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週刊ライス・ビジネス 〔コメ 生産・流通の動向〕

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 SBS・MA制度とは、(S)食糧行政と、(B)米穀卸と、(S)商社が三位一体で(M)儲けたついでに、(A)アメリカを喜ばせ(注1)、その結果発生した財政赤字(注2)を国民負担に回す制度のこと。


 (注1)SBS・MA制度によって、毎年77万トンの外国産米が輸入されているが、その約半分の36~40万トンがアメリカ産米。


 (注2)SBS・MA制度は平成7年度から開始され、平成25年度までの19年間で発生した財政赤字は2723億円にのぼる。

 2月17日号は「SBS米訴訟特集」です。


 第1面は「水浸割粒基準がSBS米訴訟の争点」


 第2面は「SBS価格のカラクリ=磐石の食管利権体制」


 ざっくり、えぐってみました。

 農水省は1月29日に実施した28年産政府備蓄米入札の結果を公表した。


 買入予定数量22万5000トンに対し21万6199トンの応札があり、うち買入枠の82.8%に当たる18万6311トンが落札した。


 「道県優先枠」は15万7500トン設定されたが、これに13万7365トンが応札し、結果11万8811トン(買入枠の75.4%)が落札した。都道府県を指定しない「一般枠」は買入予定数量6万7500トンに対し、枠を超える7万8834トンの応札があり、買入枠全量の落札となった。


 道県優先枠で最大数量を割り当てられた新潟(2万2133トン)、それに次ぐ秋田(2万1343トン)、青森(1万7177トン)、山形(1万2707トン)の4県はいずれも、第1回目の入札で割り当て全量が落札となった。


 一方、北海道は1万1757トンを割り当てられたものの落札ゼロ、2万トンちょうどを割り当てられた福島は落札1万9459トンとわずかに枠を残した。


 落札価格は60㎏1万円を出るか出ないかが予想されているが、安い政府備蓄米入札にこれだけの量が早々と落札したことは、各産地県の米価引き上げに対する意欲の強さを物語っている。


 農水省は27年産米で42万トンのエサ米増産に成功し、このため主食用うるち米の集荷量は前年産に比べて32万トン減少した。これに加え、22万5000トンの主食米が備蓄米として市場隔離されるのだから、今年の米価は相当値上がりするのが確実になってきた。


 これが生産者の自主的調整で行われるのならやむを得ないが、エサ米も備蓄米も国民の税金を巨額に使って行われているのが問題。


 しかも、政府備蓄米入札では一部産地を優先して買入れ、一部産地の米価引き上げを目的にしているのは明らか。今回の入札で道県枠は枠を残したが、一般枠は枠を超える応札があり、第1回で全量落札になってしまった。優先枠の対象になっていない県は今後備蓄米入札に参加できず、優先枠を与えられた県とは大幅に違う不平等な扱いを受けている。


 国民の税金を使って行なう政府備蓄米入札に、このような不平等・不公平なやり方が許されるのかどうか。公平であるべき入札に、事前に「道県優先枠」を設定すること自体、入札前に落札者を指名する行為に等しく、「談合入札」の疑いもある。

 遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。


 昨年は、マンションの杭打ちデータ偽装が大問題となり、その他でもタカタのエアバック問題や東芝の粉飾決算、フォルクスワーゲンの排ガス装置偽装など、偽装事件が世間の大きな注目を集めました。


 農業・食品の世界では、有機肥料の偽装が大問題となりました。この事件が社会に与えた損失は、金額的な損害よりも「消費者に安全なものを届けたい」、「家族に安全なものを食べさせたい」という、人間の真摯な心を踏みにじったことにあるでしょう。


 日本経済は、「需要者が喜ぶものを作りたい・届けたい」という心を愚直に追求することで発展してきました。いま、中国の観光客が日本の商品を「爆買い」しているのは、そういう日本人の真面目で愚直な精神が商品にこもっているからではないでしょうか。


 需要に対応するのを「器用にこなす」ことと、「愚直に努力する」こととでは異なる結果をもたらします。表面的には、器用に需要をこなせば当座は需要者に喜ばれますが、そればかりを優先すればやがて需要者を裏切ることになってしまいます。


 昔の職人は、不景気になると喜んだ、と言います。それは注文が少なくなるので、丁寧に手を抜かずにきちんとした仕事ができるからです。


 いつの間にか、日本人は愚直を忘れ、器用に生きることしか考えなくなってしまったのではないでしょうか。しかし、愚人は賢人より強く、愚直は多くの場合、賢慮に優るのであります。


