前々回の続きですと行く前に、前回の反論のちょっと補足を書いておきます。霞ヶ関ストライクス・バック!!という感じですまさに。

読んでない方もおられると思いますので、簡単に経緯を書きますと、鳩山総務大臣が人気主義的な動員を使っている事に対して、何が悪いんだという反論を受け、背後に霞ヶ関の匂いがするから動員は勘弁してくれと答えた、簡単に言えばそういう事なのですが、やっぱりと言うか何というか、総務大臣の雄叫びなので怪しいなと思っていたら、案の定マスメディアは民主党への安全保障の切り崩しにまんまと乗って騒ぎだし、かと思ったらまんまと小沢の秘書逮捕。

役人の権益、つまり特別会計にまで手をつけると言った小沢民主党、それと同時にアメリカからの脱却も言った。アメリカからの自立を言った権力者というのはことごとく失墜して来ています。

アメリカからの脱却が問題なのか?それとも防衛利権からの脱却が問題なのか?いずれにせよこの問題に触れると、必ず失墜する。田中角栄から始まって、最近では守屋元事務次官なんてのもいましたね。そういえば特捜の餌食になったライブドア事件の際、野口さんが死んだのも沖縄でしたっけ。

テレビ局が下請けを買い叩くという図式に対して、規制の網をかける話が出て(それ自体はバカマスコミの自業自得ですのでやるのはいっこうに構わないのですが)、どうもタイミング的に怪しいというのと、時を同じくして監督官庁現総務大臣であり元法務大臣である鳩山が吠えている(特捜は相当前から内偵を進めていたでしょうから<福田政権の際の連立話の時にすでに噂があった>、何てったって法務大臣だったわけで何らかの情報を掴んでいて、このタイミングを計ってポピュリズムを打ち出していたのかもしれない、麻生が総裁選を先延ばしにして居座り続けていた理由もこれで辻褄が合う)。バカな国民はあの鳩山のアホを正義の味方扱いし、霞ヶ関の逆襲が顕在化して来たなと心配していたら、マスメディアも大事な所を握られて、野党潰しの一番の急所である安全保障からの切り崩しにまんまと乗り出す、流れ的に怪しいなと思ったら、今日の小沢の秘書問題、この有様。

前々回のエントリーでも書いたのですが、対アメリカの小沢発言は何らおかしな事は言ってません。むしろそれを護持しようとしている連中が何を守ろうとしているのか?その事を見極めなきゃならない。

間違いなく国民の安全の為などではない。全部利権です。そして今回の秘書の金の問題。特捜はいつも恣意的な国策捜査を行なう。政治家と金の問題なんて民主党議員には脇の甘い連中がうじゃうじゃいるし、それは与党も同じ。なぜ小沢なのか?

拉致問題での小沢の発言の一部を切り取って、失言と騒いだりもしていました。金で解決するしかないだろう、これが問題なのだそうです。テロに屈しているとか、犯罪に対して金で解決とか、そういう批判の仕方です。野党の中の旧社会党系のバカ左翼もこういうのに簡単に引っかかって小沢批判を始める。頭が痛くなってくる、まさかこういうのに動員される人もいないと思うのですが、鳩山を正義の味方扱いする人がいるのだから、希望は持てねえよななんて思っていた。嫌な予感満々。

批判するのは勝手にやればいいけれど、こういうロジックが滅茶苦茶な話を、バカメディアも与党のケツ舐め報道で利権護持の足場を築こうというのか、ちょっと脅されると簡単に下らない話で権力に媚びる。こういう流れが段々顕在化していたのを心配して、鳩山のアホに乗せられるなと書いたわけです。必ず裏があるぞと。

その部分だけを見ていて正しそうに見えるからと言っても必ずそういう風に利用してくる。そしたら案の定、小沢の秘書がパクられるなんて話が出てくる。マスメディアは一斉に推定有罪報道、与党の町村あたりも逮捕されただけだというのに犯罪者扱いをしている。こういう常識の無いクズが政治家なんだから話にならない。頭ついてんのかって話です。国民ももちろん推定有罪に何の疑問も持たないバカが多過ぎるので、嫌な流れが始まりそうな気配が。これで民主党の足場は相当ガタつく。与党、そして役人どもにとっては、願ってもない話。

民主党なんて全然期待していませんが、いったん政権を取って3、4年やってもらわないと(1年2年じゃダメ、最低3回以上は予算を組まないと権益構造を組み替える事が出来ない、不安定な短命政権だと役人が日和見する、言う事を聞かないので不人気になると、コントロールする為に役人相手に妥協が始まる、更に国民が簡単に乗せられやすいのが何しろ厄介)、絶対に自民党にも霞ヶ関にも自浄作用なんて働かない。それが今回の一件で相当の大打撃を食らったという他ありません。

役人どもが法律を無視して天下り護持の為に政令なんかを勝手につくって国民の血税を何兆円も無駄にする犯罪行為は放置でも、たかだか2000万程度の金で悪者退治を始める霞ヶ関の先兵である特捜。たとえ小沢を罰しても、一番の問題点を忘れないでもらいたいもんです。日本人そこまでバカじゃねえだろと思いたいのですが、嫌な予感が・・・・・・



