自宅ゲーム会153 前半 フェンドー 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年7月28日

 

 7月の下旬に入りゲーム会が続いていますが、本日は午後からちい、カイ、しょうと管理人の4人でのゲーム会ですが、早々と午前中に到達したちいととりあえず2人でゲームをしています。

 

 

☆フェンドー

○概要

作者:DieterStein

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:30分程度

 

 少し前にプレイした「ウルビーノ(「自宅ゲーム会143 中盤」を参照。)」の作者による、直線に無制限&途中1回だけ方向を変えられるというコマを操作し、土地の境界線を引くことでより多くの陣地を確保することを目的としたアブストラクト系ゲームです。

 

①手番になるとコマを移動させ境界線を配置するか、コマを追加させます。

②移動は他のコマや境界線といった障害物を越えることはできませんが、直線に無制限に進むことが出来、一度だけ90度方向を変えることが出来ます。止まった位置で境界線を配置します。

③コマの追加は自プレイヤーのコマの移動範囲内に新たに配置することができます。

④境界線で囲まれたエリアにコマが1つ含まれていれば閉じられたエリアとなり、そのエリア内のコマは移動させることが出来なくなります。コマを2つ以上、もしくは全く含まない形で閉じられたエリアを形成することは出来ません。

⑤全てのエリアが閉じられたエリアになればゲームは終了です。それぞれのプレイヤーは自分のコマの配置された閉じられたエリアの広さを計算し、より多くのエリアを獲得しているプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人がオレンジ、ちいが白でゲームを開始します。ゲーム開始時の盤面にはそれぞれのコマが1個配置されているだけですが、移動による境界線の配置やコマの追加により徐々に盤面が賑やかになっていきます。

 

 序盤からコマや境界線でちいの動きを制限するように動かしていたことが功を奏し、盤面の半分以上はまだ開かれたエリアにはなっていますが、ちいのコマは全て閉じられたエリアに入っており、ここでゲームは終了で、より多くのエリアを獲得した管理人の勝利という結果でした。

 

○評価

 コマを動かしながらより多くのエリアの獲得を目指す完全アブストラクトな陣取り系のゲームです。

 面白いのは決められたマスやエリアを押さえていくという形ではなく、境界線を用いてエリアを区切りながら確保していくというところ。上手く境界線を配置しながら大きなエリアの形成につなげたいのですが、境界線はどちらのプレイヤーが配置しても共有のものなので、安易に配置することで相手の利益につながることもあり、如何に自分が有利になる位置に境界線を配置するかというのが悩ましいところです。なお、コマが1つだけ入ったスペースを区切ることでエリアが確定となりますが、どれだけ大きなエリアを形成出来そうであっても相手プレイヤーのコマがそのスペースに入ってくることで確定は出来なくなるため、確定させる広さやそのタイミングも重要になってきます。

 また、エリアを確定させるための境界線はコマを動かして配置していくことになりますが、このコマの移動は直線+一回の方向転換と独特な行動範囲を持つため、この動きをどう活用していくかというのも考えどころになっています。一見行動範囲は広いように見えますが、境界線やコマによって移動はだんだんと制限されていくため、これらをどう活用して相手のコマの行動(ひいてはエリアの形成)をコントロールしていくかということも大切なところです。

 入手にあたって国内できちんと流通していない点や、流通した場合の価格が高めといったところは「ウルビーノ」と共通して気になるところではありますが、ゲーム内容としては大きく気になるところはなく、コマを動かし盤面をどう上手く区切っていくかが悩ましくも面白いゲームだと思います。

 

 

☆黄金時代

○概要

作者:LuigiFerrini

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60-90分以上

 

 原始から現代に至る人類の歴史の中で、自分の文明を最も繁栄させることを目的とした文明発展系のゲームです。

 

①ラウンド毎に大陸タイルを引き配置します。この時、新たに配置されたタイルへ首都を移転することが出来ます。

②新たな時代に対応した文明のリーダーへ変更することが出来ます。

③手番順にアクションを行います。アクションには都市や建物の建設、他プレイヤーの攻撃といった開拓者を必要とするものに加え、驚異の建造や、建物など固有のアクション実行、技術の獲得といったものがあります。

④攻撃にはコストが必要となりますが、コストを支払えば必ず成功し、ゲーム終了時に得点となる栄誉タイルを獲得できます。ただし、コストは攻撃を行うつど増えていき、ゲームを通じて各プレイヤーごとに4回しか攻撃を行えません。

⑤ラウンドを抜ける場合黄金時代を開始したことになり、以後手番が回ってくるごとに資金が獲得できます。全てのプレイヤーがラウンドから抜ければ新たなラウンドに入ります。

⑥4ラウンド目にいずれかのプレイヤーが黄金時代に突入したところでゲームが終了となります。開発した技術、栄誉タイル、最先端技術カード(個人の目標カード)及び資金から得点を獲得し、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。中央の大陸を挟んで南北にタイルを配置したため初期の首都はお互い離れています。

