何となくネタを書く気がしないので、今日も一連の今話題の事件に突っ込んでみようと思います。もう少し落ち着いたら真面目ネタは書きますので。
それではおっぱじめます。
民主党支持者にはいまだに小沢支持の人が多いと思います。そして検察の動きに腹を立てている人も多いと思う。気持ちはわかるけれど、何の為に民主党を支持しているのか?その事を冷静になった上で優先順位を付けた方がいい。勝てなきゃ意味がない。検察の動きは当初自分もやりやがったなこの野郎と思いました。政治資金規正法がザルなのは今に始まった話じゃないのに、なんでいきなり党首を攻撃するのさと。
そして表面上霞ヶ関の逆襲に見えるその影に、霞ヶ関主導の事前チェック型システムにもどって利権を貪ろうという方向性にも釘を刺しているようにも見えると書きました。
ここまでの推移を見ている限り、決して民主党を貶めるためだけに動いているわけではないという事が何となく感じられます。どうも事前チェック型社会に戻ろうとしている方向性に釘を刺す力学の方が強いように感じる。というかそう思ってポジティブに政権交代の為の布石を打てと思う。要するに小沢にはご退場頂き、鳩管も辞めてもらう。執行部もきれいサッパリ刷新して、イメージチェンジするチャンスです。
本当に民主党を潰す気ならば政権交代後にやったでしょう。役人の既得権拡張を一番効率的に実現出来るのはそのタイミングの方がいい。小沢は叩けばいくらでもほこりの出るお人。衆院選で勝った後、首相の疑獄発覚、そして参院選民主党惨敗、今のねじれとは逆のねじれが生じるようでは、本当にあと数年間、最悪10年くらいはこの国は二進も三進もいかなくなる。逃げ切り世代の役人どもの最後の草狩り場として利用出来る。
にもかかわらずこの時期に民主党から先に攻撃して、自民党は曖昧にしか切り込まないという理由、今小沢に切り込んだ理由と言うかメッセージを闇雲にアンチ特捜だけで見ていると話が前に進みません。結果的にどちらの方が得をするのか?見た目で自民の方が被害が少ないからと言ったって、かえってその方が自民に取って不利な条件になる可能性は十分あるわけです。
まして小泉陰謀説みたいな話では、余計こんがらがる。小泉の最後の寂しそうに無視されて引退してく姿を見れば、もはや彼にはそれほどの影響力がない。息子を人質にとられているわけで、それほど滅茶苦茶な事も出来ない。旧経世会への私怨のみで突き進み、それ以外には政策も興味が無い、金でも派閥の力学でもなびかない変人といわれた男でしたが、所詮人の親ということでしょう。やりたい放題に振る舞った人間の末路。人を利用していたわけだから、利用価値が無くなれば自分も捨てられるという事です。
竹中辺りも必死で自分のやって来た事を正当化しようとしておりますが、多くの政界を去った政治家や知恵袋として活躍していた知識人が辿る末路のように、一生自分の正統性を喚き散らし続けるのでしょう。この国では忘却癖があるので、またいつか正統性が生じてしまうという可能性が無いわけじゃありませんが、彼程のネガティブな印象をまき散らしてしまったら、可能性としては極めて少ないでしょう。惨めに俺は正しかったんだと後悔し続ける事となる。権力を握っている時にやればいいのに、後悔先に立たず。そんな奴はうじゃうじゃいる。だからなんとかかんとか陰謀説みたいな話は括弧にくくった方がいい。外資もそれどころじゃないし。ようは陰謀論があろうが無かろうが、そんな事が重要なのではない。やるべき事がある。
自分は今まで不人気な方にだいたい肩入れして来たので、今小泉竹中を叩いている連中というのは信用出来ません。植草教授とか、天木直人とか、そういう彼らに痛い目に合わされたと主張している人達ならまだわかる。しかしそういう尻馬に乗っかって喚いている連中の半分以上、否もっとか?7・8割は小泉改革のときは拳を振り上げて支持していた人達だったはずです。それが見事にひっくり返ったというだけなので、本質的には何も変わらない。同じ事を言っている。どこそこに悪者がいる。それが抵抗勢力という幻影が、小泉竹中改革という幻影に変化しただけ、本質的な理由もなければ、出てくる話はなんとかかんとか陰謀論。勘弁してくれよって話です。みんなで支持していたくせに何を言いやがる。自分の頭で考えろって事です。要するに勝ち馬に乗るバンドワゴン現象。山本七平じゃありませんが、空気支配に流されているだけ、戦前から何一つ変わっちゃいない。そういう連中と共闘なんて絶対にやりたくない。同じにしてもらっちゃ困る。
