当ブログが初めての方はこちらからお読み頂けたらと思います。
今日は、6月4日に先生と話した内容で大事なことの二つ目になります。
昨日は「ほぼ寛解」という、がんが消えた嬉しいお知らせを書きました。
今日はこのブログを書くことのきっかけにもなった、
【多発性硬化症から脳の悪性リンパ腫になった人は日本ではさちが初めて】
ということについてです。
先生から聞いたことをいくつか箇条書きで記したいと思います。
〇多発性硬化症から脳の悪性リンパ腫になった人は他に例がない
〇論文を読んでも死んで解剖されてわかったもののみ
〇多発性硬化症で脳の悪性リンパ腫は世界をみても稀
〇世界の論文にも見当たらない
〇さちの資料を他の病院の先生たちにも見せて意見交換している
〇リンパ腫そのものも珍しいもの
〇リンパ腫じたいはそんなに強いものでないという意見も
〇いかんせん初めてのケースだから、治療方法が分からない
主だったものは上記になります。
新しい情報がたくさん入ってきました。
そして、
〇多発性硬化症と悪性リンパ腫の治療は相反するもの
ということで、治療方法が分からないにつながっていき、
治療に正解はない、ということになります。
この治療方法が相反するものというのは、以前にも書きましたが、
我々健康体の人たちは、健康を維持するために免疫力を上げることが
病気にならないことの大きなポイントになります。
そして体を冷やさないで温めることも大切です。
しかし、多発性硬化症の患者の場合は、その反対で、
免疫力を上げてはいけない、そして、体を温めすぎてもいけない、
という相反することなのです。
なので治療方法が分からないし、正解もない、ということなのです。
だから、さちが前例になっていくんですよね。
〇放射線治療もリスクが高いからやめておきましょう
白血球の数値がなかなか上がらない体質のさちの場合は、
放射線治療も骨髄移植もリスクが高いと言われました。
当初は放射線治療も予定にありました。
ただ、その前の段階でがんがほぼ消えたことと、放射線というのは
一度体に入れると二度と体から出なくなるので、それが今後の治療に
どう影響するのか分からないのでやめておくということです。
以前に広島に行って、原爆資料館のことを書きました。
原爆の放射能の影響でその後に苦しんだ人たちのことが
目に焼き付いていたことでした。
抗がん剤というのはその後に体から流れていきますが、
放射線は一度入れたらもう出すことは出来ないんですね。
それとさちの場合は、全脳照射といって頭全体に放射線を当てるので、
それも今後の影響を考えてやめておくことにしました。
これには僕も大賛成でした。
今後、さちのケースと同じ人が男性か女性か分かりませんし、
その人の白血球の数値がどういうものかも当然分からないのですが、
放射線治療をやらなかったのは大きな指針になるかも知れません。
そんなわけで、この日は30分くらいの面談でしたがとても内容の濃いもので、
あとは、抗がん剤治療を終えて、定期的な検査をしていくということと、
多発性硬化症の治療もあるので、そこはまたそちらの先生と連携して
やっていくということでした。
僕らは最初の時から、さちのケースは日本初だから絶対に前例になるはずで、
病院の先生たちもそうだし、医療の世界でも注目されるだろうから、
復活して、社会復帰して元気になった姿を見せようと励まし合っていました。
この日は、世界の論文を探してみても見当たらないということが
分かったので、さちのケースが論文として発表されれば世界初という
ことになるのかも知れません。
正直なところ、
「なんでこんなことで日本初とか世界初みたいなことになるのかなぁ・・・」
と思います。
しかし、なったものは仕方ないし、ブログの冒頭にある「はじめに」にも
書いたように、これはこれで凄いことじゃないかと相反する気持ちもあります。
だからこそ元気になって、多くの人たちに勇気を与える、希望を与える存在に
さちにはなって欲しいと思います。