 というわけで、私は今年も愚直に頑張ろうと思っております。本年もよろしくお願い申し上げます。


 


 

 ㈱アグリ・プランは2月7日㈰、東京の「すみだ産業会館」において「生産者・JAとコメ取扱店 商談交流会」を開催する。


 同商談会には、個性ある産地ブランド米の農家・生産組織が毎回出展しており、産地の顧客開拓に役立っている。


 現在、出展者を募集している。問い合わせは同社(電話03-5842-3939)へ。

 農水省所管の独立行政法人農林水産消費安全技術センターの職員(38)が、神戸市三宮駅のエスカレーターで、スマホを使って女子大生のスカート内を盗撮しようとした、として警察に逮捕された。容疑を認めている。


 同センターは本部(さいたま市)、札幌、仙台、名古屋、神戸、福岡に各センターを置き、食品・農薬・肥料の表示・安全性を検査する専門機関。


 仙台センターでは秋田県の太平物産の偽装肥料を検査中であり、うるさ型の関西業界人からは「検査するのんは偽装肥料やろ。スカートの中身検査してどないするねん」とのツッコミが入っている。



 

 太平物産は農水省の抜き打ち立入検査に際し、検査官に製品リストを提出し、検査官はこのリストに基づいて検査品をサンプリングしていた。


 その際、太平物産は偽装した銘柄を製品リストから除外していた。


 以下は筆者の妄想。


 検査官「製品リストに載っている銘柄以外は検査しません」。(「検査されてまずい製品はリストに載せるなよ。めんどくさいから」)。


 森山農相は20日の会見で、「疑わしい肥料を製造している会社が太平物産以外に2社くらい出ている」とのこと。これは本当。


 さらに森山農相「来年4月までに全国3千社の肥料メーカーを立入調査する」。いまさら大規模な立入調査をやって、偽装を許した自らの責任を糊塗しようとしている?






 昔から知っている言葉でも、ある程度年齢が来ないと本当の意味は分からないことがある。


 「一期一会」という言葉がある。これは茶道の言葉で、「同席して茶を喫する相手が、初対面の人でも古くからの友人でも、今日この時にこの場所で会うのは一生に一度のことだから、大切にしなさい」という意味。


 若い頃は「そんなものか」と思っていたが、この年になってようやく意味が分かるようになってきた。


 昔のことは考えても仕方がないので、できるだけ考えないようにしている。と言って、将来のことは、あまり先がないので、これまた考えても仕方がない。


 結局、真面目に考えねばならないのは「今」のことなのだ。今の日々に真面目に向き合ってこそ、本当の人生と言えるのではないだろうか。


 今の日々を真面目に生きて、それでポックリ逝ければ最高の人生だろう。


 一休さんだか良寛さんだか忘れたが、あるとき商人の新築祝いに招かれて、「一筆書いてくれ」と頼まれた。


 そこで「親死に子死に孫が死ぬ」と書いた。商人は「祝いの日なのに縁起でもない」と苦情を言ったが、「いやいや、これが一番めでたいのじゃよ」と答えたという。


 確かに、この逆を行ったら不幸だ。最近は幼い子の命が奪われる事故や事件が多い。親の悲しみ、苦しみは筆舌に尽くせぬだろう。


 人間の生き死ににも順番があり、この順番が守られてこそ、人間は安心して生き、そして死んで行けるのだ。


 物事は順番が大切である。物の値段にしても、需要が増えてこそ値段が上がる。値段を上げて需要が増えることはない。


 ところが今年のコメは、順番の逆を行っている。値段を上げたら需要もついてくるだろう、と思っているようだが、これは天に唾する行為で、やがて自分の身に降りかかってくるだろう。

 有名プロ野球選手や人気漫画のキャラクターと同じ名前のコメが出るそうだ。


 「しんのすけ」という名前からは、産地農家の思いも、田舎の豊かな自然に育まれたコメ、というイメージも、全く伝わらない。


 練りに練ってつけた推敲の跡も感じられず、誰かがエイヤッと思いつきで決めてしまった感じ。安易さ、粗雑ささえ感じられる。


 「コメの名前なんて、覚えやすければいい」という考え方もあるだろう。しかし、名前に産地の熱意、農家の想いが込められていなければ、結局消費者を感動させない。


 この県を代表するコメに育てる、と言う割には、名前に熱意が感じられないのは残念だ。


 県は「専門家の意見を聞いて決めた」と言う。専門家って誰やのん?東京オリンピックのエンブレム問題や、国立競技場の建築デザイン問題と同根の問題をはらんでいるのではないのか。


 「有名な先生に頼んだのだから、それが一番無難だよ」ってか。