平成29年7月24日
さて、午後からは本日のメインとして準備したゾンビサイドを予定していましたが、センが到着するまでもう少し時間があったためその間別のタイトルを1本プレイしています。
☆ファラオの恩恵
○概要
作者:TomLehmann
対象年齢:13歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:45分程度
影響力を集め社会的地位をあげ、最終的にファラオに謁見して成功することを目的としたゲームです。同作者の「王への請願(管理人未プレイ)」のリメイクで、テーマを変えるとともに王への請願の欠点として挙げられていたのバラエティのなさ(毎ゲーム場のタイルが同じ)を見直し、入手できるタイルにバラエティとランダム性を持たせたて改善したようですが、まあ王への請願自体が未プレイなのでどれくらい変わったかは不明です。
①使用するタイルと、ダイスの獲得条件を決定します。
②手番になるとダイスを振ります。ゲームスタート時のダイスの数は3個ですが、タイルを入手するたびに徐々に増えていきます。
③振ったダイスのうち最低1個は数字を確定させ、未確定のダイスがあれば残りを振りなおします。また、この時任意のタイルの効果(各タイルの効果は1手番に1回のみ)を使用することもできます。
④全てのダイスが確定したら、場にあるタイルのうち確定させたダイスが条件を満たしているものを1枚確保します。概ね黄色のタイルはダイスを増やす、青のタイルはダイス目の操作、赤のタイルは使い捨てながら効果の大きめなもの、といった感じです。
⑤青と赤のタイルを確保したときや、一部のタイルの効果でスカラベトークンを獲得できます。このトークンは使い捨てでダイス目の操作や、振りなおしに使用できます。
⑥いずれかのプレイヤーが王妃(7個のダイスがゾロ目)を獲得したら最終ラウンドが始まります。獲得したプレイヤーはファラオコマを持ちます。
⑦王妃タイルを入手したプレイヤー以外は「ダイス+1」トークンを受け取り、以降手番のプレイヤーは1回のみ通常通りの手番を行い、同数でより数字の大きなダイスの目を揃えるか、より多くのダイスをゾロ目で揃えることを目指します。失敗したプレイヤーは脱落となり、成功したプレイヤーにはファラオが移動します。もし王妃を獲得したプレイヤーがファラオを奪われていれば再度手番を行い、この結果ファラオコマを所有しているプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲームスタート時にはこんな感じで準備を行います。左にあるのが各種タイルで、タイルの上にあるバーにそのタイルを獲得するための条件がかかれています。
個人ボードのピラミッドは確定させたダイスの置き場で、その下にあるタイルはスタートタイル(ダイス3個)となります。
ちなみにダイスの色が色々ありますが、赤は通常のダイス、白は出目を即座に確定させなければならないダイス、青と緑は特殊な出目のダイスとなり、それぞれ対応したタイルを獲得することで初期の赤ダイス3個から振ることのできるダイスが増えていきます。
序盤は振ることの出来るダイスの数を増やす方向でタイルを獲得しています。ちいもほぼ同様に進みますが、1枚で2個のダイスを増やすことの出来るタイルを獲得した辺りから、管理人がダイスの数で優位に立ちゲームを優勢に進めます。
結果、先に7つ以上のゾロ目を揃え管理人が王妃を獲得したことで、ちいの最後の手番となります。
ここで、ちいは使わずに持っていた赤タイルやスカラベトークンなどもフル活用し何とか上回る目を揃えます。
しかしながら、それに対して管理人が最後の手番に11個のゾロ目を揃えたことで上回り、管理人の勝利となりました。
○評価
ジャラジャラとダイスを振るゲームですが、タイル効果によってうまく出目を操作しながら新たなタイルの獲得条件を満たし、そのタイルを使ってさらに強力なタイルの獲得を目指すといった拡大再生産系です。ダイス振りの運だけでなく、今の能力で狙えるのはどのタイルか、先々このタイルを獲得したいから、そのためにこのタイルとこのタイルを獲得しておこうといった、判断や作戦も重要になってくるのが面白いところだと思います。ランダムサプライの採用及び獲得条件も複数パターン準備しているので、ゲームごとに展開(狙い)が固定化せず変わってくるのもいいところかな。
