昨日 すみれの花を見つけました。


難しいなぁと思う絵本ですが
勇気を出して。


みんなが大好きな ぐりとぐら シリーズからの
一冊です。


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作者の中川李枝子さんと 山脇 百合子さんは
姉妹です。

中川さんは 元保育士さんです。

お二人で ぐりとぐらのモデルになるネズミを
実際に探して描かれました。

絵を担当されてる山脇さんは 
スケッチ派で
動物園に通うなど
動物を しっかり観察されてから
絵本の世界に送り出される方です。


ぐりとぐらに 人間が登場するのは
この作品が初めてです。

以前は 海坊主や くるりくら 、サンタクロース
でしたね。


ご存知の方も いらっしゃるかと思いますが
すみれちゃんは実在の女の子です。



すみれちゃんのお母様が
作者の中川さんに書かれたお手紙が
きっかけとなりました。

すみれちゃんは重い病気を患い 
四歳で天に召されました。

亡くなる前は食事もできなくなっていたそうです。



すみれちゃんは絵本が大好きな女の子。
実際は食べられなくても

「今日は 何食べようかなぁ」と
「ぐりとぐら」の 
あの大きな大きなカステラを
食べるまねっこを楽しめたそうです。

お母様は
「絵本の好きな子でよかったです。」と。

このエピソードと
すみれちゃんを亡くした悲しみと
かけがえのない思い出ができたお礼を
綴ったお手紙を中川さんに
出されたそうです。


読まれた中川さんが お返事を書かれ
すみれちゃんのお母様との三年に及ぶ
お手紙でのやりとりが始まったとのことです。

そして中川さんが
「すみれちゃんの絵本を作りましょう!」
と この絵本が誕生します。



ぐりとぐらは朝起きると庭の畑へ行きます。

「にんじん げんきかな」
「いんげん のびたかな」と。

ぐりとぐらの何よりの魅力は
この 口に気持ちよく乗る
可愛い台詞と愛情いっぱいの挿絵。

文字にすると よくわかりますね。


子ども達が言うと本当に可愛いし
大人が言っても 気持ちが穏やかになります。

何度も読んでいるうちに
おうちの言葉として
 馴染んでくることもあります。




「さあ、ぼくたちも あさごはん、
                              はらぺこ はらぺこ」



お野菜が とても美味しく描かれているのも
この絵本の魅力です。
                                      


  「こんどは かぼちゃを つくろう」

  「うん つくろう。あまい ぽくぽくのかぼちゃ」


すると

大きな大きなかぼちゃを
リュックに入れた
すみれちゃんの登場です。

ぐりとぐらは
自分達より大きなかぼちゃを


         なでたり さすったり たたいたり
         においをかいだり みみをあてたりして
         しらべました。



この様子が本当に可愛くて。
初めから終わりまで
すみれちゃんのことをいっぱい想って
すみれちゃんのお父様お母様を深く想って
描かれているのが感じられます。



中川さんは 
本当に子どもの姿をよくご存知だなぁと
嬉しくなります。

子ども達の好きなこともやりたい事も
やりそうな事も
知っておられます。




 ぐりとぐらが よーく調べた結果


      「せかいに ひとつしかない
               すみれかぼちゃって いうんだ」


      「あたり」

と すみれちゃん。




ぐりとぐらが 包丁や のこぎりまで持ち出し
よじ登って奮闘しても かぼちゃは割れません。



      「あたしが やる」と

すみれちゃんが

      「えいっ」と投げたかぼちゃが



         ぽーんと はずんで そらに あがり


    おちたひょうしに ぴーんと ひびが はいって


   
             まっぷたつに われました。



繰り返しが大好きな子ども達が 
気持ちを拡げられる場面です。

野菜という食べ物を任せてもらえる事も
大胆な方法も幼い子達の憧れを満たします。




割れた時には お馴染みの森の仲間が集まり

すみれちゃんと ぐら リス達 きつねは
万歳!


見開き2ページで
森の中で火をおこし
切ったり こねたり 丸めたり
型を抜いたり おしゃべりしながらのお料理です。


これも子ども達、かつての子ども達の
憧れです。


さぁ 皆さん 
おなじみの台詞をご一緒に!




       ぼくらのなまえは ぐりとぐら
       このよで いちばん すきなのは
       おりょうりすること たべること
       ぐり ぐら ぐり ぐら



再び見開きページでのお食事場面。


     かぼちゃの ぺちゃぺちゃに、ぺたぺたやき
     かぼちゃのプリン、かりんとう、
     かぼちゃコロッケ、かぼちゃドーナツ
     むしパン、かぼちゃせんべい

大きな 布を広げ
素朴な優しい ごちそうがいっぱい。



この絵本に出会ってから
仕事での おやつもかぼちゃがふえました。

私の講座でのおやつやごはんの場面は
このページに憧れているなぁ と気づきました。

一番人気は 
丸ごとのかぼちゃをチンして
みんなの前で 切り分けて
お塩をぱらりで食べるだけ!


