自宅ゲーム会310 前半 トゥ・ザ・ラスト・マン | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和2年10月25日

 

 本日は管理人、ちい、しょう、カイの4人でのゲーム会となりましたが、午前中はいつも通りちいと2人でのウォーゲームとなります。

 

☆トゥ・ザ・ラスト・マン

○概要

作者:Timtaylor

対象年齢:- -

対象人数:2-3人

標準時間:120-180分程度

 

 第1次世界大戦における西部戦線を舞台にしたカードドリブンによるウォーゲームです。

 

①ターンの最初にあれば増援を配置します。

②先手プレイヤーからカードをプレイし攻勢を行うか、カードをプレイせずパスを行います。パスをした際は手札を交換することができます。

③攻勢を行うと全ユニットが行動でき、パスをすると1ユニットのみが支配地域内で行動します。

④敵のエリアに侵入、もしくはすでに両軍のユニットが存在するエリアで戦闘を行うことが出来ます。

⑤戦闘は補正効果をもたらすカードを使用し、両軍が空軍を保持していれば先に空戦を処理した上で、砲兵の先制射撃、防御側の防御射撃、攻撃側の攻撃の順に実行されます。

⑥攻撃はユニット数分のダイスを振りユニットに応じた出目がでればヒットとなります。ヒットはユニットもしくはカードで損害を処理します。

⑦戦闘は1ラウンド行われ、ラウンド後に退却を選択できます。退却した側は相手に騎兵があれば追撃を受けます。

⑧これらを両軍が続けてパスを行うまで繰り返します。

⑨補給状態を確認して、補給線が切れていれば損害を与え、生産ポイントでユニットやカードの購入などを行い次のターンに移ります。

⑩これらを繰り返し、支配しているエリアや軍の壊滅状態などで得点を計算し、ゲーム中に決定的勝利となる得点を得るか、ゲーム終了時により多くの得点を獲得していたプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 1914年から開始し管理人がドイツ軍、ちいが連合軍を担当しゲーム開始時の様子です。マップに三角形のタイルが配置されていますが、これらは軍でそれぞれ右手前にある軍管理用のタイルと連動しています。

 ドイツ軍は第1軍から第4軍がベルギー方面に、第5軍から第7軍が要塞線が向かい合うフランス国境に配備されています。戦力的にはドイツ軍が上回るものの、独仏国境には強固な要塞線が並んでおり史実どおり正面からの突破は難しくなっています。

 

 第1ターン。そんなわけで、これまた史実どおりドイツのベルギー侵入から戦闘は始まります。初期ターンは大きく手札で上回り「攻勢」の枚数など比較的カードの引きも良かったドイツ軍が順調にベルギーを突破。フランス領のセダンも降し早くも要塞線の背後まで迫っています。

 守りに力を注ぐフランスでしたが、始めから手札枚数で劣っていた上、ベルギー防衛線にカードを投入(損害の吸収として)しすぎたこともありドイツ軍の侵攻を止めることができずといったところ。

 さらに要塞線に駐留していたフランス第2軍が補給線維持のため後方に下がったところを、ドイツ軍はナンシーへ第5、第6軍を侵攻させ要塞線の正面からの突破も試みます。

 

 第2ターン。フランス第5、第2軍を退けたドイツ軍はパリ方面と要塞線の二手に分かれます。ベルギーからナンシーへ南下してきたドイツ第2軍との挟撃でナンシーが陥落。支配エリアを表すタイルがないので分かり難いですが、フランス第3軍は補給切れという状態です。

 また、イギリスの上陸地となるフランス北部の海岸線は早々にドイツ軍が確保しており、パリに多数の軍が登場しているものの、そのほとんどが歩兵1のみの不十分な軍ということもあって、こちらの方面もドイツ軍を止めることができずといった感じです。

 

 しかしながら、続くターンではカードの引きが悪くほとんど「攻勢」がないため軍は停滞。初手からパスをしカードの交換を行ったところで、連合軍もパスをしターンが経過します。

 

 第4ターン。動きのなかった1ターンを「攻勢」確保に費やしたドイツ軍に対して、フランス軍はパリに控える軍の増強に費やしており、こちらの方面ではフランス軍が反撃に出ます。海岸にいたドイツ第3軍がつかまったものの、残りは一旦後退させます。

 その間に独仏国境線では主力の3軍が南下し、要塞線の補給源となっていたラングルにおいてフランス第1軍、第2軍を蹴散らした上で占領。2ターン目以降包囲により戦力を減らしていたフランス第3軍もとどめとばかりに攻め込んだドイツ第7軍の攻撃を受け壊滅。

 パリ方面でフランス軍の反撃がはじまったところではありましたが、要塞線での壊滅によりドイツ軍の得点が決定的勝利を達成したことでドイツ軍の勝利となりました。

 

○評価

 第1次世界大戦における西部戦線をテーマにしたウォーゲームです。システムはカードドリブンですが、カードの使い方としては書かれている効果もしくは損害の吸収しかなくどちらとして使うかは悩ましいものの、比較的シンプルなものとなっています。あわせて、地上戦のみを扱い海上ルールはばっさりとカット、各区域が比較的広めのエリアマップで基本的には複数のユニットを組み合わせた軍単位での運用となるため、盤上のユニットは少なくプレイアビリティの高いゲームとなっています。

 ちなみに、様々な近代兵科が実戦配備されることとなった戦いだけあって、ターンの経過とともに塹壕や戦車に飛行機、毒ガスといった新兵器の使用が開放されていくところなどはこの時代らしいところかな。後半になるとどの軍にどの補助兵科をつけるか、軍の編成を考えるのも面白くなりそうな印象です。

 また、各年ごとのシナリオに加えて、史実では採用されなかった計画に基づいた配備などIF的な設定であるヴァリアントルールなどが豊富に準備されており、それらを使って歴史実験を行えるところなども面白いところだと思います。

 一方で、戦闘を発生させるためには攻勢カードを使用して発生させることになるため、手札に攻勢がなければなりませんし、そうして使った攻勢も両軍のユニットが射撃を交互に1巡行ったら終了となります。その上、主力となる歩兵は火力が1(6Dで1がヒット)となっており、平均値で行けば軍として攻撃を行って約1ヒットとなりますが、ユニット以外でもカードで損害を消化でき、さらに交戦中のエリアであっても生産したユニットを配置することが可能であるため、特に守る側は崩れ難いというところがあります。今回は戦力差があったので比較的突破がうまくいっていましたが、戦力が拮抗する状況では膠着を誘発しやすそうなところは要検証ながら少し気になったかな。ただまあ、史実においても膠着していた西部戦線なのでらしいといえばらしいといえなくもないですし、戦争の経過とともに新兵器により火力の底上げが行われるので、変化はあると思います。

 あとは、マップの見た目が地味すぎる気が。もう少し彩りがあってもいいように思いますね。

 とまあ、気になる点がなくはないのですが、比較的手軽なルールで西部戦線における様々な可能性を試すことが出来るゲームとしてはなかなか良くできていて、プレイしやすく面白いゲームになっていると思います。

 

 

 午後に続きます。

 

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