自宅ゲーム会111 中盤 ヤマタイ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

 平成29年11月24日

 

 午前中に続きちいと2人でのゲーム会です。

 

☆バイソン将棋

○概要

作者:アレックスランドルフ

対象年齢:8歳以上

対象人数:2人

標準時間:30分程度

 

 村を目指して突き進むバイソンとそれを防ぐ酋長それぞれの立場となって目的達成を目指す、完全アブストラクトなゲームです。ちなみに、タイトルに「将棋」とついているように、コマの動きは基本的に将棋に近いです。

 

①手番になると担当するコマのいずれか一つを進めます。

②バイソンは前進するのみですが、酋長側の犬は移動範囲が広くバイソンの足止めが行えます。酋長は将棋の王と同じ動きをして、バイソンを捕獲することができます。

③バイソンがボード端へ到達するればバイソン側が、それを阻めば酋長側が勝利となります。

④役割を交代しながらプレイし、どちらかのプレイヤーが、両方の立場で勝利すればそのプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 初戦、管理人がバイソン、ちいが酋長側となりゲームを開始します。

 

 

 まずは、右側のバイソンを進め、酋長側のコマをこちらに引きつけます。

 

 酋長側のコマが右によっているうちに左のバイソンを進めますが、ちいは移動範囲の広い犬を差し向けバイソンの足止めを図ります。一見この後突破に成功しそうな雰囲気もありますが、酋長と犬の連携で上手く進めることができず。

 

 結局次々とコマが捕獲されていき、酋長側が防衛成功。初戦は管理人の敗北となりました。

 

  続いて担当を後退しての2戦目。

 

 酋長を早々に前に進め、右側のバイソンを捕獲し、左側のバイソンは犬で足止めを図ります。

 

 概ね作戦通りにいき、酋長側の防衛が成功。管理人の勝利です。

 

 3戦目は再び管理人がバイソン。従来の片方に偏重という手法ではなく両翼を並行して進める作戦をとります。これが上手くいき、ちいは左側のバイソンを止めることができず、突破に成功。酋長、バイソンの立場それぞれで勝利した管理人の勝利です。

 

○評価

 バイソン「将棋」となっているように、将棋のコマの動きを参考にしたと思われる各種コマを使ったアブストラクトゲームです。

 とはいえ、基本的にバイソン側のコマは歩のように真っ直ぐしか進めませんし、酋長側は酋長が王、犬は飛車+角の動きと、全部を合わせても3種類しかありません。そのため、将棋に比べると動きはシンプルで覚えやすく、よほどの長考をしない限りは1勝負15分もかからないとかなりお手軽になっています。

 面白いのはそれぞれのプレイヤーが非対称というところで、バイソン側は全てが歩なので、一歩づつ前進させるしかありません。それに対して、酋長側の犬は飛車角の動きと非常に機動力が高いです。ただ、犬はバイソンの数の約1/3(バイソン11匹に対して4匹)しかおらず、全員を足止めすることは不可能です。このため、バイソン側は如何に相手のコマを分散させて防衛線の隙をつくか、酋長側は機動力に富む犬で足止めを図りつつ、バイソンを捕獲できる酋長でどのバイソンを捕獲するかが悩ましいところですね。ちなみに、犬はあくまで足止めしかできずバイソン自体を飛び越えられないため、バイソンを上手く動かしスクリーンを張って移動を制限するのも重要かもしれません。

 気になる点として、アブストラクトの中でもかなりシンプルな部類に入り、手軽な分奥深さはそれほどなさそうかな。また、最近の将棋ブームのためかタイトルにでかでかと「将棋」の文字が入っていますが、気を引くためとはいえデザイン的にこの辺のセンスはどうなんでしょう。

 とりあえず、非常にシンプルなアブストラクトで手軽にでき、テーマもあることから子どもでもプレイしやすいタイトルだと思います。ちなみに、ゲーム前にはバイソンが歩の動きしかなく、それで面白いのかと思っていましたが、考えどころもあり思ったよりも面白かったです。ただ、今回日本語版が安価に発売されるまでは若干のプレミアがついて高値だったことについては、それほどのゲームかなあという印象ではあります。