昨日の時点で防衛利権と拉致問題について小沢バッシングが始まったと感じたので、書いておいたものが残っています。それも一応乗せておきます。本当はこれを書きたかった。

何度も書いていますが拉致問題の解決をこじらせた原因の一端はマスメディアそのものにもある。北の拉致問題というのはかなり前から騒がれていたにもかかわらず、ずっと無視して来た。発覚したと思ったら、急に手の平を返して、国民の感情を煽り、断固決然バカが拳を振り上げて、あげく小泉訪朝以来何一つ前に進んでいない。それどころか解決のめどはほぼ絶望的状態に成り果てている。それを防衛利権の片棒を担ぎ、小沢の失言だとか騒いでいる。お前らの責任を先ず問えよって話です。ちょっと脅されるとすぐに政権に媚びるゴキブリメディア。つくづくどうにもなりません。
この問題はハナっから話し合いで解決するしかない。カッコつけて威張ったって、日本は北朝鮮からそれを独力で取り返す事が出来ない国でもある。だからアメリカさんお願いしますって話になるわけですが(だいたい断固決然吹き上がってどうするのかと言えば、アメリカさん見捨てないでという、このメンタリティがムカつくのですがそれをわきにおいたとしても)、アメリカはすでに日本の問題は日本独力で解決するという事を日本政府と取り決めて約束している。アメリカのせいじゃなくて日本政府がアメリカのせいにしているだけで、当たり前の話ですが日本の責任であるわけです。その事で国民を騙している。そもそもアメリカが助けてくれるという前提がどうかしているというだけじゃなくて、政府間でのガイドライン見直しの中で、それはすでに取り決められている事なのです。もう10年以上前の時点の話です。
だから戦争する覚悟はないわけですし、威張ったって脅したって、その覚悟のない国が何を言っても通じない。アメリカはハナっからその問題は日本の問題だと応援はするけれど、手伝わないと言っている。それを日本政府も認めている。それを自民のクソ共は隠している。そうしたら選択肢は話し合うしかない。ただ話し合ったってかえって来ない。であるのなら何らかの支援とバーター取引に持ち込む以外、かえってくる可能性はない。だからそれを小沢は言っているにすぎない。こういう事に吹き上がるバカ左翼は建て前のきれい事ばかり、与党のアホ共もアメリカが何とかしてくれると国民に期待を抱かせ、裏ではしっかりアメリカが何もしないという事を認めている。不安を利権にしている。防衛利権として利用している。人気取りのリソースとして利用している。解決する事が目的では無い。
テロに屈する事になるというのはそりゃそうです。だけどそれ以外の選択肢がないわけで、かえって来なくていいのなら別にそれでもいいけれど、解決するのを最優先にするのならそれしか方法がないということを小沢は言っている。そもそもこれはこのブログで再三再四書いている事ですが、先ず拉致被害者は本当に生きているのか?という問題がある。生きているはずだという希望だけを持たせて、国民を感情的に動員するのに利用して自民党は散々使って来た。そもそも拉致問題をずっと無視して来たにもかかわらずです。その責任問題はどこかに消えてしまった。
そして何人拉致されているのかもわからない。何人生きているかも、何人拉致されているのかもわからない代物を、どうやって解決するというのか?これを政治利用している連中は解決するのではなく、政治利用したいだけです。解決のラインが無いのだから解決出来っこない。何を持って解決というのかを示せと安倍晋三はアメリカに突っ込まれて、何も言えず戦争のお手伝いをしますと、自分の保身の為に日本人を犠牲にする事を打ち出して自爆したわけです。
解決する為には話し合って、金払ってぐらいしか取りえる手段はない。それでもかえってくるかどうかはわかりませんが、少なくとも返してもらうという事一点にしぼって優先順位をつけるのならそれしか方法がない。それは生きていればの話ですが。
小沢にも自民党時代にこの問題を無視して来た責任がある。それどころか北朝鮮利権の黒い噂もあるわけで、だから彼も重い罪を背負っていると言える。この問題に関しては彼はクロだと言える。ずっと蓋をして来た。だけど自民党もその責任はある。ずっと無視して来たのは一緒です。この問題を前に進展させたのは悔しいけれど小泉だけです。安倍のアホがこれを政治利用して、カードをとっとと全て使い果たし動けなくなって自爆して以降、話は完全に暗礁に乗り上げている。
しかし安倍は素朴に旧自民党的つまり小沢的腐敗、そしてバカ左翼的腐敗に対して(小泉は旧経世会憎しの個人的ルサンチマンだと思いますが)、腹を立てていたのだろうと思う。頭は悪いし政治家としての器量もゼロだけど、そのへんは素朴な人だったと思う。自分の保身の為に国売りをして、そのプレッシャーによって下痢ピーになって総理を辞めちゃった。
ただ何しろ頭が悪くて、彼の知恵袋がバカばっかりだった。それが致命的。そういう意味で安倍にも小泉にも責任はあるけれど、小沢、要するに金丸の流れを汲む旧自民党的利権システムは完全に有罪だと言える。だからそのケツはキチンと拭く責任が小沢にはあるはずです。
もちろんこの問題を煽ったバカマスコミの責任も重い。拉致解決の為に必要な手順を誤るように、国民を煽って政治家を追い詰めた。そして一番罪が重いのはバカ左翼、コイツらは死刑に値する。ずっと北朝鮮を擁護して来た。にもかかわらず、金で解決けしからん?ふざけんなって話です。戦争反対、話し合いで解決、断固抗議して行く、こういうバカな事を言っている連中が、解決を阻んでいる。
汚かろうが何だろうが武力を否定するのなら、政治的に決着をつけるには効果的な方法は他に無い。そういう腹黒いやり方は小沢の独壇場でしょう。何が何でも解決させるという事を優先させるのならこの際やむを得ない。自分もずっとそう書いて来た。テロに屈するわけにはいかないというのなら、拉致の問題は解決出来ない事を前提にした方がいい。全国民と拉致の犠牲者どちらを優先させるのかと言えば、これは政治的決定としては絶対に前者にしないわけにはいかない。納得がいかなくともそれが政治というものです。この問題に対して吹き上がっている連中を見ていると、どうも解決したくないのか?と思わざるを得ない。こんな事で野党バッシングが始まるとしたら、お先真っ暗です。





って昨日の時点でメモっておいたら、なんと本日、小沢の秘書がパクられた。小沢は元々黒い噂の絶えない人だったし、ハッキリ言ってそういう事があってもおかしくないという事を、このブログで何度か書いて来ました。なので彼が違法な献金を受けているとしても何ら不思議じゃないし、公正さという意味で言えば、やっているのならしょうがないと思う。だけど、この恣意性はモヤモヤとしたものを感じる。

おそらく悪いものは悪いんだ!!って吹き上がりたいおバカさん達は一斉に民主批判をはじめて、民主党もバラバラになるかもしれないし、与党はこれで安泰になり、役人はやりたい放題、景気は益々どん底に落ち込み、税金だけはふんだくられ、この国が沈没して行く方向性確定って感じになるかもしれません。今の与党のやり方では絶対に未来はない。

かつて田中角栄なんかもアメリカの意志に楯突いて袋叩きにされて失墜しましたが、その懐刀であった小沢が同じ轍を踏むとは、それに金丸問題と関連のあった西松建設で引っかかると言うのも、呑気なんだかバカなんだか、何とも奇妙な運命を感じます。

