆ネフスキー

○概要

作者: VolkoRuhnke

対象年齢:14歳以上

対象人数:1-2人

標準時間:- -

 

 13世紀東欧における現在のドイツ近辺を勢力圏としていたチュートン騎士団とロシアとの争いを扱ったウォーゲームです。

 

①ターンの開始時に戦術デッキから2枚のカードを引きイベントとして発動させます。

②戦役期間が終了した諸侯は解散します。この時、諸侯に戦利品かコインを支給し、戦役期間を延長することが出来ます。

③各諸侯が生産ポイントを使用し「諸侯の召集」「家臣の召集(部隊の増加)」「輸送力の増加」「能力カードの追加」などを行います。

④命令カードを選択しデッキを構築します。そのターン中に行動させたい諸侯のカードを任意の順番でデッキに組み込めます。

⑤交互にデッキからカードを1枚公開し、その諸侯がアクションを行います。

⑥アクションには移動や攻城、食料の確保、徴税による資金の確保などがあります。されぞれのアクションには所定のリソースが必要となる場合があります。

⑦移動により敵諸侯と同じスペースに入ると野戦や攻囲が発生します。

⑧野戦は同じエリアにいる諸侯同士を戦闘マップに移動させ戦闘を行います。射撃と白兵戦ごとにユニットに応じた数のダイスを振り、損害を与え合います。攻城戦は制限やボーナス要素が多いものの処理としてはほぼ同様に処理します。

⑨勝者は戦利品などを獲得でき、敗者側は戦役期間が縮まる可能性があります。

⑩全ての命令カードの処理が終わるとターンが終了するとのターンに向けて準備を行います。

⑪これらを繰り返し、ゲーム期間を終えた時点で最も多くの得点を獲得しているプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 初プレイとなる今回は1420年を1年(4ターン)プレイするショートシナリオでチュートン騎士団を担当しプレイを開始します。画像は最初の生産が終わったあたりです。

 

 ゲーム開始と同時に部隊は少数ながら前線に位置したYaroslavによる電撃戦でロシア軍の拠点を攻め落とすことに成功します。お返しとばかりにロシアも軍を進めてきましたが、包囲を開始したところにHermann元帥を救援に差し向け野戦で打ち破り、拠点を確実に手中に収めます。

 

 ただ、退却した先にあるプスコフは強固な都市でありそう簡単に落ちないと判断したロシアは後方の部隊を北に回し反撃を狙ってきます。とはいえ、こちらはデンマーク王子がタッチの差で間に合いロシア軍の進路を塞ぐとともに、攻め寄せるロシア軍を返り討ちにすることに成功します。

 

 このまま守り切れればと思っていた最終ターン。ロシア軍の主力は敗戦の影響もあって帰国をしましたが、こちらはこちらでロシア側のイベント効果によりデンマーク王子が帰国してしまい、これによって北方が完全にがら空きになってしまいます。

 


 この隙をついてロシア軍はチュートン領に侵入して各地を荒廃させて回ります。こちらも負けじとプスコフ近隣を荒らして回りましたが機動力の差により荒廃による得点はロシアが上回ります。そうこうするうちにターンも終了し、結局最初に攻め落とした拠点の得点も加えると同点で引き分けという結果でした。

 

○評価

 13世紀半ばの東欧におけるロシアとチュートン騎士団の争いを描いたウォーゲームです。

 当時の主君と諸侯の関係性を表現した仕組みが特徴で、主君の求めに応じて諸侯は動員され参戦しますが、戦役期間が切れると敵の目前であっても包囲の最中にあっても問答無用で立ち去ります。コインや戦利品を提供することである程度の延長も可能ですが限度もあるので、戦線に穴を開けないようどのタイミングでどの諸侯に参戦を依頼するかは悩ましくなっています。ついでに、諸侯は諸侯で家臣を呼ぶことができますが、これまたこの家臣たちも期間が切れると諸侯が戦場にあっても立ち去るため(選択ルール)家臣の動員のタイミングも大切です。

 ちなみに、諸侯はそれぞれで輸送の能力や資源を管理しており、戦場で十分な能力を発揮するためにはこれらを十分保有してから出撃するのが望ましいのですが、輸送能力にはさまざまな制限が課せられることに加えて上記のとおり戦役期間に縛られるためあまりこの準備に時間をかけるとそれこそ戦う前に期間切れということにもなりかねないのが難しいですね。これらを踏まえて、如何に諸侯を満足な状態で必要な前線に配備するかのマネジメントは考えどころです。

 また、戦術カードの仕組みも特徴となっており、生産によって任意の能力を諸侯に付与することで諸侯の強化ができますが、ターンごとにランダムにひかれてイベントとしても効果を発揮します。能力として付与されている間はイベントとして発動されることなく、イベントとして発動されるとそのターンには付与ができないという背反する関係となっており、このカードをどちらとして使いたいかという判断が必要となる仕組みも面白いですね。

