令和元年8月31日
前半は手軽なボードゲームからプレイしていましたが、ここからはウォーゲーム(?)です。
☆忍者大戦(ウォーゲーム日本史26号)
○概要
作者:芝村裕吏
対象年齢:- -
対象人数:2-5人
標準時間:15分程度
一人の忍者として人生を送り、多くの偉業を成し遂げることで伝説を作り上げることを目的としたゲームです。
①手番には5枚のカードから1枚のカードを選択し手元に公開します。
②ダイスを振り、公開したカードの難度に対して生存判定を行います。成功した場合はそのまま保持し、失敗したら死亡となります。
③手元に保持したカードは、判定の修正や特別な能力を持つものがあり、次以降の判定を有利にします。
④残りの4枚のカードは隣のプレイヤーに渡し、渡されたプレイヤーはカードを1枚引いて手番を行います。
⑤一度目の死亡は手元のカードを全て破棄し2代目として再度挑戦をおこないます。2代目は勝利点が減点となりますし、2代目の死亡は脱落となります。
⑥山札がなくなった、いずれかのプレイヤーが7枚のカードを保持した、生き残ったプレイヤーが1人になった、のいずれかが満たされた時点でゲームは終了となります。手元に保持したカードに応じて得点を獲得し、ボーナスアイコンのセットや長寿によるボーナスなどを加え、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子ですが、場には山札しかありません。
大恋愛により「色仕掛け」を覚えた管理人の初代は2つ目の任務で失敗し死亡となります。
ただ2代目となったものの、手札にまわってきたカードには難易度が中級以上のものしかなく、あえなく失敗。2代目が倒れたことにより生存がちいのみとなったのでゲームは終了しちいの勝利です。
あっさりゲームが終わりすぎたので続けて2戦目。最初の任務で「色仕掛け」を覚えるのは変わらず。
今回は順調に任務をこなす管理人に対し、ちいは3つ目の任務で1足りず失敗。
ちいの2代目が頑張ってはいたものの、管理人がそのまま7枚のカードを揃えゲームは終了。手元のカード枚数にはかなりの差があり、得点的にも大きく上回ったことで2戦目は管理人の勝利となりました。
○評価
まずは突っ込みどころとして、雑誌は「ウォーゲーム」日本史となっているものの、テーマ自体が忍者ですしゲーム自体もドラフトしたカードにダイスをふって獲得判定をおこなうというほぼダイスゲームで、看板とのズレがあるような気がしないでもないです。まあ、そんなわけで冒頭でもウォーゲーム「(?)」となっています。
ではプレイしてみるとどうかといえば、一応自分の手元の状況や他プレイヤーの進捗に応じてどの程度リスクをとってカードをドラフトするかというのが考えどころになっているものの、判定が2D6と比較的ブレ幅がありダイス運の影響も大きくなっています。ただ、任務に失敗すると(2代目という救済があるとはいえ)問答無用で死亡してしまうという緊張感がカードの選択をより悩ましいものにしていますし、自分が担当する忍者がどのような人生を送ったのか挑戦する任務や獲得する忍術といったフレーバーはなかなか面白いです。
ある程度手元にカードが揃ってくると緊張感がなくなってくるというところありますが、手軽に短時間でプレイできるダイスゲームなので、ウォーゲームの合い間などで気楽に楽しむには悪くないゲームだと思います。
☆フィリピン攻略戦
○概要
作者:中黒靖
対象年齢:- -(比較的入門的と思われる)
対象人数:2人
標準時間:60-90分程度
第2次世界大戦における日本軍によるフィリピン戦役をテーマにしたウォーゲームで、もともとは同人雑誌「このシミュゲがすごい!2012年版」に付録としてついていたゲームの海外版となります。
①日本軍、米英軍から担当する勢力を決定しセットアップをおこないます。この時、両軍とも3つある戦略の中からひとつを選び秘密裏に保持します。戦略はVPの獲得条件が変化します。
②ターンは米軍の手番から行い、移動か戦闘を選択し実行します。
③続いて日本軍が移動と戦闘を任意の順でおこないます。戦闘を先におこなった場合は戦闘時にボーナスが入ります。
④戦闘は攻撃と防御の戦闘力から比率を出してダイスで判定をおこないます。
⑤第3ターン以降、米英軍はマッカーサーの指揮を宣言することにより、ゲーム中に一度だけターンの移動か戦闘に加え、再度移動か戦闘をおこないます。
⑥各ターンの終わりに、米英軍は支配しているフィリピンの飛行場の数に応じてダイスを振り、成功すれば得点を受け取ります。
⑦7ターンが経過するとゲームは終了で、最後に戦略の中で達成したものから勝利点を受け取り、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
管理人が日本軍、ちいが米英連合を担当します。戦略は管理人が「野戦軍撃破(ユニットの撃破で得点)」ちいが「首都防衛(マニラ及び港湾の防衛)」を選択していますが、当然この時点ではお互いの戦略は分かっていません。
ゲーム開始時、マニラを守るために周辺に展開している米英軍に対し日本軍は各上陸ポイントからターン毎に順次上陸を始めます。ユニットごとの戦力は日本軍が強いですが、数の上では米英軍が上回っています。
上陸した日本軍に対して米英軍は防衛ラインを敷き遅滞戦闘をおこなっていましたが、質に勝る日本軍が徐々にマニラに向けて押し進んでいきます。
そうこうするうちに、戦線に穴を開けることに成功しそこから米英軍ユニットの後方に滑り込ませ殲滅を進めていきます。
ちなみに、日本軍ユニットに疲労マーカーがついていますが、日本軍ユニットは2損害を受けなければ撃破されません。
さらに軍を進め上下から包囲しマニラに追い詰めた状況です。
ポイントポイントに攻撃を集中させながら守りを崩していきます。
次第に退路もなくなり、残り1ターンまで粘ったものの瓦解。
結局米英軍は全滅となり、勝利点を含め管理人の勝利となりました。
○評価
太平洋戦争におけるフィリピン攻略戦をテーマに、マニラを目指す日本軍とそれを防衛する米英軍が争うウォーゲームとなっています。史実で勝利した日本軍は戦力の高さに加え2ステップ(除去の結果一度は疲労を受け、手番に何もしなければ回復)を持つと非常に強力で、それに対する米英連合軍は数こそいるものの全体的に戦力に乏しく1ステップのみで脆弱となっており正面の戦いにおいてはかなり日本軍が優勢という設定になっています。
そういった戦況の中、ゲーム開始時に両軍が戦略目標を選択して得点条件を設定するのが特徴的で、選択しなかった得点条件では全く得点できなくなっているというのは面白ですね。戦略の読み違いによっては行った攻撃が必ずしも相手の得点機会を妨害できるとは限らず時間の浪費ということもありえ、相手がどのような戦略に基づいて行動しているのか、如何に相手の戦略目標を妨害しつつ自分の戦略目標を達成するかが考えどころとなっています。
多少ルールに枝葉があるものの、両軍合わせても20ユニット程度、ターンの流れも基本的に交互に移動と攻撃を繰り返すというシンプルなもので比較的手軽にプレイできるゲームです。その上で、戦力的にはアンバランスな設定ながら、お互いがどのような戦略目標を選んでいてどう動くのかの読みあいが悩ましく、面白いゲームになっていると思います。
後半に続きます。