こんな男に期待しなきゃならなかった日本の政界も悲しいものがあります。が、現時点でもっとも可能性のある経路が、民主党が政権を数年間担当して、自民党のバカが一掃されてまともな自民党となり、今度は民主党のバカっぷりをクソミソに叩いて、再び政権交代、その事に懲りて、民主党も心を入れ替えて・・・・・・このサイクルを回さないと、役人と政治家の癒着も切れない。

献金話なんてのはハッキリいえばどうでもいい類いの下らない話です。212兆の特会の可視化を考えれば、たかが2000万ぽっちの金で、正義を叫んで国が沈没して行くのかと思うと具合が悪くなる。小沢が悪党だろうと何だろうと、いったん自民党と官僚の癒着をぶった切らないとどうにもならない状況だったわけで、毒をもって毒を制すじゃないけれど、民主党には寝技を駆使してでも政権を奪う力量のある政治家が他にいない。きれい事の官僚ごっこがやりたい坊ちゃんばかり。

野党には期待は出来ないけれど、牽制の意味がなくなると、統治権力の自浄作用は絶対に働かない。それに今回の特捜の捜査によって霞ヶ関の利権へ触れなくなりかねない。政治献金問題で怪しい奴はうようよいる。触ったらどうなるかわかっているな?という牽制になってしまいかねない。官僚の手先となって利権に邁進する政治屋共のやりたい放題を懸念します。

これで自民の人気が復活して、野党もバカ左翼みたいなお花畑野郎がきれい事を叫んで人気主義に走るようになると、最低10年は復活の見込みはありません。そうこうしているうちに団塊の年齢が後期高齢者の年齢に達し、高コスト構造はそのまま、地獄が待っている。目の前の囮に引っかかるなよと、本当に叫びたい次第です。

社民党なんかが何を勘違いしているのか調子こいて騒いでいますが、前回の参院選でも別に社民党が支持されたわけではない。むしろボロクソに負けているわけで、与党が支持されてない!!とか叫ぶ前にお前らはもっと支持されてねえんだよって話です。旧社会党的なものは建前論ばかりというのは、それそのものが与党の利権システムに組み込まれている。こういうバカが感情的に吹き上がる事によってバカマスコミが情緒的に騒ぎ国民を煽り、結果的に利権システムは温存される。

今書いている最中の中断しているエントリーも、役人の権益護持、旧来の自民党的な価値感から脱却出来ないクソ野郎共と、お花畑の純粋まっすぐバカをお掃除する為に書いていたのですが、検察が霞ヶ関の利権護持の為に圧倒的な力を使って恣意的に介入する。今の日本の不況の口火を切ったのも特捜の介入から始まりました。これでこの先の復活の経路も全て水泡に帰したという感じです。

小沢は旧自民党的体質を抱えた人間でしたが政権交代の道具としては、民主党の中では彼に勝る適任者はいない。逆に言えば政権交代したらお払い箱で、後は民主党の若造共に任せておけば役人の既得権への切り込みだけは何とかなるんじゃないかと見積もっていたわけですが、ここまで官僚の逆襲があからさまになってくると、民主党の若造共だけでは手に負えないし、そもそも政権交代も危うくなりかねない。

ただ国民が冷静であってくれて、何が問題なのかを見失わなければ希望はかろうじて残っている。その事を願うばかりです。まあ可能性は限りなく乏しいと言わざるを得ませんが。

政治家の感情的動員には裏があるという事を皆さん心に留め置きましょう。次回から真面目に続きを書きますが、今日はこれからの先行きに暗澹たる気持ちになってしまいました。ちくしょーヤケ酒だ!!酒もってこい!!!飲めないけど。
前回の続きですと言いたい所なんですが、またしてもxtc4241様への反論ですので、興味のない方はスルーでお願いします。

ふぅーっ 






別に貴方に向かってバカ扱いしたつもりはありませんよ。鳩山を正義の味方に祭り上げるのは勘弁してくれって話を言っている。いちいちつまんない所で、バカって言うな!!みたいに吹き上がるバカに向かってフックを使って書いてるんですよ。特定の誰かを攻撃しようと思って書いているわけじゃない。そのフックに引っかかっているのは貴方ですよ。

そもそも自分が貴方のブログのコメント欄に書いたわけじゃないですよね。それなら批判されてもしょうがないと思いますよ。いきなり人のブログに入って行って、バカ扱いするとか、それならお怒りもごもっともですが、そういう事はしていない。

貴方が最初にコメントして来たんですよね。コメントしておいて長過ぎて全てに保険をかけているとか、竹中みたいだとか、文章も読まず文脈も参照せず、読解力のない事を人のせいにして、勝手に一部分に食いついて、妄想をぶつけている。

保険がかかっていて反論出来ないですか?いくらでも突っ込みどころはあると思いますよ。全てに保険なんてかかっちゃいない。物事を単純化したくないのです。単純化は悲劇を生む。

全てに保険をかけるというのは何も言わない事と同じです。自分はハッキリ動員と不正の取り締まりをわけて考えたほうがいいのではないかと言っている。貴方のはそういった事への反論ではない。何々と言った!バカって言った!みたいな反論ばかりです。

貴方は不正があったかなかったかの問題を言っているようですが、自分はその事はどうでもいいといっちゃあれですが、その問題を言っているのではない。それを政治利用している事に対して危惧している。最初からそれしか言っていない。

推定無罪原則や罪刑法定主義を、元法務大臣であった鳩山が無視する可能性の方が大きな問題だと考えると言っている。だから冷静に見ていた方がいいのではないかと言っている。その事に不正があるはずだと突っかかって来たのは貴方ですよ。不正があるのかないのかはわかりませんよ自分には。怪しいとは思うけれど、証拠を持っているわけじゃないですから。ただ動員はしているように見えるので冷静になったら?と言っているのです。わかりませんか?