 右手前のカードはリーダーカードでゲーム開始時に4つの時代(ラウンド)分が配られ、ラウンド毎に新しい時代のリーダーに変更するかの選択が可能です。その奥にある公開されたカードは通常の建物と驚異の建物となります。

 

 1ラウンド目はお互い拡張を行いますが、まだまだ攻撃は行わず平和裏に住み分けた状態で終了となります。

 

 2ラウンド目。管理人は攻撃に有利な能力を持つリーダーだったため、最初の攻撃を行います。

 

 2ラウンド目が終了したところです。この時点でお互い2段階目の技術は全て獲得した状況で差はありません。領土では攻撃を仕掛けた管理人がやや広いといった感じですね。

 

 3ラウンド目は、お互い東西に拡張した大陸の支配を目指しながら技術開発を行っています。

 

 最終となる4ラウンド。ちいはカード効果で最上級の技術を手に入れた上、自力での開発もあり合計2つの最上級技術を確保しています。その一方で、管理人は出来るだけ技術の向上を目指しましたが、手数や資金の不足から、最上級の技術の開発には至らず。仕方がないので最後に2回目の攻撃を行ったところでゲーム終了となりました。

 

 しかしながら結果は、技術開発の得点が多いちいに対して、攻撃による名誉タイルの引きが良く、最先端技術カードからの得点もしっかり確保した管理人が僅かに上回り勝利となりました。

 

○評価

 メインボードをぱっと見ただけでは分かり難いですが「シヴィラーゼーション(「自宅ゲーム会110 後半」を参照。)」などと同じく文明発展系のゲームになります。最初は小さなエリアから始まり、ラウンド毎にタイルを配置することで徐々に世界が広がっていくところなどはそれっぽい雰囲気があっていいところです。

 アクションの選択はワーカープレイスメントに近いのですが、ワーカー自体が盤面上を移動するユニットのような位置づけでもあり都市の建設や他国への侵攻などは実際にその場に移動させなければならないため位置取りも大切で、各ラウンドともワーカーは3コマしかないためこれらをどう動かしどういうアクションに割り振るかは悩ましいところではあります。

 また、アクションにはワーカーを必要としないアクション(多くはコストが必要)もあり、これによってラウンド毎に行う手番数はプレイヤーによって変わってきます。当然行える範囲で行えるアクションはしたいところですが、ラウンドを抜けたプレイヤーは以降一巡するごとに資金の獲得ができるため、安易に自分だけが手番を繰り返すことが必ずしもいいこととは言えず、このラウンドにどこまでアクションを行っておくか、資金をもらえば次ラウンドの余力ともなるので、ラウンドをどのタイミングで抜けるかなど他プレイヤーとの駆け引きや計画性が重要になってきます。ちなみに、最終ラウンドはいずれかのプレイヤーがラウンドから抜けることがゲーム終了のトリガーになっているため、このタイミングはかなり難しいものがありますね。

 そして、文明発展系といえば長時間の重ゲーというイメージがありますが、このゲームの何よりの特徴としてプレイ時間は中量級でルールも比較的少ないと、全体的なプレイアビリティの高さというのがあげられます。なお、技術開発に建物の建設、驚異の開発に他文明との陣取りと、きちんと文明発展系らしい各種要素が含まれた上でのシンプルさなので、このあたりの整理の仕方はとても上手いといった印象です。

 一方で、要素を含めつつシンプルにまとめたのは見事できちんと文明発展系らしい要素も含まれているはずなのですが、見た目も含めシンプルにまとめすぎたせいか、技術開発や建造物の建設などが文明の進歩と捉えにくく、全体的に文明発展系らしいフレーバーを感じ難いのは気になったところかな。ついでに、例えばタイルをつなげて既知世界を拡大していくという発想はいいのですが、タイルとタイルの間に海があったとしてもゲームスタート時から何ら気にすることなく渡れてしまい海を渡る技術の開発などがないとか、リソースは資金だけに統一されておりどんな資源であっても資金しか生み出さないため、文明が所有する資源に関わらずとりあえず資金だけがあれば何でも済んでしまうとか、シンプルにまとめた分物足りないと感じるところもありますね。あとは、文明発展系にはつきものの他文明の攻撃要素ですが、これも資金さえ払えば防ぐ方法はなく完全に一方通行な上に被害が即座に発展の停滞につながることもないため、やや味気ない感じはあります。とはいえこの辺は要素をどれくらい組み込むか切り落とすかのバランスなので好みによるとは思いますし、攻撃要素などはかなりマイルドなので反対に直接攻撃が苦手な人には向いているかもしれません。ただまあ、管理人的にはもう少しフレーバーというか文明が発展した感はほしかったところかな。

 とはいえ、文明発展系を適度な時間でプレイできるよう丁寧にまとめられているのは確かで、このシンプルさを許容できればしっかりと楽しめるゲームだと思います。

 

 

 後半に続きます。

 

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