民主党にとっては今回の出来事は、見ようによっては何となく野党連合のなあなあ政権ではなく、単独過半数を狙って、思いっきり革新を目指す政党へと生まれ変わるチャンスにも見える。民主党の政権交代後の政策というのは、本当に全部実現出来れば多分日本の形は180度変わると言えるくらいの変化です(もちろん一気に全部実現するという事は出来るわけないし、一回くらい政権交代をしたくらいで日本の状況が劇的に変わるという事はないけれど、少なくともその為の最初の一歩という意味ではでかい)。これは我々の民度も重要になる。お任せ政治ではなくて市民性がためされるというか、市民性を成熟させないと回らないのではないか?という方向性です。しかしそれが達成出来れば、随分と日本が変わるかもしれない。これのネックは政権交代が本当に出来るのか?という問題。そして我々がそれに対応出来るのか?という市民性の問題。そしてもう一つが政権交代出来たとして、その改革を本当に民主党が貫徹出来るのかという問題。
自分は政権交代の劇薬として小沢の力は必要不可欠だと書いてまいりましたが、丁度小沢問題が浮上する前に書き出したネタの主旨は、民主党が政権を握っても何となく古い体質を切れないような予感がしたので、新自由主義的な方向性自体に問題があったわけではないという事を書きました。この眼目は民主党で言えば政権交代後、もっとも厄介なのは小沢の抱えている旧来の体質と、独善的な性格(に見られてしまう小沢の人間関係の結びかたのヘタさ)、小沢の事を生理的に毛嫌いする人の多さ、そして旧左翼的な頭の腐った連中であって、そいつらを牽制しないと、結局何も変わらないどころか、厄介な方向に行ってお終いというパターンになりかねないという意味も込めて書いていたわけです。もちろん新自由主義でも何でも無い小泉竹中的なものを否定するのはいいとしても、旧来の自民党的ダーティな再配分は尚更絶対マズい。
そういう風に考えると、今回の特捜の介入はもの凄くクリティカルな意味が込められているような気がする。かつて鈴木宗男事件といったような、というかロッキードからこのかた、特捜の戦いは金権政治との戦いであったと言える。それは即ち旧経世会的腐敗堕落の構造と常に対峙して来た。鈴木宗男事件の際、佐藤優氏は検察からこれは時代の変わり目の事件なんだと言われたそうな。それはこれからの日本は昔のような再配分、しかも腐った再配分は不可能な時代になっている。財政は逼迫し、グローバル化が進み、人口減、高齢化と余分な金をバラまける構造じゃなくなっている。したがってその象徴として、利権政治の象徴的存在であった鈴木宗男という生け贄が必要だったと。
それは旧経世会憎しの小泉純一郎と利害が一致した。だから小泉改革の片棒を担いでいたように見えた。それを引きずってまだそういう事を言っている人がおりますが、小泉竹中的な改革が進むと、今度は市場を使って金儲けが何よりという連中が出てくる。これもそういう社会になってしまえば日本はマズい方向に行きかねない。そのブレーキとしてライブドアや村上ファンドをパクった。
小沢の事件が発覚する前、明らかに民主党は政権交代がかなり実現可能な現実と化していた。だから自分も麻生がどこまで引っ張るかというのが第一の懸念でした。それがそのまま政治空白を作り出しているわけだから、一刻も早く選挙をやってくんないと政治が前に進まず、日本が自民党の権益の為に一歩も前に進めないような停滞を引き起こしてしまう。しかしその次のネックは、やはり政権交代後の劇薬として用いた小沢の力を、どうやって無効化してサブスタンシャルな方向性に進むのかという問題、そして旧左翼的ないつの時代の話をしてんだよというリベラルバカを無効化し、冷戦崩壊以降のリベラリズムの常識をわきまえた人間達の政策が前に出てくるようなスクリーニングが必要だというのが現実的になって来た。だからそんなような話を書こうと思ったわけです。
