自宅ゲーム会204 2日目中盤 クリプティド 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年5月19日

 

 さて、午後になるとやまが到着しここから4人でのゲーム会です。午後の前半は比較的プレイのしやすそうなタイトルを中心にしています。

 

☆クリプティッド

○概要

作者:HalDuncan&RuthVeevers

対象年齢:10歳以上

対象人数:3-5人

標準時間:30-50分程度

 

 未知の生物の探索をテーマにしたゲームで、各プレイヤーが秘密裏に保有している異なる情報を元に推理をし、より早く発見することを目的としています。

 

①ゲームのセットアップを行い、各プレイヤーがひとつの情報を所有します。

②手番になると他プレイヤーに「質問」か特定のマスの「探索」を行います。

③質問は1人のプレイヤーへ指定したマスに生物が存在するかを問い、探索は自分の情報では存在することが確定しているマスを指定し手番順に他プレイヤーにそこに存在するかしないかを確認します。

④探索の結果全てのプレイヤーが「存在する」とした場合、探索を行ったプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 今回は全員が初プレイなので建造物が少なく肯定的なヒント(○○から○マス以内に「存在する」というヒント)しかない初級でプレイをし、ゲーム開始時の様子です。ボード上に配置されている八角柱と四角の駒は建造物となり、地形(各マスの地形)、住みか(動物の住処で画像ではやや見難いですが住処があるマスはマスの周囲を囲っています)と同じくヒントの対象となります。

 各プレイヤーとも手元にはキューブとディスクを所持していますが、質問等の結果自分が「存在するかもしれない」と応えたマスにはディスクを、「存在しない」と答えればキューブを配置します。

 

 序盤は質問を中心に、他プレイヤーがどのようなヒントを所持しているのか情報を集めます。

 

 中盤になると、徐々に集まった情報を元に探検を始め勝利を目指します。

 

 最終的にはやまが未知の生物の生息地をあて勝利となりました。

 

○評価

 未知の生物の住処を探索するというテーマはありますが、情報を相互に突き合せ矛盾なく説明できる答えを求める論理パズルを上手くボードゲームにしたような内容のゲームです。

 特徴的なのは各プレイヤーが異なるヒントを所持し相互に把握していないところで、お互いの質問・探検の意図や結果から、各プレイヤーがどのようなヒントを持っているかというのを推測していかなければなりません。手番毎にどちらかのアクションを行い情報を集めますが、質問は「存在しない」の回答の場合に自分も「存在しない」マスをひとつ教えなければなりませんし、探検は自分の「存在する」エリアだと伝えることになります。自分の質問や探検が、他のプレイヤーへのヒントになるようになっており、どちらのアクションでどのマスを指定していくかは悩ましいところです。ちなみに、嘘はつけないもののアクションの選択によっては自分の保有しているヒントを誤認させることは出来るので、そのあたりの駆け引きも面白いところだと思います。

 また、アクションの結果は全てキューブとディスクを配置して残していくため記憶違いによる質問の重複などがなく、メモなどで記録に残す必要もないところはプレイのしやすさにつながっておりいいところですね。

 一方で、長考する人はすると思うのでダウンタイムが発生しやすいというところはあります。ただ、結局は全員が常に考えている状況なのでそれほど気にならないかな。あと、何だかんだいっても論理パズルなのである程度は得手不得手のでるゲームだとは思います。

 とまあ、ベースが論理パズルなので気になる点はある程度の難易度を確保しようとするとやむを得ないというところでもあり、あとは好みになるとは思います。とりあえず、その部分が気にならなければ、隠されたプレイヤー間の情報を探りつつ、如何に素早く目標のマスを発見するか、することは簡単ながら手番手番のアクションやプレイヤー間の思惑が非常に悩ましく、プレイアビリティの高さも含めとても面白いゲームになっていると思います。

 

 

☆ひとしずくのせかい

○概要

作者:缶詰本舗

対象年齢:8歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:20分程度

 

 ギリシャ神話の神々となってそれぞれが異なる目標を持ち、共有のボードに木製チップを配置しながら上手く自分の目標に沿うようなせかいを作り上げていくゲームです。

 