政治家の動員としては支持出来ないけれど、不正を解明するという事自体は否定しないと言っているじゃないですか。勝手にやってくれと思ってますよ。ただ人々の感情を煽る動員は勘弁してくれと言っている。貴方はその事に何も答えちゃいないじゃないですか。なぜそれを分離しちゃいけないのですか?なぜ動員が必要なんでしょうか?鳩山を支持出来る根拠は何でしょう?支持出来る支持出来ると言われても、根拠がわかりません。不正の有無の問題と政治家の動員としての利用は別の話です。

鳩山を指して「大いに追求している人を支持している」という時点でズレています。本当に大いに追求してんのかよって話を自分は言っている。解き明かすと叫んでいるのを知っているだけで、解き明かそうと本気でしているとは思えない。解き明かしてから支持すりゃいいんじゃないのと言っている。

鳩山が自民党から外に出るとか、野党が追求するって言うのなら多少期待も出来ますが、本当に解き明かそうとしているのか?全て引っ括るわけないだろうと疑っているのです。自民がそんな事やったためしは無いじゃないですか。やったらよくやったと褒めますよ。やるやる詐欺じゃありませんが、やるぞやるぞと騒いでいる動員には加担するのがバカバカしいと言っているのです。

国会の審議によって明らかになった、とおっしゃいますが、それは不正が間違いなくあったという話ではなくて、怪しいニオイがプンプンするという話でしかないはずです。そこの所を理解出来ませんか?本当に問題があるか、怪しく見えるかというのは違う問題です。法的に裁くというのは簡単な話じゃないんですよ。心証が99%真っ黒でも、証拠が僅かでも不十分であるとか、デュープロセスにほんの僅かでも問題があったりすれば無罪になる。これは近代裁判の鉄則です。

推定無罪原則というのは立つか立たないかという前提ではない。必ず立たなきゃならない前提です。その前提がおかしいという貴方のロジックが狂っている。貴方がそれを理解したくないのも理解出来ないのも貴方の自由ですからお好きになさって結構ですが、貴方が理解しようとしまいと、納得いこうがいくまいが、これは常識です。それが近代社会なのです。鳩山がとっとと証拠を見せればそれで片がつくのです。そしたら褒めればいいじゃないかと言っている。

まあ日本の場合推定無罪原則もクソもないし、デュープロセスもクソもない裁判ばっかりですが、だからって無理矢理有罪にしろというのは支持出来ない。それを認めるという事の意味がわかりませんか?不正があったのならルールに基づいて、適正手続きにのっとって裁けばいいのです。その事を否定しているわけじゃない。

それに国会でどうどうと不正行為をやっているとロジック的に認める事など日常茶飯事ですよ。でも殆どそれが是正されるなんて事が無い。それによってブタ箱行きも殆どありえない。本当に取り締まる気があるの?霞ヶ関の利権巻き返しが隠れてんじゃないだろうな?と疑っているのですよ。反論するのならこの疑いを晴らして下さいよ。もしくはたとえそうだとしても動員は必要だという合理的説明をして下さい。あとプライオリティとして動員の有効性を説明するとか。それが反論というものです。

郵政が今まで繰り返して来たあの手の不正もそうだし、そもそもかんぽの宿そのものについても、全部自民党政権下で起こって来た事。郵政民営化も今のバックフラッシュも、全部自民の自作自演です。目先の囮に引っかかる事を危惧しているのですよ。鳩山が心を入れ替えて、自民党的支配に嫌気がさし、公正な状態を目指しているという風には信じられないよと言っているのです。

今霞ヶ関は法律違反を犯してまで堂々と利権回復に動いています。大蔵省も以前の形を取り戻し、今の政権でもっとも力のある人間によって束ねられている。総務省のそういった力学が働いているのではないのか?という事を言っているのです。現にジリ貧大手マスメディアへの下請け規制の網をかけて、マスメディアも手痛い打撃を食らっている。自業自得なのでみんなしょうがないと思うでしょうし、自分もそう思いますが、今はマスメディアが益々官報と化す事への危惧の方が切実な気がします。そういった水面下のパワーゲームも見て行かないと、木を見て森を見ずになってしまいます。

もちろん森を見て木を気にせずというのも問題だろうと思いますので、だから否定していないわけです。やるのは勝手にやればいい。ただ、単に目の前で繰り広げられている囮に引っかかってパワーゲーム利権争奪戦に加担するのはアホらしいと言っているのです。




それからついでなので、どのような反論が来ても保険をかけていると言いますけれど、それは貴方がそう読めるという話でしかないわけで、反論なんていくらでも出来る。

どうせ反論するのなら例えば、



動員を使うなというけれど、政治っつうのは動員なんだよ。ポピュリズムのヘゲモニー競争、動員合戦なのだから、頭数を取らないと何も動かない。その為には動員でもロビイングでも時にはウソをついてでも何でもやる必要があり、きれい事では政治は動かない。政治というのは帰結主義的擁護。プロセスが何だろうが結果が全て。動員装置として利用する事そのものを否定したら政治が動かなくなる。それに対する結果をけなすのはいいけれど、プロセスの段階で否定してしまえば、政治にダイナミズムが消える。ニヒリズムが蔓延すれば政治に希望が失われる。動員されて右往左往する一定数の愚か者が存在するからこそ、悲劇も生まれるが変革も生み出す可能性を内包している。とか、


お前の動員の否定は、所詮与党の動員の否定でしかないじゃないか。野党の動員は支持するのだろう。政局に利用するなというのも与党だから否定しているだけで、野党の政局は政権交代実現の為という名目で支持するじゃないか。毒をもって毒を制すという事が危険であるというのなら、等しく野党の動員も危険だと言わないとフェアではない。お前の言論も所詮政治なんだよ。政治の枠の外から冷静になれというのも、政権交代の為の政治じゃないか、政治利用をするななど、政治を利用している人間の言う事ではない。とか・・・・・・

もしくは、

たとえ動員であったとしてもいったん政治家が政治利用して問題が表面化した以上、ここで動員だから危険だなんて言っていたら逃げられてしまう。鳩山は怪しいし信用出来ないという気持ちはわかるけれど、話が表面化した以上、キチンと取り締まれとプレッシャーをかけて行く必要があり、その為に動員されるという事が逆に政治家を縛る事になる。キチンと調べなければ不人気になるわけだから、悪い話ではない。忘却癖と目くらましに引っかからないような冷静さは必要だが、表面化した以上進む道は一つしかないのだ。とか・・・・・・

と言ったような反論だって出来るじゃないですか。いくらでも出来まっせ。全てに保険なんてかけられない。何を選択して何を優先するのかという事が常にあるわけです。だから自分の発言が時には右、時には左、と言ったように矛盾しているという風に言われると、その事は十分承知しているので何も言い返す言葉はございません。が、その場面でのプライオリティの問題を言っているのです。自分は右だから常に答えはこうとか、自分は左なのでこの問題は絶対こうあるべしというのでは、矛盾はないかもしれませんが思考停止に陥ります。

