ウガンダ野球・ソフトボール連盟(UBSA)が、このたび在ウガンダ日本大使館や国際協力機構(JICA)などと共同で、首都カンパラの北部にある街・ガヤザに国内初の国際規格のスタジアムをオープンさせました。
去る1月25日に行われたオープニングセレモニーには、選手や連盟関係者の他日本とウガンダ両国の関係者が参加。今回の建設プロジェクトは、合計150に及ぶプロポーザルの中から選ばれ、12万2175ドルの資金を元手に実行に移されました。世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ(野球)とドン・ポーター(ソフトボール)両共同会長は、今回のスタジアムオープンにあたり次のような声明を発表しています。
「我々は在ウガンダ日本大使館が、野球とソフトボールを国際的な絆と友情を深め、社会の発展に資するツールと捉えていることを誇りに思っている。ウガンダの選手たち、UBSAのメンバー、そして大陸連盟であるアフリカ野球・ソフトボール協会(ABSA)の将来に、我々は明るさを見出している。これはガヤザのコミュニティはもちろん、ウガンダ、アフリカ、そして野球・ソフトボール界全体にとって歴史的なことであり、本当にスペシャルな瞬間だ。ウガンダが国として成長し、中央アフリカや東アフリカの国々を招いて国際大会を開けるようになるまでに成長することは、周辺諸国にとっても大きく成長するモチベーションとなるだろう。そしてそれは、野球とソフトボールの国際化の上でまさに大きなマイルストーンとなる」
このプロジェクトには、様々な立場の個人や組織が参加しています。日本側からは藤田順三駐ウガンダ特命全権大使やJICAなど。ウガンダ側からはウガンダスポーツ省や、野球場建設のための1.21ヘクタールもの土地を提供したガヤザ・パリッシュ・カトリック教会などが参加しました。これらの関係各所をUBSAがまとめあげ、同国で初めてのフルサイズのボールパークを現地に誕生させたのです。
今回の球場完成を機に、ウガンダはイギリスやスリランカとともに、2010年代にそれぞれの国で初の本格的な野球場をオープンさせた国々の仲間入りを果たしました。このプロジェクトの目的は、健康や保健体育をウガンダに浸透させることですが、それに加えて日本側ではウガンダにおける野球・ソフトボール人口を増やしたいという思惑も持っているようです。日本側が調べたところでは、同国では合計で2万人にも上る選手たちが、原っぱや他競技のグラウンドで野球をプレーすることを強いられているとのこと。こうした選手たちが本格的なスタジアムでプレーするきっかけを作る意味でも、大きな効果があると思われます。
「我々WBSCは、リーダーシップやジェンダーの平等意識、健康、教育、チームワークの意識を醸成し、同時にある課題に対してそれを乗り越えることを学ぶためのツールとして、スポーツという文化を活用していくというビジョンを、これからも推し進めていくつもりだ」と、フラッカリ・ポーター両会長は語りました。UBSAが推進している長期的な成長戦略も、WBSCと同様に若い世代の成長に非常に力を入れており、その甲斐あって野球・ソフトボール人口も2000年の1500人から、わずか13年で2万人にまで増加。これはまさに驚異的な伸びと言ってよく、今後にも大いに期待が持てる流れといって間違いないでしょう。
UBSAの上層部は今後、球場の設備をさらに拡張するアイデアを持っているとのこと。拡張後は観客席の他、報道向けのプレスルームや宿泊施設、さらにチームのクラブハウスも設置される予定だということです。ナショナルフレンドシップスタジアムと名付けられた新しいボールパークは、3月に開幕するウガンダ国内リーグの公式戦で早速稼働を開始することになっています。
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