 

 

☆ヤマタイ

○概要

作者:ブルーノカタラ&MarcPaquien

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:40-80分程度

 

 邪馬台国の女王ヒミコからの勅命を受け都市建築に従事する建築家となり、ヒミコの恩寵を受け偉大な建築家として名を残すことを目的としたゲームです。全体的なコンポーネントの充実はさすがのデイズオブワンダー社ですが、「ファイブトライブス(「自宅ゲーム会53 2日目」を参照。)」と同様、同社のタイトルにしては木製のコマが多用されています。

 

①手番になると船団タイルを選択します。船団タイルには獲得できる船と、ラウンド中に使用できる特殊アクション、次ラウンド時の手番決定に当たるイニシアティブがかかれています。

②船を配置する前に、追加で船の購入や手持ちの船を売却することができます。

③ボード上に任意の船を配置し、配置した船に隣接する島で「文化トークンの収集」もしくは「建物の建設」のいずれかを行います。船の配置について、最初の1個目の船だけはスタート地点か既に配置されている同色の船の隣に配置する必要があり、2個目以降は配置した船に隣接して配置します。

④文化トークンはゲーム開始時に各島に配置されており、専門家の獲得に使用できます。

⑤建物の建設は、建物タイルに描かれた必要な船で島が囲まれている場合、その島に建設することができます。この時、同一プレイヤーの建物が配置されている島が2個以上連続していれば集落となり資金を獲得することができます。

⑥余った船は1つを残し、残りは港の横に配置してゲーム終了時の失点となります。

⑦文化トークンを支払うことで専門家を雇用することができます。

⑧ラウンド終了時に、次ラウンドの手番の並び直しを行い、獲得した船団や専門家、建物タイルの補充を行います。

⑨いずれかのプレイヤーの建物コマがなくなるか、専門家や建物タイルの枯渇、いずれかの船の枯渇によりゲームが終了となります。

⑩ゲーム終了時、資金、名声トークン、建物、専門家などにより得点を計算し、そこから未使用の船に応じた減点を加え、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

  ゲーム開始時の様子です。ボード奥にあるのが専門家、ボードの右に配置されているのが建物タイル、手前に配置されているのが船団タイルとなります。船団タイルのすぐ上にあるのは手番順トラックになり、今回は2人プレイなので1ラウンドに2手番づつとなっています。ちなみに管理人はオレンジ、ちいは青。

 中央には多数の島で構成されたメインマップがあります。島の上に配置されているのが文化トークンです。

 

 1ラウンド目が終了し2ラウンド目が始まったところです。お互い1回の手番で文化トークンを集め、もう1回の手番で建物の建設を行っています。ちなみに、一旦配置された船に所有者はなく、誰が配置したものであっても建物の建設に使用することは可能です。

 

 序盤、管理人は能力の良さそうな専門家を確保しつつ、建物は得点の高めのもののみ建設していました、一方のちいは、安い建物であっても次々と建設し、広い集落を構築していきます。

 

 中盤、ちいは外周のいずれのポイントでもスタート地点にできるという能力を持った専門家を使い、右下の文化トークンを確保するため船を配置しますが、それらの船を使用して管理人が建物を建設します。また、管理人は文化トークンを金の船(基本的に取引での獲得ができない)に変える能力を持った専門家の力を活かして金の船を確保し城の建設も行っています。

 ちなみに、城と鳥居は個人の建物コマを使用せずに、それぞれ専用の共有コマを使用します。建設時の得点は通常の建物よりも高いのですが、城や鳥居をどのプレイヤーが建設したかに関わらず、これらに隣接する島に建物を建設すると追加で名声点を獲得することができます。

 

 左上の方にはちいの集落が広がっています。集落の規模に応じて建物を追加したときのボーナスは大きくなるため、この後も大きくなるこの集落からちいは莫大な資金を獲得していくことになります。ちなみに、建物には交易所というものがあり、この建物を建設したときのみ集落ボーナスが2倍になるというものがありますが、ゲームを通じて4軒の交易所をちいは建設しているのでなおさらですね。