だから矛盾を引き受けて、プライオリティを常に言っている。読んじゃいないかもしれませんが、鳩山が不人気で血祭りに上げられていれば擁護すると書いたのもそれが理由です。バランスを重視したいと思っているのです。その事がどっち付かずに見えるのかもしれませんが、自分は常に強者の側にはつきたくないと思っているのです。まして国家のケツ舐めはゴメン被りたい。別に自分が支持しなくたって、強い方は強いんだから。

郵政と鳩山の場合、どっちが強者でどっちが弱者なんだかもよくわからない。だから積極的にどちらも支持するつもりはありません。

ただこの場合は自分には鳩山の動員の問題は危険な気がする。だから不正を正せというのはいいけれど、あの男を信用するなよという、貴方の好きなクリント・イーストウッドの立場を言っている。政治家を信用するな。国家を信用するなと。それは即ち郵政を放置しろという意味でない事ぐらいはわかりますよね。

それに対して貴方が何を思おうと自由だし、何かを反論する事さえも実は自由であるとは言える。だけどどうせ反論するのなら、自分のプライオリティのつけ方の順番がおかしいという事を、論理的に言って下さいよ。怪しい証拠があるので明らかにするべきだというのは自分もそう思うと言っているじゃないですか。だけどその事も大切かもしれないけれど鳩山の動員の方が気になると言っているのです。鳩山の動員はこの際しょうがないという事を言ってくれれば討議が成り立つ。

貴方の反論は、郵政は怪しい、バカって言うな、鳩山は信頼出来る、これでは議論になりませんよ。怪しいのはわかっているし、別に貴方をバカ呼ばわりしているつもりはない、貴方が人の文章も読まず理解する事も無く、竹中みたいだとか、神のまなざしだとか、最初に書いて来たんじゃないですか。まあ何を言われても別に気にしませんのでいいのですが。政治家の動員に懲りずに正義の味方扱いしている連中に冷や水を浴びせかけるつもりで書いている。それで少し冷静になってほしいと思って書いているのです。別にムカつかれても構いませんが、情緒的拭き上がりは勘弁してくれと言っている。情緒的公正さというのは常に落とし穴があるという事を心配しているのです。

自分の文章に引っかかるという事は情緒的に吹き上がっているという事を自ら言っているようなものです。悪いものは悪いんだ!!というお気持ちはわかりますが、それだけでは公正さというのは生まれない。それどころか公正を目指したつもりが公正さを掘り崩し不合理をまき散らして結果的に最悪の状況に陥るという事がある。その事を危惧しておるのです。

貴方が鳩山を信用するのは自由ですよ。でも人のブログのコメント欄で議論を吹っかけるのなら鳩山を信用出来ないと自分は言ってるんですから、彼の動員は不公正を正す為であるという事を説得的に反論して下さいよ。出来なければ、信用出来ない人がいるのは自由じゃないですか。

鳩山のやっている事を支持するにしても、相対化してハナっから信用などせず、プラグマティックに利用するというのなら、十分理解出来ますし、共感出来る部分もある。しかし情緒的に吹き上がって正義の味方扱いするのは勘弁してくれと言いたいのです。この差は決定的な違いです。

貴方の主張は貴方のブログで好きなだけやって下さい。コメント欄での反論は大いに受け付けますが、反論になっていないのは勘弁して下さい。それでも理解したくないか、理解出来ないのであれば、いろんな意見があるという事をせめて尊重して下さいよ。自分の主張が間違っているという反論なら受け付けますが、貴方の正しさを主張する場じゃありませんので、その事は最低限わきまえましょう。

いきなり過激なタイトルで、読む気が失せたそこの貴方!!読む気が失せるのはなぜでしょう?今日はそのへんの問題を切って行こうと思いますがその前に・・・・・

本日は先ず本題の前にちょっと触れておきたい事があります。小沢発言について与党が食いついています。全くバカの一つ覚え的な安全保障からの切り崩し、アメリカの奴隷どもの考えそうな事です。憲法改正が必要だとか言っている学者までいる。頭が悪すぎて論外です。そんな事を言ったら、自衛隊を持った瞬間に憲法改正するのがスジであり、今更何をほざくかって話です。

野党の安全保障政策は確かに問題があるのは事実ですが、事この発言に関して言えば全くのお門違い。この批判をしている連中は全て売国奴だと自ら名乗り出ているようなものです。こういう売国奴連鎖がこの国を腐らせている。

日本の安全保障は現時点でもアメリカの力なんてこれっぽっちも借りちゃいないし、アメリカも日本の事を守るなんて約束はしちゃいない。自衛隊が一義的に責任を負うという事をとっくの昔に合意している。それは自民党がやった事です。日本国内にいるアメリカの軍隊は日本を守る為にいるのではない。日本に守って貰えるから安全だから日本に駐留している。日本は弱い、軍備が無いという事にしておけばいくらでもアメリカに貢ぐ事が出来て、その構造で利権を回して来た連中がいっぱいいる。小沢批判をしているバカはそれを護持しているにすぎない。防衛利権の話を要するにしている。

こういうお門違いの批判の尻馬にバカメディアまで便乗している。安全保障をアメリカに守って貰うのが当たり前という感覚が先ずどうかしているという事をわきにおいたとしても、実際に日本の問題は日本の自衛隊が一義的に責任を負うという事をすでに取り決めてあるにもかかわらず、アメリカに貢がないと安全保障が守れないとか言っているのは全くのお門違い、現状ですでに独力で守っているし、その事を自民党だって自分達で国民に隠れてコソコソと決めたわけだから、わかっているはず。その事を小沢は言っているだけの話であり別に何の問題も無い。

つくづく自民党というのは売国奴政党です。こんな奴らが愛国心とか言っているわけだから笑い話でしかない。本当に右を自称する人間なら、こういう売国奴共を真っ先に批判するべし。右翼でもない自分のような人間から見ても、どう見ても国売りをしている。安倍晋三のようなバカがまた調子こいてほざいていますが、つくづく頭カラッポのパッパラパーです。こんなゴミを右だと思って支持しているおバカさん達は、もう少し右の思想を学んだ方がいい。本物の右翼に失礼です。

