娘のことを気にかけて
お誕生日のお祝いメッセージをくださる
心優しい方のお気持ちが嬉しくて。

娘は今日で18歳。

あっと言う間 とは言えない
色んな心配なことがあった子育てだったので
新しい世界を切り拓こうとする姿に
ほっとしています。

進路次第では来年から
下宿生活になるかもしれません。

憧れの大学を夢見て
一生懸命、こつこつと勉強しています。
娘の努力が実を結びますように‥と
見守るしかできません。



娘とはよく林明子さんの絵本を読みました。


今日は


以前も少し書いたことがあります。

林明子さんの隠し絵が楽しい絵本です。
例えば表紙に不思議の国のアリスがいます。
見つかりましたか?


表紙を開くと
ぬいぐるみのこんの型紙から
物語が始まります。

うちにも長男のお友達のママさんが
作ってくれた こん がいて
娘が引き継いでかわいがりました。

かきくけこ がすべて
たちつてと になってしまう時期の娘は
「こん」を「とん」と呼んでいました。




こん はあき が生まれる前から
赤ちゃんのあきを待っています。

おばあちゃんに頼まれて
さきゅうまち から赤ちゃんのおもりを
たのまれてきたのです。


そしてある日

     赤ちゃんだ!
     赤ちゃんってこんなに ちっちゃくて
     こんなに かわいいなんて しらなかったな

娘は大きな長男より小さくて
きゃしゃで女の子って感じがして
胸がいっぱいになりました。

ところが、手強いのです‥。
油断ならなくてなんか手がかかるんです。


あきも、なかなかのおてんばさんで
こんの上をはいはいで通過したり
よだれでぬらしたり
こんのしっぽを持って初めて靴をはいて
歩きます。


    それでも こんは あきとあそぶのが
          だいすきでした。

あきはどんどん大きくなって

こんはだんだん古くなります。


久しぶりに読むと切ない場面がたくさんです。


おばあちゃんに直してもらうために
さきゅうまち に二人で行く物語です。



二回目の切ない場面は
途中の駅で、こんがお弁当を買いに行く場面。

見開きページを使って
電車が長ーく描かれ
ホームでお弁当の長い列に並ぶこんを
見つめる小さな あきがかわいいです。

   こんは すこし しんぱいに なりました。
   「あと 3分しかないぞ」

ドキドキ ドキドキ ‥。


とうとう電車は動き出し
こんはもどってこなくて
あきは泣きだします。

何回読んでもこの場合はこわくて悲しいです。


車掌さんが
こんがドアのところにいた と教えてくれます!


しっかりお弁当を買って
しっぽをドアにはさまれたこんと再会!

何回読んでも、ほっとするのです。


しっぽがはさまれたまま
その場にお弁当を広げて二人で食べます。

長男も娘も、ついでに私もこのお弁当に
憧れました。

ちらし寿司と卵焼きとプリンの駅弁。

ないんですよねぇ。
今だに新幹線に乗る時はこのお弁当を
探してしまいます。

こんとあき弁当
売れると思うけどなぁ。

   「もう ずうっと すわっていようね」

席に戻って二人は
ずうっと窓の外の海を見つめています。

この場合が大好きです。


見開きページいっぱいの
砂丘に寄り道。

    あきは さきゅうをみたのは はじめてでした。

私達親子も、さきゅうまち に憧れ
見せたくて、鳥取砂丘に行きました。

今だに鳥取砂丘ではなく
さきゅうまち と言っています。


またまたアクシデント。
こんが犬にくわえて連れて行かれます。


    「こーん!」

あきは犬の足跡をつけ
砂の中からこんを見つけ
おんぶして夕暮れの砂丘の山を降ります。


暗くなって
おばあちゃんの家の前で
おばあちゃんに抱きとめられます。

   「おばあちゃん こんをなおして」

あきはふらふらで
こんのしっぽの包帯はほどけています。
せつないです。

おばあちゃんの昭和なお部屋の場面は
とっても安心。
母方の祖母の家を思い出します。


おばあちゃんに縫い直してもらい
しっぽをふっくらさせるためにお風呂に。

このお風呂の場面が
私達親子の一番思い出の場面。

おばあちゃんに縫ってもらっているあたりから
娘はもぞもぞし始めます。

お風呂のページをめくると同時に
必ず 「きゃっ!」と言って
笑いながらお布団にもぐり
絶対にこの場面を見ないのです。

お風呂にはいって
気持ちよくって目を閉じている あきが
自分に似ていてはずかしいから と。

急降下する直前のジェットコースターに
乗っているみたいです。

この場面の おはしゃぎが楽しくって
私はそんな娘が可愛くって‥。

私と娘だけのお楽しみ です。


このお風呂の場面が
旅のアクシデントをぶっ飛ばしてくれる
安心でしあわせな場面です。


今日久しぶりにこの場面を見せて

「なんで、毎回お布団にもぐったん?」
と聞くと
勉強の疲れでイラついている娘が
大きな口を開けて笑ったのが
嬉しいです。


あっけらかんとした
活発だった娘が 閉じていって

親子で行き詰まった子育て前半
親子で救われてから

娘は少しずつ
小さな挑戦から
精一杯の大きな挑戦へと努力していく
勇敢な女の子に育ちました。

どうか娘の夢が叶いますように
何より
感動いっぱいの人生となりますように。

生まれてきてくれて ありがとう。
頼りないおこりんぼうな母を許してね。







生まれて数年間
七歳違いの兄の友達集団の中で
自分も男だと思って育った娘は





ケーキに火柱を立てて満足気です。

この後
吹き消そうとするのですが
何回吹いても消えなくて

吹くから火が大きくなって

結果





私がオカンの本能でキメました。
もぉ〜〜〜〜です。


がんばれ 娘!


娘は私がブログを書いているのを知りません。
もうしばらくバレませんように。

そして うんと先に
絵本をなつかしむように
今日を懐かしめますように。