 

 

 そんなこんなでちいが自分の建物コマを配置しきったことでゲーム終了です。最終の得点計算を行うまでは、建設した建物の価値は管理人がかなり上で、専門家の価値も上のため管理人の圧勝かなと思っていました・・・がゲーム終了時のマップを見て分かるとおり、ちいは全ての集落が繋がっており、さらに前述の通り交易所も建てまくっていたため資金はかなりの量を溜め込んでいました。それでも資金は5金で1点にしかならないため油断していたら、ちいは資金だけで19点(ちなみに管理人の資金からの得点は3点)。

 結果としては管理人の勝利でしたが、圧勝には程遠いぎりぎりの勝利という結果でした。

 

○評価

 まずタイトル、ヒミコ、専門家の名前と全般的に和風テイストが漂っていますが、コンポーネント類のデザインは中華風に見えるのは気のせいでしょうかw

 まあそれはさておき、「ファイブトライブス」と同様カタラ氏&デイズオブワンダーという組み合わせで、今回もデイズオブワンダーにしては珍しく木製を多数使用しており、色とりどり&形も色々な各種コマにカードではなく全てがタイルという充実したコンポーネントは満足感が高いです。

 ゲームとしては、まず船団の選択から始まります。この船団、手番に使用できる船、特殊アクション、手番の3点がセットになっており、手番が遅くなればなるほど使用できる船が増え、またアクションも強力なものが多くなっています。ただ、このゲームの場合建物は建設したら壊すことはできませんし、文化トークンを奪うこと、専門家を除去したり奪うといった直接的に妨害するような要素がないため、先に手番を行いこれらを押さえることが必要になる場面も多く手番も重要で、3つのどの要素を優先するかという難しいところです。

 また、実際に船を配置するところでは専門家を獲得するために文化トークンの獲得を目指すのか、建設の建設を目指すのかの選択はかなり悩ましくなっています。というのも、これらの要素がどちらもかかせないというのはあるのですが、同時に配置した船が共有というところが面白いところで、安易に自分の欲しい要素だけ目指して船を配置していくと、他のプレイヤーの手番でそれらを活用されてしまうことがよくあります。そのため、狙いを考えながら他のプレイヤーにとってはメリットが少なく配置しつつ、自分にとっては極力メリットがあるような船の配置というのを考える必要があります。

 共有という要素で言うともう一つ、城と鳥居はそれぞれ共有の建物となっており、それ自体の得点が高いのは建てたプレイヤーにとっていいことなのですが、その一方で建設後は隣接する島に建物を建てると建てたプレイヤーに得点が入ります。建設にはそれ相応の苦労があるため、できるならこれらの効果を最大限に活かすため自分が隣接する建物を建設したいところですが、利用する船も共有というところからなかなか難しく、建設するタイミングや場所はかなり大切になってきます。

 一方で気になる点として、船の配置に関しては船団の獲得後に船の取引があり、資金さえ支払えば(金の船を除き)好きな船を購入することができるため、スタートマス及び船が隣接するほぼ全てのマスが毎手番配置可能な選択肢として出てくるのはどうなんでしょうね。船団で手に入る船の色の意味が薄らぐこともあって、この辺はもうちょっと縛りがあってもよかったのかなと。同時に、それだけの選択肢が出てくるため長考を誘発しやすいところもありますが、そう言えばファイブトライブスでもこんなこと書いでますね(ファイブトライブスが世間的に好評だったこともありカタラ氏&デイズオブワンダーとも気にしてないのかもw)。

 ついでに見た目の派手さに比して、各種特殊能力が控えめなものが多く、プレイ感は意外と地味に感じるところもあります。

 とりあえず、船の配置に関する自由度の高さが若干気になるところではありますが、どの要素を優先するか船団に始まる手番手番にしっかりと悩みどころもあり面白いゲームではあると思います。ただ、「ファイブトライブス」に続く位置づけながら面白さとしてはファイブトライブスの方が一段上かなという印象です。

 

 

 まだまだゲーム会は続くので後半へ。

 

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