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「はじめに」

 

 

 

病院の面会では、コロナということもあって、ワクチンの接種証明が必要でした。

 

僕は割と早い段階で接種していたので、ずいぶんと前から何かの時のために

写真を撮っていたので、それを見せたらすぐに通してくれたました。

 

病院は新宿で景色のいい待合室です。

コロナじゃなければ、自販機もあるし、大きなテーブルもあるから、

ここが面会の場になっていたんだろうなぁと。

 

その横に[相談室]という個室がふたつありまして、そこに通されました。

 

「親父の時と一緒だなぁ・・・。こういう大事な話をする時はこういう個室なんだよなぁ・・・。」

と内心思いながら、このとき初めて会った脳神経外科の先生と担当の看護婦さん、

そしてさちと4人で入りました。

 

パソコンのモニターでさちの脳の状態を見せてくれました。

左の脳に影があるんですね。

これが多発性硬化症なのか、悪性のリンパ腫なのか分からないということ、

その原因を突き止めるための手術になりますと。

 

この影が大きくなっていくのがとても早いスピードで、しかも稀なケース、

通常ではない症状ということも説明を受けました。

 

ちょうど1月20日に手術を受ける予定の人が前後したとのことで、

急いでこの日にやりましょうということになったのです。

 

一連の説明を受けて、

「やるしかないよ・・・。」

と話し、同意書にサインをしました。

 

この時のサインですが、さちは自分の名前を書くのがやっとという感じでした。

それを見ててつらかったです。

 

 

僕は、

「最悪、悪性リンパ腫ということになれば、どうなんでしょうか?」

と訊くと、

「3年から5年ですかね・・・。」

と。

「なので、硬化症であることを願ってもらって。硬化症であれば命に別状はないですから。」

と言われました。

 

 

その後、その個室にふたりだけにしてもらいました。

ふたりで泣きました。