新潟コシヒカリ1等わずか18%(9月30日現在検査結果) | 週刊ライス・ビジネス 〔コメ 生産・流通の動向〕

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 農水省が20日に発表した9月30日現在の22年産米検査結果によると、検査数量は179万9千トンで前年同期比45万トンも多く、量的な豊作が確定したが、品質面では1等比率が64.4%で前年同期に比べてマイナス18.6ポイントと、著しい品質低下が明らかになった。2等は32.8%で前年産に比べ倍増。過去5年間で1等比率が6割台に落ちたのは今年が初めて。


 コシヒカリでは新潟県産の1等比率が18.1%と極めて低い。同コシヒカリはこの時点で13万トン以上検査されており、全般的な品質低下が確定した。全国コシヒカリの平均1等比率も58.7%で例年に比べ著しく低い。


 22年産は5月の低温で苗の活着不良があったのに加え、7~8月の猛暑で稲の生育は盛んになったが籾への栄養供給がその分阻害され、未熟粒・胴割粒が多発し、品質低下につながった。特に、稲が高温に最も弱いとされる出穂・登熟時(8月上旬)に35度を超える猛暑日が続いたことが響いた。


 地球温暖化で今後の日本の夏が熱帯化する可能性が強い。現在、登熟期に高温に遭っても品質が低下しにくい「にこまる」などの品種が開発されているが、今後は良食味銘柄の高温耐性を強化する研究が求められる。