 一方で、上記をはじめとしてその他も色々な点で独自要素が満載なタイトルとなっており、思った通りの部隊運用をするためにはなかなかに習熟が必要というところはあります。ただ、これらの要素がしっかりとゲームの面白さにつながっているので、この難易度を乗り越えてでもプレイをしてみる価値は十分にあるタイトルだと思います。

 

 

☆エンピリアル

○概要

作者:TreyChambers

対象年齢:14歳以上

対象人数:2-6人

標準時間:- -

 

 魔法の世界を舞台にした鉄道会社発展ゲームで、魔法中心の世界に産業革命をもたらすべく尽力します。

 

①手番の最初にキャプテンやスペシャリストなどの能力を発動させることができます。

②「管理事業」か「移動&発動」のどちらかを選択します。

③管理事業はマナの回復や使用済み能力の回復、列車の獲得などを行います。

④移動&発動は個人ボード上で車掌を移動させ、移動先の列車の効果を発動させます。移動数によってはマナが必要となるとともに、列車の発動にもマナが必要になる場合もあります。

⑤発動効果の多くはマップの地形に列車コマ配置する効果で、通常は自分の鉄道網に隣接したマスにしか配置できませんが、コストを支払えば他プレイヤーや都市などを経由して別の場所に鉄道網を広げることが出来ます。

⑤車掌が最後のマスに進むと配送が発生し鉄道網にある品物を都市へ運ぶことで得点化が行えます。この時、需給タイルの条件を満たせば獲得出来ます。加えて、マナの増加やスペシャリストの獲得、列車の獲得などが行えます。

⑥これらを繰り返し、いずれかのプレイヤーが規定の需給タイルを獲得するか全ての列車コマを使用するとゲーム終了です。最後に1回配送を行ってから、需給タイル及び配送した品物から得点を計算し最も多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。立体的なコマが配置されているのが都市で、対応する品物を含む鉄道網をつなげ配送することで得点化することができます。

 また、手前には個人ボードがあり、この中央のライン上を車掌が移動することでそのマスの下に並ぶ列車のアクションが実行できます。

 

 序盤からお互い積極的に線路の拡張を行っていましたが、管理人に比べるとちいが常に一歩先に配送をしており後手に回った管理人はなかなかうまく配送しきれずといった展開でした。

 後半になると追い上げを見せるところもありましたが、最終的には数点及ばずちいの勝利となりました。

 

○評価

 魔法の世界を舞台にしていますが、中身は線路を広げて品物の配送を行うピック&デリバリー系でいわゆる鉄道会社を発展させていくゲームとなっています。一応、鉄道網がコストさえ支払えば直接の連結が必要なく、他プレイヤーの鉄道網や都市などを介して広げていけるところは魔法の世界っぽいかもしれませんね。 

 また、個人ボード上で車掌を進めることでアクションを実行するというロンデルのような仕組みをとっていますが、列車を追加することでアクションを強化できるところと、ロンデルが周回した時点で配送が行えるというのが特徴で、鉄道の敷設と配送を効率よく行うために、ロンデルをどのように成長させていくかというのは考えどころとなっています。加えて、レベル99ゲームズ社らしくリーダーやゲーム中に加わる各種のスペシャリストたちには比較的強力な能力が付与されており、これらの固有能力を組み合わせなども含めてどのように活用していくかというのも悩ましいところです。

 あとは、やたらとでかい外箱(一般的な正方形ボードゲーム3箱分くらいのサイズ)の中に詰まった豪華なコンポーネントも目を引きますが、その印象からすると全体的にルール難度は低く展開も早めでプレイアビリティの高さというのはありますね。

 その一方で、ロンデルを一周すると配送が行えるという仕組みですが、序盤はともかく列車を増設しアクション効率を上げると鉄道の拡張ペースが一気に上がりそれに比べると配送のペースが合っていないという印象です。そのため、ゲーム後半になるとできるだけ早くロンデルを周回させて如何に速いペースで配送ができるかというところが重要になりそうで、この点は収束性の良さという面ではいいのですが、単調さが出てくる点や列車の拡張や各種の能力を十分に活かせていると感じにくいところは気になったところです。

 また、鉄道コマが入り乱れてくると鉄道網の把握がしにくくなるという視認性の悪さも気になったかな。

 とまあ、レベル99ゲームズのタイトルとして見た目やルールを読んだ時点の印象は期待どおりでしたが、実際にプレイしてみると中身が全体的にあっさりとなっており、人数的な面はあったのかもしれませんが求めるのはそうじゃないんだよな感が気になったタイトルでした。

 

 

 後半に続きます。

 

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