自宅ゲーム会183 3日目 前半 ラビリンス 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成31年2月1日

 

 月も変わりましたが、芋の帰省にあわせたゲーム会も最終となる三日目になります。本日も「クトゥルフウォーズTRPG」をしてからボードゲームという流れです。ちなみに画像の手は箱写真とりを任せた芋のものです。

 

☆ラビリンス

○概要

作者:VolkoRuhnke

対象年齢:14歳以上

対象人数:2人

標準時間:180分程度

 

 宝物を求めて迷路をさまようやつではなく、2001年の同時多発テロを契機に勃発したアメリカとイスラム過激派(ゲームではジハーディスト)の対立(諸戦争)をテーマにしたウォーゲームです。よくよく考えるとアメリカの会社(GMT社)がよくこのゲームを販売したなと・・・そんなゲームなのでいろいろと過激な単語が出てくるかもしれませんが、一応ゲーム内の言葉をそのまま使っているだけで他意はありませんのであしからずご了解くださいませ。

 

①ゲーム開始時に山札が尽きた時に何回リシャッフルするかによりゲームの長さを選択します。

②ラウンド毎に配布されたカードをもとに、ジハーディストが2手番を行い、アメリカ側が2手番を行った上で、以降の手番は交互に行います。

③手番にはカードを1枚プレイし、そのカードに書かれた作戦値を使ってアクションを行うか、自国側もしくは中立のイベントを発動するかを選択します。この時、相手側のイベントのかかれたカードであれば必ず作戦値としてしか使用できず、イベントも強制的に発動(一部例外はあり)します。

④アクションはアメリカ側はイスラム諸国を親アメリカ政権に近づけたり、兵を展開してセル(工作員)を除去したり、プロットの実行を防いだり、兵を集中して戦争によってイスラム原理主義国家を打倒したりといったことを行います。ジハーディストはセルを展開して各地でプロットを実行し組織としての名声を高め資金を集めたり、イスラム原理主義国家の建国などを行います。

⑤作戦値の運用には両立場で違いがあり、アメリカは良好な国家体制の国に寄るほどその国にたいするアクションで必要な作戦値が少なくなります。ジハーディスト側の作戦値はアクションの試行回数で、イスラム原理主義国家に近いほどその国にたいするアクションの成功率は高くなります。

⑥イスラム諸国以外の欧米を中心とした諸外国も登場しますが、これらの国家は体制が強硬派か融和派かによって国際世論に影響を与えます。アメリカ自体もこの体制を持ちますが、国際世論と反対の体制であれば国威の低下を招きやすくなります。

⑦お互いがカードを使いきるとラウンドは終了となりますが、アメリカのみ1枚を次のラウンドへ引き継ぐことも可能です。

⑧一定数以上の良好な国家体制をもつ国の樹立やセルの壊滅によってアメリカ側はただちに勝利となります。また、ジハーディスト側はイスラム原理主義よりの国家を増やすことや、アメリカ国内での大量破壊兵器プロットの実行によりただちに勝利となります。

⑨即時勝利の条件を満たさず、ゲームが終了した場合、良好な国家体制よりの国家と、イスラム原理主義よりの国家がどれくらいあるかによって判定がされます。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。管理人がジハーディストを、芋がアメリカを担当します

 緑の国家がゲームの主となるイスラム諸国で、これらの国家にはリソース値(国家の影響力みたいなもの)、アメリカとの関係性(同盟、中立、反米)、さらに国家体制(1の良好、2の適正、3の貧弱、イスラム原理主義)が設定されます。ゲーム開始時唯一のイスラム原理主義国アフガニスタンや、かなりアメリカ寄りなサウジアラビアなど既に国家の姿勢が確定している国(関係性や国家体制を示すタイルが配置されている)もありますが、確定していない国は該当の国でカード効果が解決されたり兵・セルが移動したりした場合に判定されます。

 それ以外の国家は強硬派か融和派かのタイルを配置するスペースがあるのみですが、多くの国家はゲーム開始時にその姿勢を明らかにしておらず、ゲーム中に判定していきます。

 

 序盤、大量破壊兵器を保有するパキスタンを早々と仲間に引き込みたかったのですが、アメリカの対応も早く近隣国家は次々と親アメリカ&適正な体制へと変化していきます。このため、パキスタンでイスラム原理主義国家の樹立を狙いましたが、ダイス運が悪く失敗続き。

 アメリカも黙ってみておらずアメリカ軍がセルの打倒に動き出しますが、セルの損失を嫌った管理人は兵員から距離を置き、より成功率の高いところを狙おうとイラクへと移動させここでイスラム原理主義国家の樹立を目指すこととします。

 

