自宅ゲーム会109 中盤 オレカジ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成29年11月9日

 

 ウォーゲームを終え、ここからは通常のボードゲームです。

 

☆マチュピチュの王子

○概要

作者:マックゲルツ

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:90-120分程度
 「ロンデル」を使っていないマックゲルツ氏のゲームで、インカ帝国の都市マチュピチュを舞台に各地区を王子たちが動き回り、繁栄への貢献を競うゲームのようですが、ゲーム終了時の状況によってスペイン人に征服されることもあります。

 

①ラウンド毎に所定のエリアにボーナスコマを配置します。

②手番になると王子コマを「隣接するエリアに移動しアクションの実施」「リャマを支払い好きな場所に移動してアクションの実施」「その場にとどまり月タイルの獲得」のいずれかを行います。

③アクションには「生産施設(資源の生産)」「寺院(伝令を進める)」「司祭や巫女の獲得」「労働者コマの配置」「労働者コマの再配置」「資源の取引」といったものがあります。

④生産施設には移動したプレイヤーがボーナスコマを獲得でき、さらに労働者を配置している全プレイヤーが生産を行えます。寺院では移動したプレイヤーがボーナスコマを獲得でき、さらに司祭や巫女を所有している全プレイヤーが伝令を進めることができます。

⑤伝令が道の最後まで移動すると生贄カードが入手できます。これらは労働者の配置や司祭、巫女の獲得によって得点をもたらします。

⑥3つめの月タイルが確保されるとラウンドが終了します。ラウンド終了時には獲得した月タイルに応じたボーナスを得ることが出来ます。

⑦司祭と巫女が全て獲得されるか、生贄カードが全て獲得されるとゲームは終了となります。この時は生贄カード及び伝令の位置によって得点を計算し最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

⑧ゲーム終了条件が満たせないまま9ラウンドが経過すると、この場合もゲームは終了となります。この時は、上記の通り得点計算を行ったうえで、さらに生贄カードに書かれた黄金を集計し、より多いプレイヤーから得点に乗率がかけられ、この結果最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 反対から見ているので少し分かり難いですが、メインボードです。左上には資源の取引価格が表示されています。また、左下には司祭や巫女のタイルが配置されており、同時に寺院でアクションを行った際の移動力も示されます。これらの間にあるのが伝令の道で、山頂まで移動すれば生贄カードが獲得できます。右手前にあるのが月タイルとなります。

 

 マップ上にある資源コマや六角形のコマがボーナスコマとなり、このコマが配置されるエリアでこのコマがない場合はアクションを行うことが出来ません(つまり1ラウンドにいずれかのプレイヤーが1回のみ)。プレイヤー色の円盤状のコマが労働者となります。ちなみに管理人が赤、くまが青。

 

 ゲームは労働者の配置を優先する管理人と、早めに司祭をおさえ伝令の移動に注力するくまという展開になります。

 

 プレイしていて両者同じ意見でしたが、見た目の変化の乏しいメインボードですw

 ついでにどういう状況かが写真からでは多分分からないですね。

 

 4日目、お互いの方針は当初から変わらず、管理人の労働者がかなり増えてきていますが、司祭の数や獲得した伝令カード等はくまがリードしています。

 この辺りから、管理人は伝令を進めることに力を入れだしますが、一方のくまは当初の方針を維持したままゲームを進めます。

 

 そんなこんなでゲーム終了時の様子です。生贄カードや司祭等の全てを獲得することが出来ず、スペインの侵攻を許したという結果となりました。労働者の数では管理人がかなり多く配置していますが、司祭の数や生贄カードではくまが上回っています。

 

 得点計算を行うと、乗率がない状態では生贄カードと適合するよう労働者を配置していた管理人が優勢でしたが、生贄カードが多いくまは当然黄金の量でも勝っており、乗率をかけると僅か1点の差ではありましたがくまが上回り、くまの勝利となりました。

 