政権交代を先ずはやらなきゃしょうがないので、小沢の力は必要だし、ここまで民主党を戦える政党へと変えたのは彼の功績だと思う。お友達の政治ごっこ的仲良し集団から、政権を渡してもいいんじゃないか?と国民が思えるようになった。もちろん自民の自爆が半分くらい原因ですが、小沢が党首になっていなければここまでの飛躍は無かったかもしれない。だけど政権交代が現実味を帯びてくると、小沢の旧来の体質や独善的と思われる性格、そういうものが実質的な問題点として出てくるような気がした。旧左翼系のアホを動員に使っているというのも問題だし、再配分的な構造に戻りたい連中も動員に使っちゃっている。だからその部分がこれからの一番の課題だと思っていた。そこに今回の一件が出て来た。
出て来たときは先ず大前提である政権交代が吹っ飛ぶ可能性が何より厄介なので、自分も逆上しましたが、ここまで見ていると、まだ政権交代は可能だし、上手く舵取りをすればそういう政権交代後のネックをお掃除するチャンスでもある。今回の一件は誰の肩を押しているのか?それをポジティブに考えた方がいいような気がする。これは一種の民主党のマネージメント能力を問われているとも言える。今の与党にはそれが全く無い。ゼロです。しかしこれを上手くマネージメント出来れば、民主党にとってはもの凄くプラスにもなるし、今まで変えたくてもどうしても変えられなかった構造、動かそうとしても動かなかった構造を変化させるチャンスでもある。こういうチャンスはそう何度もあるわけではない。今後の日本がどのように生き残って行くのか?という分水嶺でもある。民主党の甘ちゃん達はまだまだ未熟でとてもじゃないけれど信用出来ないという人もいっぱいいるでしょう。そういう人達に対してアピールする為にも千載一遇のチャンスでもある。変な陰謀論でグズグズしているよりは、物事をシンプルに考えプラス思考で突破した方がいい場合もある。それを踏まえれば、小沢を断固支持する事がプラスかどうか?民主党支持者達は冷静になった方がいい。
小沢を麻生にしちゃマズい。とっとと引導を渡してやんなきゃダメです。本当に何を成すのが最善か?という事を考えた方がいい。ここで上手く小沢が辞めれば、政権交代を確実にさせる布石も打てる。このタイミングを誤ると麻生と同じになっちゃう。いつまでもどうせ政権交代後に引退する事を前提にしている小沢に頼っている場合ではない。
今、二階や漆間、森と、与党を攻撃しても民主党の党首が同じ構造を抱えちゃっているわけで、なんだよそれ?って印象は拭えない。益々不人気になって行く。所詮政治家なんてのは与野党含めた談合集団でしかないという諦めがこれ以上芽生えたらこの国はもうお終いです。
だから上手く小沢が辞任する必要がある、これを上手くやれば間違いなく政権交代も可能だし、よりその後のこの国の構造転換の為のスクリーニングにもなる。先ずは自分ばっかり不公平だという事は言わせない。検察の陰謀的な話も言わない。与党の謀略的な話も言っちゃダメ。これらは全部ネガティブにしか作用しない。このまま居座っていたずらに時を稼げば麻生と同じになる。推定有罪報道で益々人心が離れて行く。検事総長の参考人招致なんてのは絶対にやらない方がいい。やるなら小沢が辞めてからでないと、人心が離れるだけで何もいい事は無い。小沢の潔白を証明したり、正しさを証明する事よりも、政治家として勝つ為の布石を打て。
だから先ずは法的な罪を認めて退陣するわけではないという事は言った方がいい。今回の政治資金規正法の適応は従来の基準から考えると、ちょっと無理スジでもある。だからその事を先ず素直に言った方がいい。迂回献金をもらうという事は実は法律違反ではないという事。ダミー団体かどうかが問題なわけだがダミー団体かどうかというのは非常に曖昧で、政治資金規正法というのはそもそもダミー団体から迂回献金をやりやすくする為のザル法であるという事。その事を国民に説明をした上で、しかし法律に従うという事ばかりに目が行き過ぎていて、野党の党首としては透明化をする事が国民にとっての情報の可視化になるわけだから、法律に従い透明化すれば国民を裏切る事にはならないと増長していた。一番肝腎の政治家としての倫理観みたいなものを見失っていたという事を素直に国民に謝った方がいい。金を貰っていたのは事実なわけですから。そういう政治を打破するためという名目で、同じ事をやっているようでは国民の期待を裏切ってしまった。それに全部秘書がやった事という従来の政治家的な逃げもやっぱりよくない。秘書は政治家あっての秘書な訳だし。知らなかろうが、本当に秘書が勝手にやった事だとしてもその責任は政治家個人にもあるという事を認めれば、これはもの凄い今までにないタイプの誠実さをアピールする事が出来る。だから法に反しているかどうかはこれから戦って行くしか無いけれど、少なくとも野党の党首として、国民の期待を裏切った事に対する責任を取りますと、このくらいの事を言って辞任すれば、一気に形勢逆転、政権交代確実になる可能性があると思う。
