今日の絵本の帯に
三本足の犬との物語
とあります。
２０１９年出版の絵本で
やはり三本足
という言葉に思わず手に取りましたが
その年の私は
この物語を受け止めることができなくて
「待っててね」
と約束して帰宅しました。
年明け
今月来月の仕事のための絵本を
買いに行き
だっこする気持ちで
一緒に帰ってきました。
母方の伯母も
私の気持をとてもわかってくれました。
父方の叔母とのエピソードと絵本
伯母は
私が高校生になるまで独身で
洋裁を教えたり
朝ドラ「カーネーション」の糸子さんのように
洋服のデザイン画から書いて仕立てて
身を立てていたのです。
小さなアパートでしたが
チコとマコという二匹の犬を飼っていて
チコも三本足の黒い犬でした。
線路の近くで倒れていたので
伯母が助けて
マコと一緒に伯母の家の犬に
なったのです。
絵本の三本足は
飼い主がいなかったけど
チコは
マコと仲良しになって
二匹とも穏やかでした。
私やお客さんは勿論
洋裁の生徒さん達が来ても
生徒さんの足もとや机の下で
おりこうにしていました。
私の記憶の中の
愛おしい犬です。
子ども心にも
伯母がいてよかったと思いました。
物語の三本足も捨て犬で孤独だけど
主人公の ぼく も孤独です。
物語の舞台はパリを思わせる
美しい街並みです。
ぼくはママとふたり。
友だちは三本足だけ。
なのにママが死んでしまいます。
おばさんに引きとられ
みんな親切
とありますが
ページをめくると
通学路で
いじめられ
おばさんのところにいる
いとこや友だちが助けてくれる様子も
ありません。
だからこそ
三本足と走り回り
体いっぱいで遊び語り合う時間は
至福の時。
おばさんの家では
身のおきどころなどありません。
私は
どうしても
寂しい子ども時代を重ねてしまいました。
伯母はよく私を連れ出してくれました。
阪急電車に乗って
伯母と親戚の家にお泊まりに行くのは
至福の時間。
穏やかな時間のなかで
くつろがせてもらえました。
帰る時
涙が出ることもありました。
あんまり母がきついので
中学生の時
夜
泣きながら電車に乗って
伯母のところに家出したり…。
チコもマコも
変わらず穏やかで
よしよしさせてくれて
ペロンとなめてくれました。
ぼく は一人ではなかった。
ぼく は ぼくを乗り越えました。
絵本の最後の
場面
言葉に
深く頷く私がいます。
昨年
清水眞砂子さんに出会え
その言葉は
沁みこむだけでなく
光となり
道となりました。
リモートで
その日集まって下さった方と
清水眞砂子さんの言葉に
絵本を重ねて読むと
清水眞砂子さんの言葉も
絵本の言葉も
一層深く残ります。
次回
１／３１の準備をしていても
清水眞砂子さんの言葉は
私の頭をひっくり返し
自分一人では辿り着けない所まで
引っ張り上げてくれます。
自分の中の
影より
影の中の光を見ることを
意識できはじめました。
伯母が亡くなって随分たつけど
伯母を想うと
いつもアンパンマンみたいに
まんまる笑顔で
チコの足音や
二匹のひんやりした鼻の感触を
心地よく思い出しています。
大切な大切な一冊です。
１月のリモート絵本講座
清水真砂子さんに絵本を重ねる
第五信
「明るすぎる渋谷の街で考えたこと」
思い悩むこと
悲しむこと への清水眞砂子さんの
想いを一緒にたどりましょう。
語り合いたい方も
語るよりじっくり聴きたい方も
どちらも安心してご参加くださいね。
お気持ちに添わせていただきますね！
2021/1/３１(日)14：00－15：45
受講料 2000円
前回のエピソード
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小さな集まりです。
個人での読みあい、選書などの御依頼も
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読みますよ。
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