①ゲーム開始時に担当する神を選択します。選択した神に応じて2つの得点条件が設定されています。

②手番にはルールに沿って任意の2枚のコインを配置していきます。

③コインの配置条件は、海の上に砂浜、三角形に配置した砂浜の上に森、三角形に配置した森の上に山、山に隣接する森に川、長く伸びた川の上に村といった感じです。

④初めて山を作ったプレイヤーなど、共有の勝利点も設定されています。

⑤コインを全て配置するか、配置できなくなった時点でゲームは終了となります。勝利点を計算し、最も多くの得点を保持しているプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。管理人は山を作ることで1VP、渓谷(山に挟まれた川)を作ることで3VPといったヘファイストス神を担当しています。

 

 それぞれの自分の目標を狙いながらも、他プレイヤーの得点減を潰しつつ徐々に大地が広がっていきます。

 

 渓谷は作りにくい展開だったものの、アルテミスを担当した芋が説明書にネタ(妨害されやすく達成が難しい、1VPをたくさん狙う方が稼げる)とまでかかれた森を輪状に並べる3VPの条件を目指していたので、結果として森が密集したため比較的山が作りやすい展開で管理人が有利に進めます。

 

 結局ゲーム終了時はこんな感じです。得点を計算すると、他プレイヤーが5点前後のところを、共有の勝利点も含め10点を上げた管理人の勝利という結果でした。

 

○評価

 共有のボード上にコインを配置し目標の達成を目指すゲームで、神々による世界創生というテーマになっており、それっぽく感じられるコンポーネントはやや地味めながら雰囲気がありよくできていますね。

 各プレイヤーに2つの得点条件が与えられるのですが、共有ボード上で世界をつくるという割に担当する神によってそれらの条件が全く異なっているのは特徴的なところです。条件によって達成のしやすさや、達成は出来ても妨害の受けやすさというのは異なっていますし、得点の高い条件を目指すのが必ずしもいいというわけではなく(アルテミスの条件などは作者にネタといわれていますしw)、このあたりを考えながらどの条件を達成できるようにどうコインを配置していくかが考えどころとなっています。ちなみに、それぞれの神の条件は微妙に連動しているところがあり、達成を目指す過程で協力できたり、ものによっては共存できたりするところは面白いところだと思います。

 一方で、全ての情報が公開され配置する地形も任意に選べるということもあってアブストラクト的なところがあります。ゲーム終了時に得点を計算するということもあって、ゲーム中の盛り上がりにやや欠け全体的に淡々とているところは少し気になりました。

 また要検証ではありますが、上記のとおり神々の得点条件が微妙に連動しているからこそ、4人以下でプレイし特定の神が欠けている事による有利不利が出そうというところもありますね。

 ただ、これらの気になる点は今回基本ルールで行っていたということもあり、上級ルールであれば担当する神は非公開、その上で一定ラウンド毎に途中経過を報告するとなっているので、もう少し緩和されそうな印象です。少人数ならばなおさら上級の方が良さそうかな。

 とりあえず、基本ルールの段階では雰囲気はいいのだけど全体的にもう一歩という感じがありますが、上級でどうなるかは試してみたいところです。

 

 

☆ビッグショット

○概要

作者:アレックスランドルフ

対象年齢:8歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:45分程度

 

 都市化が進み不動産ブームに沸く街で、投資を行い有望な土地を買い占めることを目的とした競り&陣取り系のゲームです。

 

①ゲーム開始時にランダムに各オークションマスへキューブを配置します。

②手番プレイヤーはダイスを振ってオークションマスのコマを進め、止まった位置にあるキューブを競りにかけます。

③競りは手番プレイヤーの隣から順に入札額を宣言するかパスを宣言します。入札額は手前のプレイヤーより多くの額を宣言する必要があります。

④任意のタイミングで借金をすることが出来ますが、その場で利息を払わなければならず、回数が増えると利息も多くなっていきます。

⑤1人を除き、他のプレイヤーがパスで入札から抜けたら、残った一人が勝者となります。勝者は任意のエリアにキューブを分配します。

⑥各エリアは7つのキューブが置かれた時点で決算となります。より多くのキューブを配置しているプレイヤーがそのエリアの勝者となりゲーム終了時にエリアの価値分のボーナスを受け取れます。ただし、エリアで最多プレイヤーをきめる際に、同数のキューブを配置しているプレイヤーはその決算からは脱落となります。

