BLACK SABBATHの9thアルバム。
サバスのヴォーカリストと言えば
オジー・オズボーンな訳ですが、
これはオジーが脱退し、
ロニー・ジェイムス・ディオが加入した作品。
単純に1枚のHR/HMとすれば
素晴らしい様式美アルバムであります。
ただサバスのアルバムとしてはどうでしょう?
という作品。
ディオがRAINBOWで作り上げた
様式美HRの世界観そのままといった方向性で、
リアルタイムで聴いていた人は
さぞかしビックリしたことでしょう。
オジーが展開していた
おどろおどろしいオカルティックな世界観は
ほとんど排除されています。
とは言え4曲目の「Heaven and Hell」なんかは
従来のサバスそのもので、
トニー、ギーザー、ビルならではの
独特の世界観を醸し出しています。
ただそこに、
ロニーの完璧な歌唱が乗っかると、
当然「完璧な」様式美HRになります。
この「完璧な」というのがポイントで、
ある意味オジーのヘタウマで危なっかしい歌唱が
一つの持ち味だった訳で、
やはりRAINBOW的に聴こえてしまいます。
1曲目の「Neon Knights」、
6曲目の「Die Young」といった
アップ・テンポの曲は文句なしにカッコいいですが、
サバスの曲かと言われると、
う~んといったところ。
いや、名盤と呼ばれていることに文句は無いし、
実際カッコいいアルバムだと思います。
どうしても含みのある言い方になってしまいますが、
じゃあイアン・ギランは?
グレン・ヒューズは?と聞かれると
そうですね、あれに比べれば違和感はありません(笑)。
という訳で、
たぶん「Boan Again」や
「Seventh Star」のレビューでも同じようなことを
書いたと思うんですが、
オジーにこだわらなければ素晴らしい作品だと思います。
当時ももちろん賛否両論だったと思いますが、
割と好意的に受け入れられたようですね。
オジーの脱退理由も酒やドラッグ中毒といったところなので、
ロニーという「良薬」で息を吹き返したとも言える訳で、
捉え方は人それぞれ。それで良いでしょう。
☆「ロニーの圧倒的な歌唱を生かした、ドラマティックな様式美HR。ただオジー期とは別物」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!