イングヴェイの約2年ぶりの新作であります。
今回はただの新作ではなく、
イングヴェイ自身が影響を受けてきた
クラシック・ロックのカヴァーを中心とした
初の「ブルーズ・アルバム」であります。
ここ数作、イングヴェイ自身が歌う曲が増え、
前作の「World on Fire」ではとうとう歌入りの曲は
全部イングヴェイが歌っていたので
嫌な予感はしていましたが、
ついに非ネオクラ作品を出してきましたね。
これまでも
「Bedroom Eyes」など
ブルーズやジミ・ヘンドリックスからの
影響を受けた曲はチョコチョコ出していたし、
そこは僕の好みでは無かったですが、
それがイングヴェイの素晴らしい音楽性を
作ってきた一つの要素として受け入れてきました。
ただ、
そこをメインでやられたら
どうかと大いに戸惑いました。
正直今まで
「Bedroom Eyes」、「I Don't Know」、「Blue」など
「それ系」の楽曲は僕の中では曲を飛ばして聴くことが
多かったですね。
イングヴェイが歌う曲については
「Angel in Heat」とかオマケ程度でやる分には
構わないけど、最近は笑えないレベルに
なっていました。
しかもカヴァー中心なのも
以前「Inspiration」を出しているので
ビックリはしませんでしたが、
「Purple Haze」、「Foxey Lady」、
「Smoke On The Water」、「Demon’s Eye」
といったベタ過ぎる選曲は
ちょっとセンスを疑ってしまいます。
つまりイングヴェイがやりたいことを
やりたいようにやったアルバムです。
まあ、今までもそうでしたし、
それは全然良いのですが、
これはもはやジャイアン・リサイタルの域であります。
これに付き合わされるファンは
のび太、スネ夫であり、
あれ程では無いにしろ、
聴いた後の疲労感はなかなかのものです(苦笑)。
それでも
ジャイアンに
「買え!」「聴け!」
と言われたら従うしかありません。
それが信者であります(笑)。
さて、
散々なことを書きましたが、
ギター・プレイはめちゃくちゃ上手いです。
冴えわたっています。
音は期待してなかったから
余計にそう聴こえるのかもしれませんが、
かなりクリアで、良いです。
これが日本盤限定の
「Blu-spec CD仕様」の恩恵なのか分かりませんが(笑)、
イングヴェイ作品の中ではかなり良い方では無いでしょうか。
という訳で、
これが1枚限りの企画であって欲しいと
切に願っております。
でも最近の中途半端なメタル作品出すなら
こっちの方がマシかも、と少し思ったりもする訳ですが(笑)、
やはり今後もネオクラ・ギタリストのパイオニアとして
ふさわしい活動をしてもらいたいと思います。
それにしても
カヴァー曲だろうが、
曲調がどうであろうが、
どんな曲でも彼が弾けば
「100%イングヴェイ・マルムスティーン」
というのは凄いことではあります。
オリジナル曲が全14曲中4曲だけですが、
まあその4曲が悪くないのが救いでしょうか。
特に9曲目のバラード調のインスト
「Peace Please」は感動的。
こういう作品でも
そこそこ楽しめちゃう僕は
病気でしょうね(笑)。
まあそういう病気の人以外は
おススメできません(笑)。
☆「1枚限りの企画だと信じたい…」…☆☆☆☆☆星5つ!
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