WBSC(世界野球・ソフトボール連盟)が主催する第1回U23ワールドカップが、メキシコ・モンテレイで現地時間10月28日から11月6日まで開催され、決勝で日本がオーストラリアを10-3で破って見事初代王者に輝きました。
10月28日
オーストリア1-8オーストラリア
アルゼンチン0-10台湾
日本6-1ニカラグア
南アフリカ1-14ベネズエラ
チェコ1-6韓国
メキシコ1-3パナマ
10月29日
アルゼンチン13-3オーストリア
台湾3-15日本
ニカラグア5-6オーストラリア
パナマ17-3チェコ
南アフリカ3-17韓国
ベネズエラ0-4メキシコ
10月30日
オーストリア0-15ニカラグア
オーストラリア8-7台湾
パナマ11-3ベネズエラ
チェコ12-4南アフリカ
日本10-2アルゼンチン
韓国6-1メキシコ
10月31日
パナマ9-1南アフリカ
ニカラグア10-5台湾
ベネズエラ2-7韓国
アルゼンチン2-15オーストラリア
オーストリア0-16日本
メキシコ14-4チェコ
11月1日
ニカラグア6-0アルゼンチン
韓国4-5パナマ
オーストラリア2-11日本
チェコ12-13ベネズエラ
南アフリカ0-15メキシコ
台湾3-0オーストリア
11月3日
スーパーラウンド
ニカラグア9-3パナマ
韓国1-2日本
メキシコ15-8オーストラリア
コンソレーションラウンド
オーストリア7-14チェコ
南アフリカ0-8台湾
アルゼンチン1-3ベネズエラ
11月4日
スーパーラウンド
韓国7-9オーストラリア
日本2-3パナマ
メキシコ7-4ニカラグア
コンソレーションラウンド
ベネズエラ0-10台湾
11月5日
スーパーラウンド
オーストラリア8-4パナマ
メキシコ2-3日本
ニカラグア8-13韓国
コンソレーションラウンド
アルゼンチン9-2チェコ
南アフリカ9-3オーストリア
11月6日
コンソレーションラウンド
オーストリア3-15ベネズエラ
南アフリカ7-15アルゼンチン
チェコ0-10台湾
3位決定戦
韓国5-3パナマ
決勝
日本10-3オーストラリア
今大会に、NPBの若手選手と社会人の連合軍で挑んだU-23日本代表。当初はこの世代の最強チーム(トップチームに選出されている大谷翔平(日本ハム)や藤浪晋太郎(阪神)らは除く)を編成する予定でしたが、登録期限がCSと重なったことなどもあって当初想定よりも戦力的には劣る陣容となってしまいました。
しかし、そんな中でもふたを開けてみれば、大会本番ではパナマ戦を1点差の惜敗で落としたのみ。決勝でも先手を奪われたものの、中盤に相手の守備の乱れにも乗じて逆転し快勝を収めました。2015年から2年連続で世界ランキング1位をキープしている日本ですが、その威厳を保つには十分といえる戦いだったのではないでしょうか。
中でも輝きを放ったのが、不動の主砲としてチームをけん引した真砂勇介(ソフトバンク)。予選リーグでは全試合で安打と打点を記録する絶好調ぶりで、通算成績は打率.419、4本塁打、14打点という堂々たるものでした。ソフトバンクでは分厚い外野陣の選手層に阻まれ、4年目のここまでまだ一軍出場はありませんが、来季以降のチームでの飛躍という面では大きなきっかけとなったのではないかと思います。
一方、今大会では普段あまり世界の舞台ではお目にかかれない国々も少なからず登場しました。オーストリア、チェコの両欧州勢とアルゼンチンがそれです。開幕戦ではオーストラリアとの「国名そっくりさん対決」にも臨んだオーストリアは、残念ながら世界レベルでの初白星を記録するには至らず8戦全敗。大会全体でも最下位に終わってしまいましたが、予選ラウンドラストの台湾戦では敗れつつも0-3と接戦を演じてみせました。初勝利は持ち越しになったとはいえ、オーストリア球界の次世代を担う選手たちにはとても大きな刺激となる舞台だったのではないでしょうか。
チェコは8試合を戦って2勝6敗。南アフリカとオーストリアに勝利したものの、全体的には厳しい内容となりました。パナマには17失点、メキシコには14失点を喫しともに大敗。ベネズエラ戦でも13失点と、投手陣が満足のいく働きとはいきませんでした(もっともベネズエラ戦に関しては、打線が12得点を奪い返すノーガードの殴り合いだったのが、せめてもの救いだったでしょうか)。近年、フル代表はヨーロッパ選手権において目覚ましい成長ぶりを見せているチェコ。今回のチームにはオンドレイ・サトーリアをはじめ、既にエキストラリーガでも主力に近い立ち位置でガンガン投げている面々もいるだけに、どこまで立て直せるかが少し心配です。
アルゼンチンは3勝5敗。両欧州勢および南アフリカから白星を挙げました。敗れた試合でも、同じ南米の強豪国ベネズエラ相手に1-3と善戦。日本戦では最後に点差こそついたものの、先制点を挙げコールド回避も達成しました。アルゼンチンはWBC予選にもまだ招集されていない側の国。その彼らがプロ選手主体の日本相手にここまで食い下がったのは、まさに快挙と言ってもいいと思います。もちろん、今回勝った相手はトーナメント全体でも下の方の国々ばかりなので、これで満足していてほしくもないのが正直なところです。
2年前に台湾で開催されたU21W杯を発展的解消する形で生まれた今大会。サッカー界で言うところの五輪代表と同じように、ここに出場する世代は数年後には各国リーグや代表の次なる主力として期待を受ける年代です。彼らの中から、今後数年以内にどれだけフル代表のメンバーとして活躍する面々が出てくるかに期待したいと思います。日本は次回大会ではディフェンディングチャンピオンとなりますが、王座防衛を果たせるか否かにも注目したいですね。日本代表の皆さん、優勝おめでとうございます。そして全ての大会関係者の皆さん、お疲れさまでした。
ソース
http://www.mister-baseball.com/japan-wins-title-wbsc-u23-baseball-world-cup-monterrey-u23worldcup/
http://www.wbsc.org/ja/tournaments/2016-u23-baseball-world-cup/schedule-and-results/