 途中せっかくなのでと湾岸諸国でも樹立を狙いましたがやはり失敗。予定通りイラクへとセルを移動させます。そうこうするうちにサウジアラビア、湾岸諸国、パキスタンが良好な国家体制となり、ゲーム開始時から良好なトルコも含めると良好な国家のリソース値がこの時点で10(12で勝利なので)とかなり危うい状態となります。

 

 一方でジハーディストもイラクの原理主義化に成功し、このまま反米体制のシリアで原理主義化に成功すると勝てるとと急ピッチで準備を進めていましたが、そんな中芋が1枚のカード「オイルショック」をプレイします。これは産油国のリソース値を上げるもので、サウジアラビア、湾岸諸国のリソース値が上昇。これによって良好な国家のリソース値12点を達成したアメリカ側の勝利となりました。

 

○評価

 カードドリブンによりアメリカとジハーディストとの影響力を競うゲームで、基本的なゲームシステムは「トワイライトストラグル(「自宅ゲーム会104 前半」を参照。)」を踏襲したものであるためそちらも参考にしてもらえればと思います。

 その上で、操作する国家が大国同士であった「トワイライトストラグル」と比べると、本作の方は大国アメリカと国家規模(正式な国家という立場ではありませんが)でいうと大きく劣るジハーディストという両者の非対称性が面白いところだと思います。当然、強大な軍事力を誇るアメリカは軍事的には優位に立ちますが、国内や国際世論を意識しなければいけませんし、大規模な軍事行動を遠く離れた中東で行おうとするならばそれなりのペナルティはあります。ついでに、戦後は治安維持のためにも一定の期間が必要で、無制限にその力を使い続けるというわけにも行きません。このため、穏便な対話による融和政策や動き回り潜伏するセルの掃討、プロットの阻止といった地道な活動も必要となります。反面、ジハーディストは軍事力には劣るものの小規模ゆえに潜伏しやすく、ゲリラ活動を行い現状の政治体制に危機感を与えることで最終的には自分たちの意思に同調するイスラム原理主義国家の樹立をめざします。ただ、国家としての経済規模の小ささから活動を維持するためには資金源を確保しなければならず、アメリカの警戒網を掻い潜りながら各地でプロットを狙うことになります。どちらも最終的に自国側の体制に近い国家をつくることを目標にしているのは同じであるものの、それぞれが出来ること、することが大きく異なっており、この状況下でどう有利な状況を作り出すかというのは悩ましいところです。

 その一方で、もともと「トワイライトストラグル」自体比較的ルールが多いゲームでしたが、国家同士で異なるルールを覚える必要があり、ルール同士の関係性の把握なども含め全体的に複雑になっておりプレイまでのハードルは上がっている印象です。

 とりあえず、それぞれの立場の違いをイベントやアクションの違いによってそれらしく表現しており、ゲームとしてはなかなか面白いです。ただまあ難易度の問題もあるのですが、それよりもまずテーマが受け入れられるかどうかが課題になりそうな気がしないでもないタイトルだとは思います。

 

 

☆スケアリーデイルズ(白雪姫対巨人)

○概要

作者:ライナークニッツィア

対象年齢:13歳以上

対象人数:2人

標準時間:20分程度

 

 御伽噺の主人公となり魔法を駆使しながら秘宝を奪い合うというカードとダイスを使った対戦型ゲームです。アメリカンな女の子(?)と巨大なオッサンの箱絵や、なんで白雪姫がりんご(おそらく毒入w)を武器に戦ってんのとか、巨人って主人公だったっけとかゲーム内容以前に突っ込みどころが満載。ちなみに、赤頭巾ちゃんとキノピオという別バージョンも国内では流通していたみたいです。

 

①手番になると相手の先頭の秘宝カードを対象に攻撃を行います。

②攻撃はパワーカードの使用及びキャラクターダイスを振り、秘宝カードに描かれたアイコンを全て揃えることができると使用したパワーカードを捨て相手の秘宝カードを獲得します。失敗した場合は、パワーカードは手元に戻ります、

③攻撃に成功したプレイヤーは再び攻撃を行うことができます。

④手番の最後にパワーカードを1枚補充します。また、コンパニオン、秘宝やイベントカードが含まれる運デッキからは秘宝カードを獲得するまでカードを引き、秘宝カード以外の場合はそのカードの効果を適用します。

⑤これらを繰り返し、手番開始時に規定の得点を獲得していれば勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人は巨人、芋は白雪姫を使用しゲーム開始です。芋は「七人の小人(コンパニオン)」を運デッキから引いたのでそれを加えた状態で、それぞれ1点の秘宝を持ってゲームが始まります。

 

 芋の先手で始まり手元のカードを奪われた次の手番、管理人は芋からカードを2枚獲得し手番の最後に獲得した秘法カードも含め早々と勝利ラインとなる7点に到達します。しかしながら勝利判定は続く手番の開始時となるのでまだ勝利にはならず。

