小説~ONESTAR番外編~あたしのこと、好きにならないで。 | COCONUT☆HEADBUTT!!

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小説★☆*ぱすてるONESTAR番外編星



ったく、何やってんだか。


そんなことしてて、曲に入り損ねたらどーすんの?


ドラムとベースはさっきからぐだぐだで、

スピードがどんどん落ちてるくらいなのに、

唯一弾けてるあんたがミスったら、

曲が止まるじゃないのよ。


そう言うのは、ヨッシーみたいに、どっからみてもカッコいい人がやることなのよ。


そう思ってたら、

視界が揺れた。


あれ?


「リョウちゃん、これ使って。リョウちゃんのは汚しちゃったし、洗って返すから。」


リホちゃんがあたしに自分のハンカチを渡してくれる。

その間も、だらだらと生暖かいものがあたしの頬を流れ続けてる。

メガネが、涙で曇って何も見えない。


なんであたし、泣いてるんだろう。


リュージ、


リュージ、あたし、

あんたにそんなことしてもらえる女じゃないよ。

だって、

だって全部ウソだから。


リュージ、

リュージ、お願い、

あたしのこと、好きにならないで。


あたしのことなんか、好きになっちゃダメだよ。

どうして好きになったりするの、

バカ男。


リホちゃんのハンカチで涙をふく。

リホちゃんのハンカチ。


「リホちゃん、あたしもアレやっていい?」

「え?」


リホちゃんの返事も聞かず、

ハンカチを左手に巻き、端と端を右手と歯で噛んで引っ張って括り付ける。


左手首のハンカチに口づけるヨッシーを客席のみんなが意味も知らずにマネる中、

あたしもハンカチに口づける。

立派なヨッシー信者の出来上がりだ。


あたしとヨッシーだけが

ホントの意味を知るおまじない。


神様に祝福されないあたし達は、

もう何に祈っていいのかすら

わからないから。


あたしに、

あたしに、勇気を。


幼馴染を騙し続けても

平気でいられる、勇気をください。


ペタしてね 小説ONESTAR番外編続きまーすむふっ。ってかもうじき最終回でーす。ピース