あとは、王妃タイルを獲得したプレイヤーが勝利というのではなく、その上で最後の手番を行う形になっており、当然王妃タイルの獲得者がある程度有利ではあるものの、最後に逆転のチャンスを作っているのも面白い要素だと思います。
一方、気になる点としてはどのタイルを先に獲得するかという要素はあるものの、基本的には手番手番はソロプレイです。で、ダイスゲームなのでそれを見ているプレイヤーも出目に一喜一憂できればいいのですが、ダイスを振ってはタイル効果を使って、再度ダイスを振って・・・なんてのを手番に繰り返すためダウンタイム(見ている時間)は長めで段々と億劫になってきます。ダイスを振った後にタイル効果をどう使うか考えるため、長考するタイプの人がいると余計ですね。まあ、今回は2人プレイ&2人ともあまり長考しないので充分許容範囲でしたが、4人プレイになるとちょっときついですね。
また、ゲームスタート時は3個のダイスのみで操作系タイルもないため、ここだけ特に運の要素が強い気がします。しかも、「タイルは早い者勝ち」「手番には1枚まで」ということもあり、出だしの遅れを取り戻すのは結構難しく、そのままゲーム結果につながりそうなところは気になりますね。ただ、序盤のタイルは獲得条件は緩めで、羊飼い(各プレイヤー1枚までですが、どんな条件でも獲得できる)という救済措置もあるため致命的というほどではないと思います。
あとはまあ、改善のためのランダムサプライがゲームのセットアップを手間にしているのは良し悪しかなあ。
ここでセンが到着し、ここからは3人でのプレイです。
☆ゾンビサイド:ブラックプレーグ
○概要
作者:RaphaelGuiton&Jean-BaptisteLullien&NicolasRaoult
対象年齢:14歳以上
対象人数:1-6人
標準時間:60分程度
ゾンビであふれかえる街の中を駆け巡り、ゾンビを倒しながら目的を達成しようといった感じで、以前プレイした「ゾンビサイド(「自宅ゲーム会51 後半」を参照)」の独立拡張のようなゲームです。ちなみに、テーマがファンタジーに変更となっていますが、ゾンビサイドをプレイした人は若干の差分を確認すればすぐにプレイが可能というくらい、基本的なシステムはほぼ踏襲しています。
※基本的なルールはゾンビサイドの方を見てください。ここでは管理人が気がついた主な差分だけ。
①射撃の際、ゾンビと同一エリアにいるプレイヤーキャラクターは最優先で命中していましたが、命中対象から外れました。その代わり、攻撃が失敗した場合にプレイヤーキャラクターに命中となっています。
②防具が追加され、ゾンビに攻撃された場合に防御ロールが出来るようになっています。また、防具の装備エリアにはプレイヤーごとに異なった手持ちのアイテムを装備することも出来、この場合第3の手持ちの装備として扱うことが出来ます。
③呪文が追加され、攻撃呪文は射撃とほぼ同じ扱いですが、これ以外にサポート系の効果があるものもあります。
④ゾンビに攻撃されても武器を落とさなくなりました。
⑤コンポーネントの中でも、特にキャラクター情報を管理するプラスティック製のボードが登場し、管理がしやすくなった。
⑥新たなゾンビとして「ネクロマンサー」が登場しています。ネクロマンサーが登場した地点にはゾンビの発生ポイントが追加され、さらに通常のゾンビと行動体系が異なり、登場した地点と異なる最も近い発生ポイントから脱出しようとします。ネクロマンサーは複数回(同時には1体)出現する可能性があり、(発生ポイントが増えて)6箇所以上の発生ポイントがある状態で脱出されると即座に敗北となります。ただし、ネクロマンサーを倒すと任意の発生ポイントを1箇所除去することが出来ます。
○プレイ経過
手前にあるのがキャラクターを管理するためのボードで、カードの配置やペグによる情報の記録など、非常に使いやすくなっています。
まずは、センがゾンビサイドを未プレイということもあり、ルール確認を兼ねてチュートリアルステージをプレイしています。このシナリオでは、アボミネーションやネクロマンサーといったボス的なゾンビは出現せず、左下の脱出口を目指します。
担当は管理人はアン、ちいがクロヴィス(奥)、センがサイラス(右側)を担当しています。ちなみに、ほんとであればこのチュートリアルステージは推奨キャラクターが4体からとなっていますが、ルールを覚えることが目的なのであえて3体だけでプレイしています。
出現するゾンビは少なめで、丁寧にゾンビを倒しながら進むみ、全員が左下の脱出ポイントに脱出。
