デンマーク出身のテクニカル・ギタリスト、
トーヴェン・エネヴォルセン率いる
プログレ・メタル・バンドのデビュー作。
ゲスト・キーボーディストに
デレク・シェリニアンという時点で
当然「あのバンド」的なものを期待してしまう訳ですが、
それよりもメタル然とした展開が多く、
メタル志向の人は割と聴きやすいと思います。
1曲目の「The Seventh Sign」は
ロブ・ハルフォードを思わせる
高音シャウトで始まります。
僕的にはそのままの勢いで行っても
良いと思ったんですが、
まあそんな訳は無く、
適度にプログレッシヴでテクニカルな路線。
ヴォーカリストは
LION'S SHAREで歌っていた
アンダース・エングバーグ。
ドラマーはVANDEN PLASの
アンドレアス・リルということで、
まあプログレ・メタルになることは
必然的ですね。
トーヴェンのギターの音は
かなりディストーションが効いていて、
メタラーとしては好感が持てます。
ただ人によってはチープに聴こえてしまうかも。
アンダースの歌声は結構パワフルだし、
もっとストレートな方向性の方が
カッコいいんじゃないですかね。
ちょっと捻りを入れた展開やフレーズが、
余計に感じてしまう部分があり、
ただテクニカルにしたいという気持ちも分かるので、
そこの折り合いはなかなか難しいですね。
なので僕的には割とストレートでアップ・テンポな
2曲目の「Riot」と9曲目の「Into The Fire 」が
好きですねぇ。
特に「Into The Fire」は疾走するアツい展開がありますが、
変に展開・起伏があるのが残念…。
あとは「Awake」あたりの
DREAM THEATERっぽい雰囲気が感じられる
7曲目の「Killing Fields」とかですかね。
デレクが参加しているのは
1曲目の「The Seventh Sign」と、
4曲目の「Nightmare」。
この2曲はアルバムの中でも
あまりDREAM THEATERっぽくないというのも
逆に面白かったりします。
メタルの疾走感やインパクトを求める人には
ちょっと物足らないし、
テクニカルなプログレを期待している人にも
中途半端に思えてしまうかもしれません。
この後何枚かアルバムを出しているようなので、
その辺は変化しているかもしれませんね。
メタルかプログレか、どちらかに大きく振れば
化けるかもしれない可能性は感じますが、
やはり器用貧乏な印象を抱いてしまう作品です。
☆「アツい展開もあるが…。素晴らしい演奏と歌だが、中途半端な印象」…☆☆☆☆☆☆星6つ!