ブラジル出身の
メロディック・パワー・メタル・バンドの
デビュー作。
「これ、本当にデビュー作?」
と聞きたくなるぐらいの
クオリティの高さであります。
ブラジルはANGRAは別格で、
それに続くクオリティのバンドがなかなか見当たらなかったんですが、
これはまさにANGRAに匹敵する素晴らしいバンドです。
まあもう15年以上前の作品なんで、
知っている人からすれば「今さら?」と突っ込まれそうですね(汗)。
ただ僕的にはブラジルのメタルはANGRA以外はイマイチのバンドが多かったので、
このHIBRIAもブラジル出身ということで、敬遠していましたが、
それは無用な心配でしたね。
巷では「LOST HORIZONの再来」などと言われていたようですが、
LOST HORIZONはクサいメロディ、クサい展開が売り(?)でした。
このHIBRIAはもっと骨太な正統派メタルといった印象で、
80年代のRACER XやIMPELLITTERI、CRIMSON GLORYのような
古き良き様式美メタルを2000年代風にアップデートしたような音楽です。
曲、音楽性、演奏ともに素晴らしいのですが、
それらを更に魅力的なものにしているのが、
ユーリ・サンソンの圧倒的な歌唱力であります。
マイク・ヴェセーラによく似た声質で、
高音も気持ちよく伸びる、
非常にパワフルなヴォーカリストです。
1曲目の「Intro」に続く
2曲目「Steel Lord of Wheels」からアクセル全開で、
ヘヴィ・メタル・ファンであれば
反応せずにはいられないアツい疾走ナンバー。
3曲目の「Change Your Life Line」でも
アクセルは緩めず、スウィープのハモりや
テクニカルなベース・ラインはまさに
RACER Xを彷彿とさせるカッコいい展開であります。
4曲目の「Millennium Quest」も疾走曲で、
テクニカルでスピーディーなギター・ソロは
圧巻の一言。
その後も疾走する展開が多く、
ミドル・テンポの曲もテンションが下がらないところが
この作品の優れているポイントであります。
そういう意味では
RIOTの名盤「Thundersteel」に似た感覚すらあります。
これほど1枚丸々勢いが衰えないというのは珍しい。
7曲目のタイトル曲「Defying the Rules」は
これはいかにも日本のメロ・スピ好き向けの疾走ナンバーですね。
こういった分かりやすい曲がある一方で
ラストを飾る「Stare at Yourself」はなかなか凝った展開で、
ヴォーカルだけでは無く、バンドの演奏力や、
作曲能力が相当高いこともわかります。
僕的にはLOST HORIZONの再来と言うよりも、
PROTEST THE HEROやSIKTH等の
少し変わったテクニカル・メタルを聴いた時に似た衝撃を受けましたね。
このデビュー作の後も
メンバー・チェンジを重ねながらも
活動しているようなので、
チェックしたいと思います。
☆「ブラジルはANGRAだけではない。衝撃のデビュー・アルバム」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!