○評価

 ロンデルではないものの、ゲルツ氏らしいアブストラクトチックなプレイ感かつ、アクション選択に縛りがあり、いかに効率よくアクション選択を行っていくかというタイトルです。 

 効率よくアクションを行うためには労働者の配置や司祭の確保といったアクションが必要ですが、その一方で得点を獲得するためには伝令を走らせて生贄カードを確保していく必要があります。王子をどのように移動させ限られた資源を何に割り振っていくかというのは難しく、さらに生贄カードを得点化するためには、カードごとに指定された労働者の配置や司祭の確保が必要となってくるため、これらを踏まえたアクションの選択は悩ましくも面白いところだと思います。

 また、ゲームの終了条件が2種類あるというのもどちらの達成を目指すかは考えどころになっています。とはいえ、どちらを目指すにしても極端に違ったプレイは求められないというのは珍しいかもしれません。基本点を得るためには生贄カードとそれにあった労働者と司祭といったものが必要になり、その上で基本点をより伸ばすか、生贄カードを集めることで黄金を伸ばすかといった感じで、他プレイヤーのプレイ方針を見ながらどちらに重点を置くかのバランスが求められる感じです。ただ、パスをすることで月タイルのボーナスを得ると同時によりスペイン侵攻のリミットに近づくため、狙いによってはこれを早めることによるタイムリミットの調整も必要になりそうです。

 あとは、選択したアクションによっては他プレイヤーのメリットにもなりうるところも特徴といえ、生産や寺院はそれぞれ該当のエリアに労働者を配置していたり、司祭や巫女を所有しているプレイヤーは一斉にアクションを行うことが出来ます。このため、自分としては行いたいけど他プレイヤーにより多くのメリットになるから行いにくいとか、メリットは小さいけど他プレイヤーが必要な資源を所有してないから今のうちに行ってしまおうといった駆け引きが必要になります。これらのアクションは、ラウンド中に1回しか行えないため、誰がどのタイミングで行うかというのが重要になります。ちなみに、プレイ中はそんな感じはしませんでしたが、こう書いてるとなんだか「プエルトリコ」っぽいシステムにも思えますね。

 一方で気になる点としては、プレイ経過の途中にも書きましたが、メインボードの鮮やかさに比べ、全体に淡々として地味っぽいというところはあるかもしれません。

 また、2つある終了条件は、良い点で書いたとおり考えどころにはなっていますが、微妙な違いでこのバランスとりはかなり玄人っぽいという印象がありますね。ついでに、どちらにしても伝令を走らせなければならないので、要検証ではありますがプレイごとの変化がどうかなというところはあります。

 とりあえず、縛られたアクション選択の中で、より効率の良いアクションを求めるというマックゲルツ氏らしいタイトルで、面白いゲームだとは思います。ただ、メインボードを始めとしたコンポーネントから受ける印象に比べるとかなり地味なところやプレイ幅など、同氏のタイトルの中であえてこのゲームをというところは弱いのかなと。そういえば、外箱にでかでかとおっさんが書かれていますがもう少し万人受けするデザインでも良かったような(いや、欧米ではこれが万人受けなのかもしれませんがw)。

 

 

 

☆オレカジ

○概要

作者:田上雄一

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:1人×30分程度

 

 王の命を受けた大公となり、交易権の獲得や、都市の建設、治安維持等により国家の繁栄に努めることを目的としつつ、カジノのようなギャンブル的なアクションもある、ワーカープレイスメント系のゲームです。

 

①ゲーム開始時に恩恵カードを配ります。恩恵カードは一定の条件を満たした場合に得点となるもので、自分に配布されたものしか条件は分かりませんが、その条件と得点はゲーム終了時に全員に適用されます。