3体ではありますが、チュートリアルということもあり、特に問題はなくかなり余裕を持ってのクリアーです。
続けてシナリオ1「大物狩り」への挑戦です。目的は、ネクロマンサーとアボミネーションを1回以上撃破と、全ての目的物トークン(マップ上に散らばっている×のトークン)の獲得です。
とりあえず、推奨冒険者は6のため、チュートリアルとは違い各プレイヤーが2名づつ受け持ちます。
まず、一番近くにある右手前の部屋の捜索に向かいますが・・・いきなり現れるネクロマンサーw
ただ、危険度も低く同室にはウォーカー一匹ということもあり、続くバルドリック(セン)の手番にマナブラストを撃たれ、早々に退場。とりあえずネクロマンサーの撃破の条件は満たしたことになります。
続いて、左手前の部屋の捜索に向かい、中のゾンビの一掃がてらネリー(管理人)が部屋に入り目的物トークンを獲得しますが、この目的物トークンが青。このシナリオでは、青の目的物トークンがでたらネクロマンサーが出現することになっており、これによりネクロマンサーが出現します。
ちょうど、他プレイヤーの援護が間に合わず、ネリー自身の攻撃も空を切り、そのままネクロマンサーや周囲のゾンビに噛み付かれ体力がなくなったことで、ネリーは活躍することなくダウンとなります。
ネリーが倒れたところでようやく到着したクロヴィス&サイラスのコンビにより部屋の中はネクロマンサーごと一掃。クロヴィスは宝物庫に侵入し「インフェルノ(強力な攻撃魔法)」を獲得します。
一方、右手前に集まっていたアン、バルドリック、サムソン(ちい)は周囲を一掃しつつ、右奥の大部屋を目指すのですが・・・3人揃ってのダイス目の悪さになかなか進むことが出来ず。アンとバルドリックの2人がかりでウォーカー1匹が倒せないところなんかは、どれだけ素早いウォーカーだよっていう感じでした。
そんなこんなはありましたがようやく奥に進めるかと思った矢先、ついにアボミネーションが登場します。ちなみにこのアボミネーション、討伐目標となっていますがライフは3。このゲームの場合ダメージの蓄積がないため、一撃で3ダメージを与える必要があるのですが、少なくとも基本セットにはダメージ2の武器までで、倒すためには竜の炎(竜の胆液というオイルのようなアイテムとたいまつを組み合わせる)で焼くか、キャラクターのレベルを攻撃力アップのスキルが獲得できるまであげる必要があります。
アボミネーションが登場した以上、悠長にレベルあげもできず、周囲の敵を倒しつつ、全員で建物内を探索します。
そうこうしているうちに徐々に近づいてくるアボミネーション(中央通路で両手を挙げているフィギュア)。しかし、このタイミングで竜の胆液を発見し、たいまつは獲得済みだったこともあり、これで撃破の準備が整いました。
アボミネーションを撃破するため竜の胆液を通路にまき準備は万端。次のターンには近づいてくるアボミネーションを焼くことが出来ます。
残すは、左奥一帯の大きな部屋で、真正面の入り口にはアボミネーションがいるため、宝物庫を通って奥(左奥)から建物の中に突入します。思ったほどではなかったですが、それでも結構な数のウォーカーが出現します。
アボミネーションを焼却して、これでネクロマンサーとアボミネーションの撃破に成功。
続いて、左奥に突入したアンとクロヴィスは一旦地下通路を経由して逃げ帰り、アボミネーションがいなくなった正面の扉から建物に侵入します。この時、建物内のゾンビは宝物庫からの侵入者を追跡しており、建物の手前はほぼもぬけの殻。
そのまま、最後に残った目的トークンを獲得し、見事全ての目的を達成したことで勝利となりました。
○評価
基本的な評価は、ベースのゾンビサイドと同様なためそちらを参照ください。
テーマの変更については、管理人的にはありだと思いますが、好みの問題かな。ただ、ファンタジー+ゾンビだと普通なので、元版ほどインパクトは薄いような気もします。
そのほか、追加や変更となった要素については、良くも悪くもそれほどゲームのプレイ感に変化は与えない印象ですね。唯一、ネクロマンサーだけはゾンビの中でもかなり異質な特性を持っており面白いところではありますが、まあそれでも拡張の追加キャラの範囲です。あとは、個人ボードがプラスティック製となり、より管理&プレイがしやすくなったのはいいところだと思います。
とりあえず、もともとが完成度が高く面白いゲームだったこともあり、こちらも非常に面白かったです。
残り時間は短めなタイトルをいくつかプレイしていますが、後半に続きます。