そして左の人間もこの発言によって日本の軍国化的な頭の悪い結びつけをするのはいい加減にした方がいい。現時点ですでに持っている軍備を追認すれば、あるものをあると認めるだけで、アメリカへの依存体質から脱却出来ると言っているに過ぎない。イコール戦争、イコール改憲という頭の悪いロジックをしているからいつまでたっても前に進めない。そういうお花畑野郎の存在がすでにアメリカにとっても、防衛利権を貪っている売国奴共にとっても、有効なツールになっている事に気付くべし。アメリカ依存から脱却出来ない元凶はそこにもある。だからアメリカの戦争のお手伝いをさせられる。

アメリカとの同盟関係を重視するという事と、この問題は全く別枠の話であり、同じ問題として扱おうとしている連中は、単にバカか、売国奴のいずれか。政権が不人気になると必ず北朝鮮が元気になっていると騒ぎだして、不安を煽り人気を得ようとバカな政治家達が暗躍しますが、そういう事を政治に使うなって話です。

以前この問題を詳しく書いたネタがありますので、興味があればそちらで。

http://ameblo.jp/system45/entry-10116207179.html

オバマとの首脳会談に成果ありとしておきたい、自民のアホ共と談合メディアのゴキブリ共に煽られて、日米関係に傷がとか騒ぐのは下らない。だいたいなんでオバマに呼ばれたのかと言えば、レイムダック化した自民党政権は政権交代がほぼ間違いない。だからその前に日本政府と約束を取り付けておこうという戦略です。

売国奴麻生が、自らの延命の為に余計な約束をしていない事を祈るばかりです。政権交代後に小沢に約束が違うと突っ込めるように、今のうちに不人気な自民党政権そしてバカ麻生をおだてて、有利な条件を引き出そうという事です。こんなものを礼賛してどうすんだよって話です。だから小沢はそれに釘を刺そうとしている。あんな不人気な総理大臣を呼ぶ理由なんて他にあるわけが無い。

野党の安全保障には確かに自分も言いたい事が山ほどあります。だけどこの問題は安全保障の問題とは関係ない。防衛利権の問題です。安全保障の問題にズラして野党を叩こうとする戦略です。売国奴連鎖は勘弁して頂戴って感じです。



さてさて前々回のエントリーで反論をいただき、前回のエントリーでそれに答えたわけなんですが、その反論の中には、郵政民営化は実は郵政利権化だったのではないのか?構造改革という美辞麗句の裏側は実は利権化にあったのではないのか?そのおこぼれでおいしい思いをしている連中と、普通の暮らしをしている人々の間に格差が生まれているのではないのか?

そんなような感じの反論があったわけです。この普通の人々と悪辣な特権階級図式というのも古くさい階級史観的なものが見え隠れしますが、実際に一般的な人々の間にも、何となく構造改革とか、新自由主義という言葉を聞くと、ネガティブな反応をしてしまう人が増えているような気がします。格差拡大とか、派遣切り捨てとか、そういったキーワードも連鎖しているような気がする。

小泉というのは、自衛隊はイラクに無原則無規範で出しちゃうし、靖国の政治利用はするし、構造改革と言ってもたいした事はやってないし、郵政民営化なんて話は別にたいした話じゃなかったし、道路公団民営化も骨抜きだったし、そもそも新自由主義とは言えないし、要は旧経世会潰しの自民党内での政局に国民が踊らされていただけだしと、文句を付けようと思えばいくらでもつけられるのは確かなんですが、構造改革や新自由主義、それから市場原理主義と忌み嫌う方向性自体が間違っているわけではない。彼のやり方に問題があったという事にしか過ぎないはずなのに、批判の仕方が相当お門違いであるように見えます。

これはハッキリ言ってもの凄く危険な状態です。格差の問題を語るのなら、むしろその普通の人々というのが何を指しているのかが共有出来なくなっているという所に格差の本質があるわけで、昔のような強者弱者図式では切れない社会状況に変化しているという事を見落としている。

にもかかわらず派遣村の方々しかり、格差を騒ぐ人々しかり、旧社会党的な古くさい図式で物事を単純化しようとしている。前置きで書いた防衛利権の構図も弊害が出ている所の一つです。そういう民意に反応した政治家達が今の与党の連中にしろ、野党は尚更、とんでもない方向へと目指しそうな予感が・・・・・・

今日はそのへんを少し切って行こうと思います。いざ!!

まず構造改革とか、小泉改革的なものに対するネガティブな印象である利権化というキーワードですが、これは以前から言っている事なんですが、利権の形が変わったのであり、それは小泉以前の80年代後半からすでに始まっている事後チェック型の変化の事を錯覚している所も結構あると思う。

確かに利権化して甘い汁を吸っている輩がいるように自分にも見えますけれど、元々事前チェック型の護送船団方式の時代の利権や腐敗というのはそれこそ比較にならないくらいのどうしようもなさだったわけで、そこから利権システムが変わったわけです。

裁量や恣意性を出来るだけ排除して、官庁の事前チェックによるお目こぼしや接待、なあなあの癒着体質を改善し、ルール主義へと変更してあらかじめ決めてあるルールに違反しているかどうかを事後チェックによって一罰百戒で取り締まる。この事自体は役人から権益を引きはがして、公正さを目指すという意味では、グローバル化対応の観点から見ても、バブル崩壊後の行政のスリム化からの観点から見ても、なんら不自然な事でも何でも無い。

要するに旧経世会的腐敗談合の図式では日本が沈没するのは間違いなしでしたから、必要な措置でもあった。それが全然足りないという話ならわかる。それだって恣意的じゃないかという批判も十分わかる。だけどそれは事前チェック型に戻ればいいという話ではないはずなのに、相当役人や古い政治家達に巻き返されている感がある。そして日本での左の政党というのはバカばっかりなので、何が問題なのかすら認識出来ていないような所がある。

これはちょっと表向きの景気が回復しているので調子に乗ってやっていたというのもあるのでしょう。しかしサブプライム以前から、その事によってこの国の景気は陰りを見せていた。放置しておけばまた失われた10年が続いて行くというパターンに戻る事がほぼ確実な雰囲気になっていた。不安を煽り、行政が恣意的に介入し、事前チェック型の権益を取り戻す。