②ラウンドの開始時にダイスを振り、そのラウンドに使用するワーカー数を決定します。また、この時カジノや黒魔術といったアクションの効果を適用します。

②ラウンドの開始時は、勢力(ステータス)や建物、技術といったものから基礎収入を獲得します。

③資金を投入することでラウンド中に使用するワーカーを増やすことや使用するワーカーを減らすことで資金を受け取ることが出来ます。

④手番になるとワーカーを使用して「アクションの実施」「襲撃者の撃退」「屋敷の掃除(資金の獲得)」のいずれかを行います。

⑤アクションには「勢力上昇」「資源の獲得及び取引」「建物の建設」「技術の獲得」「建物や技術カードに書かれたアクションの実行」といったものに加え「航海の実施(航海カードに書かれた必要な操船能力を満たせば、資金や勝利点、交易品が獲得できる)」や「カジノ(次ラウンドのワーカー数決定の出目が何になるかを賭け、当たればボーナス)」「黒魔術(コストとして勝利点を使用する6種類のアクション。それぞれがダイスの目に対応しており、アクションを選んだ際に直ちに実施するとともに、次ラウンドの出目が選択した出目であれば再度アクションを無コストで実施できる)」などがあります。

⑥1位プレイヤーの得点が一定ラインを越えればイベントカードをめくります。イベントには全員にメリットがあるものや、アクションコストを変えるもの、アクションスペースを塞ぎ撃退するまで使用できなくなる襲撃者といったものなどがあります。

⑦6ラウンドが経過するとゲーム終了です。プレイ中に獲得した勝利点に、恩恵カードによるボーナス、未獲得の交易権による失点を加え、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。中央のメインボードの右半分が得点、左半分がアクションスペースになります。ボード手前のカードが建物、右が航海、奥が技術とイベントとなります。

 手前の4枚のカードが個人ボードにあたり、左上が勢力、中央が未使用のワーカー置き場(ワーカーの取引値が表示)、右上が交易権(獲得した交易権にキューブを配置し失点を消す)と建物の配置にかかるサマリー(建物はこのカードを含む横3×縦2の範囲で配置でき、配置した場所に応じて勝利点が手に入る)、下段が資金となります。

 

 各所に無色のキューブが配置されていますが、これらはもう一つのリソースといえ、消費することで万能資源として使用できますが、その一方で資金や交易権獲得を表示するマーカーとしても使用されます。

 

 さて、最初のラウンドの出目は3のため、使用できるワーカーは3体でした。お互い、資源を獲得し建設を行うとともに勢力の上昇を目指します。

 

 続く2ラウンド目も出目は3、さらに3ラウンド目も出目は3と前半戦は全て出目が3という結果です。ワーカー数からあれもこれもと言うことは難しく、とりあえず管理人は勢力の上昇と建設に力を入れます。その一方、くまは技術の獲得を優先していました。

 技術カード自体は得点を生まない一方、建設は建てると即得点を獲得できるため前半は管理人が一歩リードです。

 

 後半戦4ラウンド目に突入しますが出目がなんと「1」。とりあえず1アクションでは何も出来ないため、お互いワーカーを買い足して調整します。

 後半戦になると建物カードが後半戦用に総入れ替えとなります。建物には前半戦にⅠランク、後半戦にⅡランクのある建物があり、これらの建物のⅡランクはⅠランクとの建て替えでしか配置できませんが、再度勝利点を受け取れるというメリットがあり、後半戦はこれらの建て替えを狙うとともに失点回避に向けそろそろ航海にも力を注ぎ始めます。

 

 続く5ラウンド目は出目が6。というか、今回はここまで全て出目が3以下だったので、初プレイの管理人としてはそこそこ発展してきた感じはあるのですが、実際はかなり遅めなんじゃないかな。

 くまも既存建物のアップグレードを行っており、得点ではかなり拮抗した感じです。

 

 ワーカーが6個もあれば、かなりしたいことができますね。お互い、建設に航海にとかなりアクションを実行しています。

 

 そんな最終ラウンドの出目は2・・・

 まあ出来る限りのことは行って終えようと、管理は余っていたキューブを売却することで一気に勝利点を稼ぎくまと点差を広げます。一方のくまは最後まで航海。そんな感じでラウンドが終わりゲーム終了となります。

 

