朝刊で絵本作家の かこ さとしさんの
訃報を知りました。


かこさんは私と娘にとって
特別な絵本作家さんです。

高校三年生になった娘と
寂しいなぁ と絵本を見つめています。


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以前にも書いたことがありますが
娘は簡単な手術ではありましたが
2歳3歳という幼い時に手術を
受けなければなりませんでした。


こんな小さなわが子に‥‥、という
いたたまれない気持ちでした。
ごめんね と自責の想いに苛まれました。



大変なのは当日だけではなく


娘と待ち時間も怖いこと痛いことも
沢山ある術前の検査を
終えなければなりません。

2歳の時は、娘がまだ何もわからないことが
救いでした。

一年後の3歳の時は
本当に辛かったです。

娘にわかるように
できるだけ恐がらせないように
だけど嘘はつかないで
手術する事を伝えました。

その日から娘は
家にある全てのぬいぐるみに
ままごとのお茶碗をひっくり返して
口に当て麻酔をするようになりました。


そして一年ぶりに術前の検査の時に


今日の絵本
「からすのパンやさん」を持って行きました。


かこさんに2001年に
サインを入れていただいています。

娘がパンが大好きなので買った絵本です。

娘の初めての言葉は
兄の名前と
「パン」でしたから。

おとなしいなぁと思ったら
兄の膝にハイハイで近づいて
随分早くからパンをもらっていました。
二人目はたくましい‥‥。





からすのパンやさんのうちに生まれた
赤ちゃん達がお気に入りで

オモチちゃん
レモンちゃん
リンゴちゃん
チョコちゃん

の中でも
からすなのに何故か白い
オモチちゃんが一番好きで
上手く言えなくて
モチちゃん と呼んでいました。

四色の子ども達です。


からすのパンやさんの子育ては
生々しく
子ども達は容赦なく泣き
あやしに行っては
パンが焦げたり半焼きだったり

お母さんはおっぱいを飲ませたり
おしめをかえたりで
お客さんを待たせ
お店は散らかっていき

経営が傾いでいきます。


子ども達はおかまいなしで
騒いだり
いたずらしたり
おねだりしたりでにぎやかに
散らかす毎日です。



売れなくなったパンは
子ども達のおやつで
いつしか外でパンを食べるようになり

友達から注文を受けるようになりました!


親子でパンを作ります!

このあたりからどんどん楽しく
かこさんワールドが加速します‼︎


親子で初めて焼いたパンが
見開きいっぱいに大きく描かれます。


食パン
レーズンパン
フランスパン
クロワッサンに
菓子パンの数々が堂々と並びます!

木の茂みの中でのパンやさんは
大盛況です。


      それから みんなで かんがえて


みんなが大好きな圧巻の場面!
おもしろパンが見開きいっぱいに
ぎっしり並びます。


かこさんの得意な
子ども達の好きな
細かいもの ぎっしり のパターンです。

80を超えるありえないパンが
子ども達の心をわしづかみにするのです!


                       おかまパン
    恐竜パン                       ペンギンパン
                  ながぐつパン
   わにパン                          おそなえパン
                           はぶらしパン

たこパン                        えんぴつパン
                 おちょうしパン
   くじらパン
                               じどうしゃパン

もう粘土遊びの世界です。

もちろん
         だるまパン てんぐパン

もあります!

娘のお気に入りは ぽっくりパンです。



赤ちゃんの時から
よだれをたらしながら
兄と腹ばいでこの場面を楽しんでいました。

しゃべれないけど
指さししたり
食べる真似をしたり。




大評判になりすぎて
大賑わいで
何故か火事と間違われ
からすの消防隊やら機動隊やら
救急車まで出動する大騒動


これでもか
これでもか と色んな いでたちのからす達が
パンを買いに登場します!
何故か文金高島田のお嫁さんとかも紛れていて
楽しいんです。


     もしかしたら 
     あなたは チョコちゃんたちに
     あえるかもしれませんよ



の言葉が胸に残った娘は
からすを見かけると

「モチちゃん!」



こんなふうに
エネルギーあふれる
ぎっしり描き込まれた場面は
元気とニコニコの時間をくれます。

検査の待ち時間や
暗いレントゲン室
採血室を親子で乗り越えていく元気を
くれました。


手術当日も絵本を抱きしめて
からす達にバイバイして手術室へ

麻酔が醒めた後もベットで
たくさんおしゃべりしながら絵本で
退院までの時間を過ごせました。



こんな私達のエピソードを
講演会に来られる
かこさんにお手紙を書き
クレヨンハウス大阪さんに託しました。

当日どうしても行けないこと
絵本のおかげで手術をがんばれたこと
とてもとても助けていただいた感謝を
お伝えしました。

娘はお絵かきでお手紙を。



すると




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こんなにかわいい
あたたかいサインを下さいました。

大歓激しました。

特別バージョンのサインに
かこさんの優しいお人柄を感じます。


今日、この絵本を開いた時

また胸がつまりました。
なんて優しい方なんだろうと
今も感謝でいっぱいです。

17歳になった娘も にやり。



そして後日、私と娘それぞれに
お返事までくださいました。

娘には
ご自身も手術を経験しているから
こわかったよね。
よくがんばったね。

私には
お母さんつらかったですね。
大変でしたね。
元気になられて本当によかったですね と。


お忙しい中
私達に気持ちとお時間をくださった
深い思いやりは宝物でありお手本です。


今は涙涙です。
やっぱり寂しいです。
そして心から感謝しています。

大切に読んでいきます。

ありがとうございます。
見ていて下さい。


こんなに子どもを愛してくださる
かこさとしさんの絵本が
たくさんの方の手元に届きますように。




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