自宅ゲーム会391 Crown of Roses | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和3年11月21日

 

 本日は参加メンバーの都合が合わず、久々となるちいと2人でのゲーム会となりました。そんなわけで朝からウォーゲーム三昧の一日のつもりでゲームを準備していましたが、本タイトルのみで一日が終わったという・・・でも面白かったので良しw

 

☆Crown of Roses

○概要

作者:StephenA.Cuyler

対象年齢:- -歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:300分程度

 

 バラ戦争をテーマにした積み木&カードドリブンシステムによる多人数対応のウォーゲームです。

 

①ターンの最初に手札を引きますが、条件によって手札の枚数は増加します。各プレイヤーが引いた枚数の中で、最も少ない枚数が続く作戦フェイズのインパルスの数となります。

②作戦フェイズの各インパルスにおいてカードを1枚プレイし、それをイベントとして使うか作戦として使うかを選択します。

③作戦には、移動、貴族への影響力の配置、戦力の補充、中立となった継承者の復帰があります。

④各インパルスで全員が手番を行った上で、同じエリアに複数の勢力のユニットがいる場合は戦闘となります。

⑤戦闘はユニットの戦力に応じてダイスを振り、どちらかが全滅するか撤退するまで損害を与え合います。

⑥支配しているエリアや官職、民衆の支持などに応じて影響力を獲得します。

⑦作戦フェイズに配置した影響力を公開して貴族の寝返り判定などを行い、その上で所属している貴族の階級に応じて王の選出を行います。

⑧王以外の官職をひとつずつ競りを行います。任意の影響力を握って一斉に公開し、最も多くを投入したプレイヤーがその官職を得ます。

⑨所属している貴族を順にマップへ配置し、マーカーなどを整理したうえで新たなターンを開始します。

⑩これらを繰り返し、規定の数王権を獲得する、敵対する勢力の継承者を全て除去する、ゲーム終了時に最も多くの勝利点を獲得する、のいずれかを達成したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ヨーク陣営を担当し、ゲーム開始時の様子です。この段階ではヘンリー6世を擁するランカスター陣営が国王となっています。ちなみに、3人以上でプレイする場合に担当勢力となるバッキンガム公とウォリック伯についてはそれぞれバッキンガムがランカスター、ウォリックがヨークのユニットとなっており、調略によっては寝返る可能性があるという立ち位置となっています。

 

 最初のターンは近隣で孤立している弱小勢力を叩きつつ、ヨーク陣営に協力的な未参戦貴族への調略を進めています。

 

 

 第2ターン。ヨーク公による中央、ウォリック伯による南方、北方領長官となったソールズベリーの北部のそれぞれで攻勢に出ます。このターンは順調に戦果を上げていきます。

 

 途中ロンドン近辺の押さえとして配置していたノーフォーク公にヘンリー6世を率いたサマセット伯が反撃に出てきますが、ここでもダイスの出目が良く逆に壊滅に追い込み、ヘンリー6世を討ち取ることに成功します。

 

 王の死と領地の奪取によりランカスター陣営の影響力を削ることは成功といえましたが、多くのアクションを部隊の移動に費やした結果調略にまで手が回らず、ウォリック伯、ソールズベリー伯という大物貴族の離反を許してしまいます。とはいえ、優勢となった影響力を投入して多くの官職は確保し、続くターンにはロンドン攻略を狙って包囲をするように配備進めます。

 

 まずはロンドン攻略から始まり、包囲の末ロンドンに篭っていた勢力を一掃することに成功します。ただ、この辺りからダイスの風向きが変わり、この一戦では戦力差以上の損害を受けてしまいます。

 

 さらに、先ほど寝返ったウォリック伯及びソールズベリー伯が戦力を引き連れて襲来、ここでも出目が奮わず連敗で結果として継承者のマーチ伯の戦死を始め、多くの貴族が離脱することとなりました。

 

 4ターン目。3ターン目の大敗で情勢はほぼ決したといえる状態でしたが、何とか逆転を狙い各地の戦力を集めます。

 

 しかしながら、ランカスター陣営の主力の前に再び敗北し残る貴族も半数以上が離脱します。命からがらヨーク公は戦場から逃げ切ったのですが、この敗北で逆転の目は完全になくなりヨーク陣営が投了。ランカスターの勝利となりました。

 

○評価

 バラ戦争をテーマにしたカードドリブンシステムによる積み木のウォーです。こう書くと、コロンビアゲームズ社の「リチャード3世(「自宅ゲーム会121 三日目 中盤」を参照。)と同様と感じられ、実際に機動や戦闘周りは似たプレイ感となっています。しかしながら、「リチャード3世」がランカスター派貴族とヨーク派貴族の軍事力による殴り合いで決着をつけていたことに比べると、本作はバッキンガム公とウォリック伯という2陣営を加え4陣営となったことによる勢力間の交渉や駆け引き、「関ヶ原(「自宅会291 後半」を参照。)」を思い浮かべるようなブラインドビットによる貴族の調略、入札による官職の争奪戦といったようにリチャード3世でオミットされていた政治的な要素が色々と追加されています。特に貴族の調略と官職の争奪には同じ影響力を使用するのですが、どちらも勢力を拡張するためには重要な要素である上にビットで負けた場合は喪失してしまう点が投入量の判断をより難しくしており、獲得した影響力をどう割り振っていくかというのはとても悩ましくなっています。

 また、カードドリブン部分においては軍事行動と貴族の調略、カードイベントでもある中小貴族との同盟などなどを並行して進めなければなりません。カードでの行動をほぼ全て軍事に割り振れていたリチャード3世に比べると、アクション数はリチャードとあまり変わらないにもかかわらずアクションを軍事と政治に割り振っていかなければならないためあれもこれもには手が回らず、限られた手数で何を優先していくかというのも考えどころです。

 一方で、当然ながらルール量は増加&複雑化となった上に、プレイ時間についても今回の2人プレイですらターンあたり1時間を越えるくらいで、最大の4人になるとより時間がかかるのは間違いありません。ついでに、ユニットは寝返りを前提にしているためか全てが同一色の積み木となっている上、貴族へのブラインドビットの場であるスペースにおいてはどの貴族がどの勢力に所属しているかというのも一目で判別出来るようになっておらず、お世辞にもプレイアビリティが高いとはいえません。

 このため、基本的にはバラ戦争を扱った積み木のウォーをプレイするとなると「リチャード3世」の方がプレイしやすくオススメではあります。ただ、政治的要素を投入した本作は本作なりの面白さもあって、プレイへのハードルを乗り越えてでもいつか4人プレイをしてみたいと思えるタイトルにはなっていると思います。

 

 

 ルールのインストから決着までで本日の時間は全て費やしてしまったためこれで本日は終了となりました。

 

 

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