 最終得点の計算、お互い恩恵カードのことをほとんど忘れており、管理人はキューブの所有数、くまは資金量によってという恩恵でしたが、お互いどちらも未達成でボーナスはなしw

 交易権の失点では航海にかなり力を割いていたくまが少なめではあったものの、ゲーム終了時の得点差を覆すことはできず、そのまま管理人の勝利となりました。

 

○評価

 ラウンドの最初の出目によってそのラウンドに使えるワーカーが決まることと、そのシステムと絡んだカジノ&黒魔術というギャンブル性の高いアクションが特徴的な、比較的運の要素による影響が強いワーカープレイスメント系のゲームですね。ちなみに、ルールブックの文字が小さめで分量が多いせいか若干分かり辛いところはありますが、基本的にはワーカープレイスメントなのでアクションの種類さえ覚えてしまえば大きく引っかかるところはないと思われ、他プレイヤーの動向をみながら、どのアクションを選択するかというのが悩ましいゲームです。

 面白いのは、ラウンドのワーカー数やアクションに多分なランダム性を秘めているところですね。ワーカープレイスメントはアクションの早取りによるプレイヤー間の絡みはあるものの手番手番は比較的アブストラクトチックになりやすい傾向があり、多くのゲームがこれを回避するためにラウンド毎に使えるカードをランダムに変更する(このゲームで言う建物カードとか)といった手法を取っているのに対し、毎ラウンドのワーカー数をランダムに変える&その出目に保険(もしくは投資)するという発想のシステムはなかなかないと思います。これによって、次のラウンドはこれをしようと思っていたのにワーカーが少なくて出来なく方向修正とか、毎ゲームの展開にバラエティがでそうなのはいいところだと思います。また、プレイ方針も使えるものを使い切って終えるのか、カジノで保険をかけたり資金的に余裕を持つことで出目が少なくても対応できるようにしたりとプレイヤーによっても違いが出そうですね。 

 もう一つ面白いのがプレイヤーの成長のさせ方でしょうか。勢力に技術だけでなく、建物も勝利点とともに資源や特殊効果を持ち、正直どの要素も欠かすことが出来ないため、どの要素から成長させるか、成長をさせないことの影響をどうプレイによって補うかが考えどころになっており、これもいいところだと思います。

 あとは、恩恵カードによる得点システムですとか、航海ですとか色々と要素が盛り込んでありますが、大きく必要ないんじゃないという要素がなくまとめてあるのはすごいところかな。

 一方で気になるのは、最初に書きましたが少しルールが読み辛いというところ。色々と要素を詰め込んだ結果なのだとは思いますし、実際にプレイしてみるとそこまで分かり難くなくまとまっているとは思うのですが、それにしてもルールを読み始めて理解するというところは結構難しく感じると思います。

 また、コンポーネントがかなりコンパクトにまとまっているところはいいところでもあるのですが、個人ボードなどはカードを使うことでコンパクトにしすぎたせいで少し扱い辛くなっているように思います。個人ボードくらいはメインボードと同じようなボードならプレイアビリティが上がったのかなと。

 あとは、このゲームの特徴でもあるダイス運の要素が人によってはマイナスになるかもということですかね。とはいえ、個人的にはラウンド開始時のワーカー数については全員に反映しますし、まあカジノや黒魔術を当てまくったプレイヤーが強いというのはあるかもしれませんが、ワーカー&資源を投資した結果のリターンなのでそれはそれかなという感じで、あまり気にはなりませんでしたね。ただ、1ラウンド目のワーカーが「1」とかだとかなり窮屈なプレイになりそうなので、1ラウンド目は固定(この時点ではカジノも黒魔術もありませんし)というのでも良かったのかもしれません。

 とりあえず、ダイス目に翻弄されつつ如何に上手く成長&発展していくかが面白いゲームで、個人的には気になったコンポーネントを改めた(個人ボードや各種カードのディスプレイスペースをボードにするなど)豪華版を作ってもらいたいくらいでした。

 

 

 残り時間も少なくなったので軽量級を2本ほどプレイして終えていますが後半に続きます。

 

 

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