令和2年1月29日
さて、前回のボードゲーム会を終えた後から数日前まで我が家では胃腸炎が流行り、管理人も数年ぶりに体調不良によるダウンとなって開催が危ぶまれましたが、全員が無事に回復し本日は予定通りくまとのゲーム会となりました。とりあえずくまが到着するまでにセットアップをしこちらのタイトルから開始します。
☆ブラックアウト香港
○概要
作者:アレクサンダープフィスター
対象年齢:14歳以上
対象人数:1-4人
標準時間:75-150分程度
未曾有の大停電に見舞われた香港を舞台に、さまざまな専門家の力を借りながら社会的秩序やインフラの回復に貢献することを目的としたゲームです。
①ラウンドの最初に資源ダイスを振りダイスの色に対応する資源を決定します。
②ラウンド中に行うアクションを決定するため、カードの各列につき1枚ずつ秘密裏にカードを配置していきます。
③配置したカードを公開し、順にカード効果を処理します。アクションは資源を獲得できるボランティアと特殊なアクションを行う専門家に大別されています。ボランティアで獲得できる資源は輸送トークンにより調整することが出来ます。
④個人ボード上に配置されている目的カードを達成します。カードの種類にもよりますが目的カードを達成することで手札にそのカードを追加したり、マップ上にキューブを配置することが出来ます。
⑤カードやGPSトークンを使用して偵察タイルを獲得します。偵察を行った場合、使用したカードのうち1枚が病院に移動します。
⑥コストを払い新たな目的カードを獲得します。
⑦目的カードのマーケットをリセットし、資源のうち食料や水を売却します。
⑧エリアの周囲を自分のキューブで囲んだ場合については復旧が完了し、勝利点が獲得できます。
⑨手札が一定枚数を下回っていれば、複数あるカード列で最も長い列からカードを手札に戻します。この時、特殊なアクションを実行することも出来ます。
⑩これらのラウンドを繰り返し、カードの山が枯渇した時ゲームは終了となります。ゲーム終了時には途中で獲得した得点に加え、デッキのカード、偵察タイル、資源等から勝利点などを追加し、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子です。左上のマップボード右下の円は資源ロンデルでラウンドの開始時にダイスを配置して獲得できる資源を表示し、あわせて各資源に自分のキューブを配置することで資源の所持を表します。
手前は個人ボードで、スペースの都合で左側(本来は個人ボード手前)によけていますが、これらがカード列でこの列に追加する形でアクションカードを配置します。個人ボード上のカードは目的カードで、左の2枚のようなカードは達成することで手札に加わり、右のようなカードは達成すると達成エリアに置かれ特殊なアクションをもたらします。
序盤から中盤にかけて資源ダイスと目的の達成に必要な資源がなかなかかみ合わず苦労はしましたが、中盤を過ぎて徐々に資源が溜まり目標を立て続けに達成します。
終盤に入りようやく一つ目の区画が復旧します。このあとも復旧や目的カードの達成で得点を稼ぐ管理人に対し、くまは偵察や個人ボードの能力解放によるボーナス等で得点を稼ぎます。
そんなこんなでゲームは終了となり得点計算に入ります。かなりの接戦となりましたが、最終的には何とか2点差をつけての勝利という結果でした。
○プレイ経過
デッキビルド(というか山札を作ってはいないので手札ビルドなのかな)系で、構築したカードの中からアクションカード列にカードをプロットしアクションを実行、カードの枚数が多いアクション列からカードの回収という流れをとっており、どれだけ必要なカードであっても回収を行うまでは手札に戻ってこないので、どの列にどのカードをプロットしどのタイミングで回収を行っていくかというカードのマネジメントが考えどころとなっています。
このアクションカード周りの仕組みは同作者の「モンバサ(「自宅ゲーム会112」を参照。)」をベースにしたと思われるものですが、モンバサに比べるとアクション自体はかなり簡易で同時に使うカード同士の連動などもなくシンプルになっています。とはいえ、デッキにカードを追加するためにはボランティアや専門家の描かれた目的カードを獲得し、そのカードの目的を達成するという2段階の手順が必要となっており、目的カードは保持できる枚数に上限があるため、達成難度を見ながら確保と達成を行っていかなければなりません。しかも、目的カードは手札になるかならないかというだけではなく、ボード上に配置するキューブとも連動しており、キューブの配置による復旧の得点も大きな要となっているためどの要素を優先するかというのも難しいところです。また、回収できるカード列に制限が入っていたり、カード列にあるカードの組み合わせが目的の条件となっているものがあったりと色々と調整の入っている部分は多く、これはこれで違ったプレイ感と悩ましさがあり面白いところだと思います。
あとは、資源ロンデルという仕組みもなかなか面白いところで、ダイスによりそのラウンドに獲得できる資源が決まりますが、コストを支払えば他のものに変更することも出来、このコストが最終的に勝利点(輸送トークンの獲得に必要)となるので、このコストを払ってでも獲得が必要かどうかを判断していくかということも大切です。ちなみに、各プレイヤーが所有している資源についてはロンデルのそれぞれのスペースにキューブを配置するという形で、資源の種類が多いゲームなので扱いやすくなかなかいい工夫かなという感じです。
一方で、大停電の復旧というテーマのためか、黒を貴重にしたボード類は全体的に地味でパット見た時にいまいち面白そうに思えないのは少し残念なところだと思います。
また、「モンバサ」に比べると、プレイヤー同士が絡む要素のほとんどが早取りになって、マップ上のキューブも排他性がなく陣取りの要素は薄くなったりと、ソロプレイ感が強くなった印象を受けたのも少し気になったかな。
とまあ、モンバサと比べるとゲームとしては軽く(といってもそれなりにかかりますが)ソロプレイ感は強くなっているので管理人の好みからは少し遠ざかったかなというところがありはするものの、それでもなおカード&リソースマネジメントを通じて如何に効率よく、そしてどんな目的を達成していくかは悩ましくなかなか面白いゲームになっていると思います。
中盤に続きます。