ペロリと平らげる子ども達は誇らし気で
ママは びっくり!

切り落とした へたのところも食べていたり
種をなめたり
それを持って帰る子も
みんな かわいい。





空が夕焼けに染まったころ

     すみれちゃんは スキップで
     すみれはらっぱに かえっていきました。


夕焼けになるまで遊べるって
子どもにとって本当に幸せなことです。
心もおなかも満たされて。



     ぐりとぐらは すみれかぼちゃのたねを
     はたけに うめました。



私はクレヨンハウスでの
中川李枝子さんの講演会で
すみれちゃんのエピソードを
中川さんから聴くことができました。

今も中川さんの表情や声が蘇ります。


とても印象に残っているのが
中川さんが すみれちゃんに出会って
絵本の中にすみれちゃんが誕生してから

「すみれちゃんなら どうするかなぁ」

と 事ある毎に考えるようになった
と話されたことです。


すみれちゃんのお母さんは
中川さんとのお手紙のやりとりの中で

優しい安心感のもと
お母さんも ご自身の気持ちを
たくさん綴ることができたのでは 
と感じました。

何よりのケアであったと語られています。



この講演の後 しばらくしてから
私は 新聞で すみれちゃんのお母様が
取材を受けられているのを読めました。


弟くんが生まれ
お名前が
こん くん (紺くん)
なのも お母様の人柄や気持ちが伝わってきます。


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人には お役目があるのかなぁと
最近 よく思います。

すみれちゃん
お母様
それぞれの お役目を全うされているのでは と。


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講演の後 サインをお願いしたら
ブルーの表表紙は 
「インクをはじいてしまうから」と
別の紙に書いてくださいました。


臨月前の大きなお腹を抱えた私と
一年生の長男に
本当に気さくで
息子に あれこれ話しかけて下さいながら
サインをいただきました。

三年生ぐらいに見える息子が
一年生と言うと
「ぼく 大きいわねぇ」と しみじみ。




息子が四歳の時に
真ん中の子は おなかの中で亡くなって

二人で泣いて

私の病も長引き
娘が授かるまで七年かかりました。


「二人目は まだか」
「兄妹も産んでもらえず かわいそうに」
などの心ない言葉に 打ちのめされる私に


「〇〇(息子の名前)だけやったら あかん?」
と長男。


愛おしくて
尊くて
「〇〇がいてたら もういい」と。
今も涙が溢れます。
多分ずーっと。


とっておいた 
おさがりやチャイルドシートを
手放した後 ひょっこり娘を授かりました。


娘が おなかにいることを話すと
「生きてきた中で 一番嬉しい。」と息子は
泣きました。


真ん中の子は
命のかけがえのなさ
どうしようもない事
引き留められない命がある事
がある

人は受け容れないといけない事が あるのだと
私に身を持って教えてくれました。


悲しみは消えないけれど
感謝の気持ちが育っていくことを
ずいぶん経ってから
知りました。


私達親子にとっても
いい時期に
すみれちゃんに出会うことができました。


もう臨月で子宮が数センチ開いていたけれど
妊娠前にお受けした
講座の日をなんとか迎えることができました。

すみれちゃんの絵本を初めてご紹介しました。

「二時間 がんばって!」と
おなかの中の娘にお願いして。


ブログやメールのない時代
言葉や気持ちの受けとめあい。

今も 私は言葉に救われ支えられ
読者さん同士が 言葉で支え 抱きしめあうのを
なんて素晴らしいんだろうと
言葉の可能性に感動しています。


そこに絵本という共通の場があることが
その結びつきを
より強く しなやかにしていることを
確信しています。


言葉って すごいなぁ。
その言の葉が 光を放つ絵本
その絵本を綴り描かれる
中川李枝子さん
山脇百合子さんの心意気に
改めて敬意を表したいです。


今日の 物語は これでおしまいです。


命 が 宿ること

目の前に我が子がいてくれること

短い時間であっても親子になれたこと

血の繋がりがなくとも
支えになってくれる人がいること


その、かけがえのなさを
生きるごとに感じます。

絵本 は その結びつきが生まれる世界です。



    ぼくらのなまえは ぐりとぐら
   このよで いちばん すきなのは
   おりょうりすること たべること…!
   ぐり ぐら ぐり ぐら。




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