イタリア代表選手への移籍支援の実施について | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 NPO法人国際野球支援団体ベースボールブリッジでは、ともに2014年ヨーロッパ選手権イタリア代表のファン・カルロス・インファンテ(33、UGFフォルティチュード・ボローニャ1953)、エリック・エピファーノ(24、トマッシン・パドーヴァ)両内野手に対する日本球界への移籍支援に着手することを、横浜市のかながわ県民センターにおいて13日に開催された定例MTGにて決議しましたのでお知らせいたします。


 今回の両選手絡みの案件については、元々エピファーノ側から日本行きのサポートを要請され受諾していましたが、彼とユーロにて三遊間を組んだ間柄であるインファンテからも、それに少し遅れる形で今月10日に同様の要請を受けていました。インファンテについては、10日にTwitter上で「西武ライオンズに入団する」との怪情報が流れていたことなどもあり、両選手に対して並行的な支援を実施することの可否をここ数日間精査・検討していたところです。12日夜の時点で、インファンテへの支援実施は代表・副代表レベルでは既に仮決定に至っていましたが、団体としての正式な決裁は13日のMTGの場において改めて行うこととしていました。


 両選手に対する支援の内容ですが、第一段階として両名から送付された選手プロフィールを元に、その日本語版を作成。これを独立リーグの球団にPRし、獲得に興味があるかどうか確認します。前向きな返事が得られた場合は、その旨を両名に通知したうえで第二段階へ。実際の入団またはトライアウト受験に備え、来日時の滞在先や航空券の手配、また来日時の案内など具体的な渡航準備に着手することになります。また、万が一日本でのプレーが叶わなかった場合は、両名とも現在のイタリアにおける所属チームであるボローニャとパドーヴァで、来季のIBL(イタリアンベースボールリーグ)の開幕を迎える方向です。なお、両名の略歴は下記の通りです。


1)ファン・カルロス・インファンテ(Juan Carlos Infante)



1981年10月8日 ベネズエラ・ボリバル共和国首都地区カラカス生まれ(33歳)
身長5フィート10インチ(177cm) 体重170ポンド(77kg)
ポジション:内野手(遊撃、三塁、二塁) 右投両打
球歴:モントリオール・エクスポズ傘下(1999~2000)、フォートワース・キャッツ(2001)、ニュージャージー・ジャッカルズ(2004)、オレル・アンジオ(2006)、オタワ・ラピッズ(2008)、エドモントン・クラッカーキャッツ(同)、UGFフォルティチュード・ボローニャ1953(2009~)
国籍:ベネズエラ、イタリア(二重国籍)
代表歴:イタリア(2013年WBC、2008年、2010年、2012年、2014年ヨーロッパ選手権、2011年IBAFワールドカップ)


2013年まで(計11シーズン)の通算成績
448試合出場 1795打席 1527打数 427安打 打率.280 出塁率.376 長打率.386 OPS.762 18本塁打 178打点 83二塁打 13三塁打 287得点 87盗塁 27盗塁死 204四球 220三振 590塁打 17併殺 36死球


2)エリック・エピファーノ(Erick Epifano)



1990年3月31日 ベネズエラ・ボリバル共和国ララ州バルキシメト生まれ(24歳)
身長6フィート1インチ(186cm) 体重160ポンド(72kg)
ポジション:内野手(二塁、三塁、遊撃) 右投右打
球歴:アトランタ・ブレーブス傘下(2008~09)、タンパベイ・レイズ傘下(2010~11)、ディ・エンジェリス・ゴード・ナイツ(2012)、ASDレッジョ・エミリア(2013)、トマッシン・パドーヴァ(2014~)
国籍:ベネズエラ、イタリア(二重国籍)
代表歴:イタリア(2014年ヨーロッパ選手権)


マイナー時代(計4シーズン)の通算成績
131試合出場 485打席 419打数 119安打 打率.284 出塁率.368 長打率.339 OPS.707 0本塁打 44打点 17二塁打 3三塁打 69得点 11盗塁 5盗塁死 53四球 55三振 142塁打 13併殺 3死球


 今回のような現役選手に対する移籍支援は、当団体の発足前に代表の田中がイラン代表のアミール・カーリグ・サケット投手に対し実施していたことはありましたが、2012年9月にベースボールブリッジが旗揚げされてからは初めてのこと。奇しくも、NPO法人格取得後に取り組む最初のビッグプロジェクトにもなりました。今回サポートを行う両名のうち、インファンテはイタリア代表における不動の切り込み隊長であり、2013年には第3回WBCにも出場。今年は欧州最高峰リーグであるIBLで遊撃手としてゴールドグラブ賞にも輝いた、イタリアは元より欧州球界きっての大物です。このプロジェクトを成功させることができれば、今後当団体がヨーロッパ球界において決して小さくない影響力を持てるようになり、それが事業全体に非常にポジティブな効果をもたらす事も夢ではありません。


 とはいえ、既に12月も半ばであり残された時間には余裕がないことも事実。これからこのプロジェクトの成功に向け、メンバー一同それぞれの持ち場で最善を尽くしていく所存です。日本と欧州双方の球界にとっての懸け橋として、国際化を急速に推進している野球界の発展に大きく貢献していくことができるよう、限られた時間ではありますが最大限有効に活用していきたいと思います。インファンテの場合は年齢的にも、このオフでの移籍が事実上ラストチャンス。来年彼らが日本でプレーする姿を見ることは、我々にとっても是非叶えたい夢です。これからもベースボールブリッジに対する変わらぬご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。