検察の鼻持ちならないエリーティズムというか余計なお世話のパターナリズムはムカつきますが、彼らは腐っても検察、ここは陰謀論や裏を読む事ばっかりしてないで、素直にシンプルに捉えた方が物事は前に進むような気がする。政治家というのはこういう時に叩かれて使い捨てられる覚悟を持った人間がなるべき役割。そういう人間の潔白を主張する事を最優先にしていてはサブスタンシャルじゃなさ過ぎる。単なる政局の消耗戦と化してしまう。
従来のような利権金権政治はもうもたない時代ですし、かと言って稼ぐが勝ち的な資本主義を思いっきりブーストさせるような方向性もマズい。素直に検察の一連の動きを見れば、そういう所に釘を刺して来たと言えるわけで、今回の小沢への攻撃も、政権交代しても政治資金規正法のような誤摩化しを続ける気じゃないだろうなという釘を刺しているようにも見える。天下りを根絶出来ない原因はそこにあるわけです。政治家への献金と役人の天下りというのは言わばセット。
行き過ぎた事後チェック、もしくは腐敗した事前チェック、その双方の綱引きじゃなくて、もう少しまともな次世代を見据えた構造のシフトをいい加減にやらんかい!!というプレッシャーとポジティブに捉えれば見えない事も無い。もちろん本当はどうかはわかりませんよ。ただ本当は何か?なんて事をグズグズ考えているヒマがあるのなら、検察なんかに突っ込まれないようなまともな国家像を目指した方が実りがある。
事後チェック型の社会に変化したと言っても、今のそれはただ構造を複雑化し、責任を末端に押し付ける、もしくは責任を取らなくて済む構造に変化させただけとも言えるので、そこに無理矢理特捜が介入すると、害をまき散らして辺り一面焼け野原にしないと叩けない構造に変化している。事前チェック型の腐敗堕落を叩いたら、稼ぐが勝ちのやりたい放題へと構造がシフトしてしまい、その行き過ぎに対して、今度はライブドアや村上ファンドへの攻撃が、官製不況の引き金になり、その後のコンプライアンス利権の争奪戦を引き起こしてしまった。事前チェック型で権益を貪りたい連中が跳梁跋扈し、どんどん巻き返されてしまい、今の麻生政権ではサブプライムをいいわけにして堂々とやりたい放題、なんの効果も望めない意味のないバラマキ景気対策と票を買う事を堂々とやっている。定額給付金のような選挙違反とも取れるバラマキを平気の平左でどんどん押し進めてしまう。こういう不毛な綱引きが繰り返されていては、この国はもう持たない。
透明化し情報を極限まで可視化し、市民性を成熟させ、高コスト構造を是正して、まともな意味での事後チェック型の社会に移行しないと、セーフティネットも整備出来るわけないし、役人も信用されない。検察は益々複雑化していく社会に対応出来なくなってくる。しかしまともな事後チェック型に変化させるという事は可視化されるので、悪い事は出来難くなるわけだから、間違いなく特捜の仕事は減る。この相矛盾したジレンマも抱えているのは間違いないとは思います。
だから信用は出来ないというのはわかるけれど、彼らを攻撃しても実際に何が変わるわけでもない。小沢は金を貰っているという事は事実なんだし、今やるべき事がなんであるのかを考えれば、与党の謀略だろうが、役人の権益拡張であろうが、民主党がとるべき戦略は何も変わらない。何が何でも政権交代させなくちゃ物事は始まらない。当の彼らにその意志が弱いのだとしても、彼らを使うしかないという事は民主党支持者であればそこには諦めも混じっているのかもしれませんが誰でもわかっているはずです。小沢の潔白に拳を振り上げるのではなく、民主党が勝つ為に成すべき事に向かって尻をひっぱたいた方がいい。肉を切らせて骨を断て、という事です。
そんな事を思う次第です。本日はこれにて。