 

 再度芋の手番となり、3点の2枚のカードを奪われてしまいます。この後の管理人の手番ではこれらを取り返すことができずゲームはそのまま終了。芋の勝利となりました。

 

○評価

 独特のアートワーク、対戦形式の2人用ダイスゲームで、ダイス運をカードによってフォローできるためカードの投入タイミングが考えどころになるゲームではあります。しかしながら、いいパワーカードが引けるかも運の要素が強く、得点要素となる秘宝カードにしてもランダムに引いてくると、全体的にコントロールのできないランダム要素が強いゲームです。

 また、手番の際に連続攻撃をした時のペナルティがないため、攻撃をするかしないかを悩む必要はないまま手番には基本的に失敗するまで攻撃を繰り返すことになりますし、お互いの手元の秘宝を奪い合うゲームで、手番開始時に得点が揃っていないと勝利にはならないこともあって、状況によっては不毛な長期戦になる恐れもあります。ただ、勝利ラインはかなり低いので秘宝カードの引きと攻撃の結果次第で2、3手番で即ゲーム終了の可能性も十分ありえるとかなり不安定なゲームという感じです。

 ついでに、キャラクターによる違いですが、キャラクター能力はゲーム中1回のみしか使用できませんし、ダイスの目の違いは秘宝カードがランダムな以上いまいち活かしきれてる様子もないため、別のキャラクターバージョンがあるようなタイトルであればもう少しキャラ性能の違いというのは欲しかったところです。

 とりあえず、ライナー先生のタイトルにしてはジレンマというか考えどころが薄く、全体的に調整不足感も否めないという印象のゲームでした。

 

 

☆マッターホルン

○概要

作者:レオコロヴィーニ

対象年齢:8歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:30分程度

 

 マッターホルンの登頂を目指して2個のコマをダイスで進めていくバースト系のダイスゲームです。

 

①手番になると5つのダイスを振り、ダイスの組み合わせによって成立した数値と同じ列にアクショントークンを配置します。組み合わせる時は必要であればダイスを除去することも可能です。

②アクショントークンが配置できれば続けてダイスを振りアクショントークンを配置できますが、アクショントークンが配置できない場合その手番を失います。

③ダイスを振ることをやめれば、その時点で配置したアクショントークンの数に応じた歩数、プレイヤーコマを移動させることができます。この時、1歩を消費することで障害物を除去することも出来ます。

④手番の最後に配置していたアクショントークンは全て裏返り障害物となります。空きマスのない列はこの時点で全ての障害物を取り除きます。

⑤これらを繰り返し、2つのプレイヤーコマをいち早く頂上まで到達させたプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子ですが、管理人(赤)は中央付近、芋(青)は両端から登山を開始します。

 

 障害物の少ない序盤は順調に登っていくのですが、中盤に入ると障害物が増えて進路が制限され移動のために障害物を除去しなければならないケースも増えてくるため、登るペースはかなり落ちてきます。

 

 お互いがデッドヒートで頂上付近に4コマ集まっていたこともあり、最後は1段進むために手番を費やしたりという展開になりましたが、上手く芋の進路を塞ぐ形でコマを進めた管理人が先に登頂に成功し勝利となりました。

 

○評価

 バーストさせないようにダイスを振り、マッターホルン山頂を目指してコマを進めていくゲームです。ダイスの組み合わせ方に特徴があり、手番開始時で5つある時はほぼ失敗はないのですが、手番でアクショントークンを配置すればするほど、ダイスが少なくなればなるほど成功率は下がっていくため、どこで手番を終えるかというのは悩ましいところです。

 特徴的なのは、アクショントークンが手番の最後に障害物となるところで、これによりお互いの進路を妨害することが出来るため、登頂に向けたお互いのルートを考えながら、どこに配置しておくかというのも考えどころになっています。 

 一方で気になるのはダウンタイムでしょうか。今回は2人プレイだったのでそれほど気になりませんでしたが、それでも手番に振るダイスの回数は多めだと思いますし、数字を見てからダイスの除去も含めどうするか考えるため、人数が増えてくると結構気になってきそうな印象です。また、要検証ではありますが4人プレイだと障害物が配置されるペースがより速くなっていくため、全体的な登頂ペースも遅くなり、ゲーム時間がかなり伸びるのではないかというのも気にならなくはないかな。

 とりあえず、バースト系のダイスゲームにしては少しルールが多いのですがそれ相応の考えどころもありますし、通常のゲームに比べるとそれでも十分手軽な部類に入るゲームで、後半になるにつれ登るペースが落ちていくところなどはテーマっぽいところもあり、なかなか楽しめるゲームだと思います。

 

 

 ここで日中は終了し、夜になるとちいが参加しての3人となりますが、中盤に続きます。

 

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村