小泉政権末期から安倍政権でぼちぼち見え始め、福田政権で決定的となり、サブプライムの危機を利用して、麻生政権ではそれが堂々となされるようになっている。例えば財金分離を無視するのなんて典型的な話です。今は与謝野が三つ兼任してますが、完全に旧大蔵省の復活です。本当はそれこそが最大の問題であるはずなのに、どこかに消えちゃった。それは小泉改革がインチキだったかどうかとは別の話として、改革自体が悪だったわけじゃない。それをやらないと先は無い。

逃げ切れる世代はそれでいいかもしれないけれど、その人達を守る為に日本人全員、そして未来の日本人まで地獄に落とすわけにはいかない。しかし選挙の動員となると老人とか逃げ切り世代の動員が圧倒的に強い。だからそのへんの連中がもう少しパブリックコントリビューティブにならないと、どうにもならない。自分達が逃げ切れればそれでいいのか?それは孤独で誰にも尊敬されず、ただ生き延びればそれでいいのか?日本の歴史上もっとも恥知らずな世代として語り継がれる事を引き受けるのか?その事を考える必要があるでしょう。

利権と言うとネガティブなイメージが付きまとう言葉ですが、利権を目指すという事自体に問題があるというよりも、利権化する事によって、例えば国民生活とバッティングしてしまう、要するに国民に不利益を生じさせるような利権であるのがマズいわけで、それぞれのプレーヤーが自分の利益の最大化を求めている事自体に問題があるわけではありません。利権自体が悪なわけではない。それが固定化したり、他に不利益をまき散らしている状況が問題なわけです。

事前チェック型社会であった頃はこれが全く可視化出来なかった。腐敗堕落に塗れていたわけです。しかしそれが事後チェック型に変化する事によって、腐敗堕落しているとしても可視化出来るように少しずつ変わって来た。その可視化に狼狽えている所があるのではなかろうかと思う。

その狼狽を逆手に取って逆行したい人々、利権を好きなようにやりたい放題にしたい人達、要するにステークホルダーが今の事後チェック型社会を批判していたりするので、相当気をつけないとマズい。ヘタしたら、素朴に構造改革けしからん格差拡大、弱者斬り捨てと言っている人と、旧来のステークホルダーが同じ事を言ってしまっている。不正をはたらいている人の問題と制度の問題を混同すると罠に陥りますので注意が必要です。

市場原理主義という言い方も嫌いなんですが、これもネガティブな言い方の典型的な言葉として使われています。事前チェック型の裁量行政というのは腐敗堕落が多すぎる。マーケットに任せてしまえば不正が見えやすくなるわけで、もちろんそれをブーストさせて金儲けや搾取があまりにも酷い場合はある程度制度をいじる必要はあると思いますが、役人の裁量に任せるよりはマシなはずだしコストもかからない。

市場原理主義的な言い方に乗っかって批判している人達は誰の意志によってコントロールされているのか考えた方がいい。ズルをする奴が可視化出来るので不安はわかりますが、役人の裁量に任せていてもズルをする奴をゼロに出来るわけではない。ただ可視化出来なくなるという話でしかないわけで、見えないよりは見えた方がマシです。

小泉改革のネガティブなキーワードの一つとして、格差拡大という言い方があります。派遣法の改正に見られるような、優勝劣敗弱肉強食のイメージです。しかしこれも相当イメージが先行しすぎているような気がする。先ず99年に現在の派遣法への口火となる改革が行なわれている。これ小泉とは関係ない。そして04年に更なる改正が行なわれるわけですが、これも勘違いしている人が多いので一応正しておきますが、失業率は減っています。だからむしろ格差を縮小していると言うのが事実であって、格差拡大はしていません。

もしそこで派遣法を改正していないとすれば、労働力を外国に求めて、失業者は増えていたでしょう。そしたらもっと格差は拡大している。これは小泉改革が問題なのではなくて、グローバル化によって、世界の構造が変わってしまった事による帰結です。対応出来なければ置いてけぼりを食うだけですので、しょうがない部分もあった。他に方法も無い。事後チェック型の変化も早い話がグローバル化対応です。

今回の派遣切りの顛末も一番誰が悪いのかということを言うのなら、サブプライムという認識が一般的だと思いますが、明らかに便乗切りしている企業がいっぱいあると思う。これは共産党が悪いわけです。3年経ったら正社員化するという、こういう自動的に何でもかんでも横一列の平等意識の悪弊、人は一人一人能力も個性も違うのに、自動的にある期間を通過したら、エスカレーター式に社員になるだけの能力が必ず培われるというわけでもないのに、弱者救済的な下らない制度をつくり、これの抜け穴を許さなかった。

その期限が丁度来たわけです。ラインや所属を変えれば延長出来るとか、抜け穴をつくっておけばここまで派遣切りが連鎖する事も無かった。理想としては延々と派遣に留め置かれるという図式は理不尽だとは思いますが、仕事が無くなっちゃえばもっと理不尽なわけで、ただきれい事に吹き上がって制度をつくると失敗するという事の典型です。延々と派遣に留め置かれる原因のすべてを、旧来のバカ左翼図式的な労働者階級と資本家達という単純な善悪二元論で切る事の出来ない時代になっているという事が見えていない。小林多喜二が若者に人気を集めているそうですが、そこには出口は無い。

なぜ共産主義国家がどんどんダメになったのか?なぜ左の思想が通用しなくなったのか?その事の本質がわかっていない。グローバル化にただ単に反対するだけではどうにもならない。いかにしてグローバル化を受け入れながらも、社会を回すのかという発想が必要であり、それにあわせてリベラル思想も変わっている。日本の左はそういう所が殆ど見られない。絶望的です。

問題はいくら真面目に働いても出口が無い状態に留め置かれてしまうということであって、全員平等に救済すればどうにかなる話ではない。それではモチベーションも生まれない。日本がなぜ事後チェック型に変化したのかと言えば、事前チェック型では対応出来なくなったからであり、どこそこの陰謀みたいな話はちょっとわきにおいて考えないと話が前に進まない。その変化をバブルが崩壊してから20年が経とうとしているのにまだ変化出来ない事が出口のなさの最大の原因です。

事前チェック型の社会というのはバブル崩壊の時点ですでに終わっている。グローバル化がどんどん進んでいる現在、一刻も早くそこに対応出来る構造に変化させないとみんなジリ貧です。この事が問題の根底にあるという事を見失っては、失われた30年になる事は間違いない。この変化がまだ出来ない。これはやるやらないの問題ではなくて、やった上でただ単に弱肉強食優勝劣敗に陥らないようにする事が肝腎です。やらなければそれも出来なくなる。

