あれは20歳になる2か月前のことだった。あと10日ほどで夏休みが終わる暑い日で、4歳年上の女性に誘われて長野県まで出掛けた。
女性が運転するブルーバードの助手席に座り、行き着いたところは真夏の青空が広がる白樺湖だった。
その当時に描いた水彩画3点(色紙絵)
白樺湖
湖面に数隻のヨットが浮かび、車山の上空には積乱雲が立ち上っていた。
湖畔のホテルにチェックインするともなく温泉に入り、その後は夕食まで時間があるので40分ほど2人で湖畔を散策した。午後6時過ぎになるとバイキング形式の夕食のテーブルを挟んで冷えたビールで乾杯した。
食事を終えるとホテル内のナイトクラブに出掛けた。薄暗いフロアには間接照明が妖しく点り、3人編成の生演奏のBGMを聴きながら彼女に誘われチークダンスを踊ったのである。・・・人生最高の幸せな一日だった。
佐久市から浅間山を望む
軽井沢銀座通り
翌日は軽井沢に向かい銀座通りを手を取りながら歩いた。観光客で埋め尽くされた通りは蟻の群れが蠢いているようだった。昼食を終え草津温泉を経由しながら帰路に着いたのだが、貧乏学生には贅沢すぎるほど楽しくてリッチな2日間だった。
想い出の白樺湖
草津温泉湯畑
その日から約一か月ほど経った初秋の風が頬に気持ち良い日のことだった。経堂のアパートに暮らす私の部屋に、名古屋に旅立ったという女性からの手紙が届いたのである。その内容はと言うと・・・嫁ぐということだった。
紫が好きだと言っていたあのひとのような花 ‟ハクサンフウロ”
十数年前に投稿した記事を編集して再投稿しました。m(--)m
see you