⑧入札とキューブの配置を全てのキューブがなくなるまで繰り返しゲームは終了となります。プレイヤーは所持している借金マーカーを返済し、エリアの勝者はボーナスを受け取った上で、最も多くの資金を集めたプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が赤、芋が紫、ちいがオレンジ、やまがグレーでゲーム開始時の様子です。4つずつキューブが配置されているのがオークションマスとなりますが、毎ゲームランダム配置で今回はこんな感じ。

 

 序盤は競りに勝ったプレイヤーが自分のものを高得点エリアに、他のプレイヤーのものを得点の低いエリアや競合するようなエリアに分配します。

 

 キューブが同数の場合、決算時の判定からは外れるためそれを上手く使い、管理人と芋が得点の高いエリアを押さえ競う展開です。残りの2人、特にちいは借金を積極的には行っておらず必要なタイミングで資金が不足しやや出遅れといったところ。

 

 最終的にはこんな感じです。結局ちいは2倍のエリアをおさえたのみで、それに隣接するエリアを押さえることができずに最終判定で全くボーナスが受け取れないという状況で4位。まあ、その分借金は2回しかしていなかったんですけどね(管理人たちは5回前後)。やまは後半借金を繰り返し追撃をしようとしたものの2箇所をおさえたのみで遅れは取り戻せず3位。

 結局、管理人と芋との争いになったのですが、押さえたエリアは最多だったものの終盤の攻勢に借金を重ねた芋は大きく伸びずに2位。管理人の勝利という結果でした。

 

○評価

 各プレイヤーの投資を表すキューブをどこに配置するか、その配置権を競りによって争い、各エリアでのマジョリティを狙うゲームです。資金が借り入れというかたちでしか入手できず定期的な収入というものがないのは特徴的で、借り入れを繰り返すことで利息が上がっていく(減点が増える)ので必要最低限としたいところですが、借り入れはラウンド毎に1回しか出来ないので、必要な時にすればいいと思っていると不足する場合もあり、どのタイミングで借り入れを行うかというの悩ましいところです。

 また、各エリアに影響力キューブを配置した際に同数であれば獲得件を失うという、同作者の「ハゲタカの餌食(「他家ゲーム会 番外1」を参照。)」的なバッティングが採用されているのも特徴的です。通常であれば最も多くのキューブを配置しなければならないところを、上手くキューブを配置することで自分のものは1つでもエリアの獲得を狙うことが出来、全体で配置できるキューブの総数は決まっていおるためこのシステムを如何に上手く使いキューブを節約するかというのは考えどころになっています。ちなみに、このシステムがあるため自分のキューブがないオークションであっても自分にもメリットがある場合も多く積極的に狙う意味が出てきているのは競りが盛り上がるのでいいことだと思いますね。

 一方で、上記のとおり収入を借り入れのみとしているのは減点と隣り合わせのジレンマがあるのですが、借金をしないプレイ(勝利のためには2つ以上のエリアを確保しないといけないので、実際には全くしないというわけにはいけないと思いますが)だと相対的に競りに投資できる資金が乏しくなりエリアの確保ができなくなると思うと、減点がないというしないことのメリットよりデメリットの方が大きいような気がします。ついでに、借り入れはラウンド毎に1回なので序盤は毎ラウンド借り入れて資金を先に確保しておいた方が良さそうで、ややこの辺はどうなんだろうという感じです。

 また、各エリアに配置できるキューブの総数はどのエリアも7つと決まっており、受け取れる報酬が1や2の違いしかないことを考えると、エリア間の差に乏しく最終的にほぼ全エリアにキューブが置かれることも含めて、やや単調に感じてしまいます。もう少し、エリアの特色があってもよかったと思いますね。

 とりあえず、競り&陣取り系としてルールの見易さや手軽なプレイ時間も含めなかなか面白いとは思うのですが、全体的にややバランスを取る方向に力を入れすぎており、プレイ毎の作戦などの幅があまりなさそうな印象で、リプレイするかと聞かれると「うぅん・・・」となってしまうのが引っかかったゲームでした。

 

 

 後半に続きます。

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村