派遣法の改正にしろ、例えば後期高齢者医療制度にしろ、高コスト構造を是正するという意味では必要不可欠な話であって、それを放置しておけばどうなるのか?真剣に考えないとどうにもならない。フランスなんかがデモ、スト、暴動で何年か前に若者の労働条件を守れ、流動化阻止と大暴れしてどうなったか?若者の失業率はむしろ上がっている。

日本の派遣村に見られるように、フランスの問題にしろ、その行為自体は重要だとは思う。連帯によって承認を得る事が出来ればアノミー化を防ぐ事が出来る。そして政治に勝手にやるんじゃねえよという牽制が出来るわけだから自分もどちらかと言えば肯定したい。だけど救済するにはどうするか?という一点で考えると、流動化を受け入れる以外に選択肢は無い。

グローバル化というのはそういうものです。それは先進国に住む我々に取っては理不尽かもしれませんが、貧しい貧困に喘いでいた人達にチャンスが出来る可能性を開いたという意味では、構造的貧困問題を是正する一つの答えになっていると思う。

もちろんその事によって映画「ダーウィンの悪夢」的地獄が生まれてしまうというのも事実なんですが、だからと言って泥沼の内戦状態や飢饉によって人が死にまくる状態を放置しておけばいいという話にはならないはずで、それをどうにかしようと思えば、現状ではグローバル化を利用するしか無い。その上でグローバル化によって生じる問題を手当して行くしか無い。


ある会社の正社員の一人の給料が仮に1000万貰っている人がいるとする。しかし一方では派遣で年収200万でカツカツで暮らしている非正規社員が同じ会社にいるとする。こういう構造がこの国には現時点であるわけで、じゃあこの非正規の給料を1000万円に出来るか?と言えば出来っこない。給料を上げるにしても、じゃあどこを削ればいいのか?そこに問題の本質がある。1000万円貰う社員がいるのに、200万で留め置かれる非正規がいるという構造を是正するには、一つしか方法は無い。

それは経営者がいっぱい儲けて私腹を肥やしているのが原因か?株主至上主義が原因か?違う。

日本の経営者の給料はむしろ安い。彼らが私利私欲でがめついているわけではない。株主がその会社の株を保有して貰える配当なんてたかがしれている。株を売ったり買ったりして儲けている人はいますけれど、それは同時に損する事もあるわけで、そのせいで格差が生まれているというのは嘘です。配当などのインカムゲインと利ざやで儲けるキャピタルゲインを混同している人が結構いる。高い金払って株を保有している事によって生じる配当なんてのは雀の涙の金額です。高い金払って株主になっているのに何のリターンも無ければそんなもん買う奴はいないでしょう。だから当たり前の話でしかもたいして貰えるわけでもありません。それが労働者を搾取しているなんてのを言っている経営者がいるとすれば、それは経営者の責任を株主に押し付けている。キャピタルゲインというのは別に労働者を搾取していない。株主同士の取引によって生じるもので損したり得したりするわけだから、そのせいであるわけが無い。だから株主至上主義というのも嘘。株主が労働者の賃金をがめているわけじゃない。

問題は1000万貰っている社員の給料をその1000万貰っている社員が分け与えたくないからです。要するに正社員というポジションにいる大多数の人々が流動化を受け入れたくないからに他なりません。転職して食って行ける自信があれば、別に流動化したって恐くない。転職して食って行く自身が無い会社の奴隷達が、そのポジションを守りたいから派遣の人達というのが必要になるわけです。

能力給やクビ切り、そういった流動化を受け入れれば、失業率は下がる。派遣の人達も職を得られるし、給料も能力によっては上がって行くかもしれない。要するに労働者全てを非正規化する必要がある。その為の一里塚が派遣法の改正であり、その時点で止まっているから格差が生まれている。格差の最大の理由はそこです。流動化を押し進めれば再就職の可能性も開けるし、消費も復活するでしょう。

そんなはずは無いと思うそこの正社員の方々!!仮に会社が潰れたらどうなるか想像して下さい。この春、大手の大企業も潰れる所が出てくるかもしれません。自分の守るべき座席を失った時に、同じ事を言えますか?派遣自己責任と言えるでしょうか?転職して食って行く自信のある方、そもそも自営なので関係ない人、もしくはその機会に独立して食って行くぜと思ってらっしゃる方、そういう方々というのは流動化しようがしまいが、何とか出来ると思っているわけですから、ハナっから会社が潰れようがなんだろうがどうにかするでしょう。

しかしどこかの会社に所属している身分で、転職の自信が無い。同じ給料を貰う事は難しそうだと思う方々、そういう人がいっぱいいるはずです。その人達は流動化に反対するという事が何を意味するのか考えた方がいい。仮に自分の会社が潰れてしまった時に同じ事を言えるのか?言えないのであれば流動化を阻止する理由は消えるはずです。そこを打破しないと、高コスト構造は変わらず、日本の景気回復も無い。今逃げ切れたとしても近い将来自分にその刃はかえってくる事になるでしょう。

この事を絶対に政治家どもは言わない。というか言えない。それを言えば袋だたきにあうからです。だけどそれをやらない事には、日本の未来は真っ暗です。

こう言った構造の頂点に君臨するのが既存のマスメディアそのものです。独占によって権益を守っている。そこからこの問題に対する啓蒙なんて絶対に出てくるわけが無い。だから改革悪、格差拡大といった図式で切っているわけで、彼らの目的は彼らの権益を護持する事でしかなくなっている。もはや公器としてのジャーナリズムはとっくの昔に捨て去っている。

そして教育、終身雇用年功序列の就職一括採用スキームで勝ち組になる事を煽って教育すれば金になる。だから教育にも期待出来ない。それどころか最近の若い人達は、昔の社畜みたいになっていて、企業への忠誠を尽くすような教育を受けている。派遣自己責任という教育を受け、そのとっくに終わっているスキームを無理矢理延命させる為のリソースとして利用されている。

今の若い人達が10年後、20年後、今のその年代の連中と同じ金はもらえるわけが無いし、それまでこの構造を是正出来なければ日本は絶望的な状況になるでしょうから、守ってたって意味も無くなる。だけど今逃げ切れる世代が逃げきる為にそういう若者のやる気を搾取している。これに気付かないと明日は無い。 

つづく!!