それではおっぱじめます。
民主党支持者にはいまだに小沢支持の人が多いと思います。そして検察の動きに腹を立てている人も多いと思う。気持ちはわかるけれど、何の為に民主党を支持しているのか?その事を冷静になった上で優先順位を付けた方がいい。勝てなきゃ意味がない。検察の動きは当初自分もやりやがったなこの野郎と思いました。政治資金規正法がザルなのは今に始まった話じゃないのに、なんでいきなり党首を攻撃するのさと。
そして表面上霞ヶ関の逆襲に見えるその影に、霞ヶ関主導の事前チェック型システムにもどって利権を貪ろうという方向性にも釘を刺しているようにも見えると書きました。
ここまでの推移を見ている限り、決して民主党を貶めるためだけに動いているわけではないという事が何となく感じられます。どうも事前チェック型社会に戻ろうとしている方向性に釘を刺す力学の方が強いように感じる。というかそう思ってポジティブに政権交代の為の布石を打てと思う。要するに小沢にはご退場頂き、鳩管も辞めてもらう。執行部もきれいサッパリ刷新して、イメージチェンジするチャンスです。
本当に民主党を潰す気ならば政権交代後にやったでしょう。役人の既得権拡張を一番効率的に実現出来るのはそのタイミングの方がいい。小沢は叩けばいくらでもほこりの出るお人。衆院選で勝った後、首相の疑獄発覚、そして参院選民主党惨敗、今のねじれとは逆のねじれが生じるようでは、本当にあと数年間、最悪10年くらいはこの国は二進も三進もいかなくなる。逃げ切り世代の役人どもの最後の草狩り場として利用出来る。
にもかかわらずこの時期に民主党から先に攻撃して、自民党は曖昧にしか切り込まないという理由、今小沢に切り込んだ理由と言うかメッセージを闇雲にアンチ特捜だけで見ていると話が前に進みません。結果的にどちらの方が得をするのか?見た目で自民の方が被害が少ないからと言ったって、かえってその方が自民に取って不利な条件になる可能性は十分あるわけです。
まして小泉陰謀説みたいな話では、余計こんがらがる。小泉の最後の寂しそうに無視されて引退してく姿を見れば、もはや彼にはそれほどの影響力がない。息子を人質にとられているわけで、それほど滅茶苦茶な事も出来ない。旧経世会への私怨のみで突き進み、それ以外には政策も興味が無い、金でも派閥の力学でもなびかない変人といわれた男でしたが、所詮人の親ということでしょう。やりたい放題に振る舞った人間の末路。人を利用していたわけだから、利用価値が無くなれば自分も捨てられるという事です。
竹中辺りも必死で自分のやって来た事を正当化しようとしておりますが、多くの政界を去った政治家や知恵袋として活躍していた知識人が辿る末路のように、一生自分の正統性を喚き散らし続けるのでしょう。この国では忘却癖があるので、またいつか正統性が生じてしまうという可能性が無いわけじゃありませんが、彼程のネガティブな印象をまき散らしてしまったら、可能性としては極めて少ないでしょう。惨めに俺は正しかったんだと後悔し続ける事となる。権力を握っている時にやればいいのに、後悔先に立たず。そんな奴はうじゃうじゃいる。だからなんとかかんとか陰謀説みたいな話は括弧にくくった方がいい。外資もそれどころじゃないし。ようは陰謀論があろうが無かろうが、そんな事が重要なのではない。やるべき事がある。
自分は今まで不人気な方にだいたい肩入れして来たので、今小泉竹中を叩いている連中というのは信用出来ません。植草教授とか、天木直人とか、そういう彼らに痛い目に合わされたと主張している人達ならまだわかる。しかしそういう尻馬に乗っかって喚いている連中の半分以上、否もっとか?7・8割は小泉改革のときは拳を振り上げて支持していた人達だったはずです。それが見事にひっくり返ったというだけなので、本質的には何も変わらない。同じ事を言っている。どこそこに悪者がいる。それが抵抗勢力という幻影が、小泉竹中改革という幻影に変化しただけ、本質的な理由もなければ、出てくる話はなんとかかんとか陰謀論。勘弁してくれよって話です。みんなで支持していたくせに何を言いやがる。自分の頭で考えろって事です。要するに勝ち馬に乗るバンドワゴン現象。山本七平じゃありませんが、空気支配に流されているだけ、戦前から何一つ変わっちゃいない。そういう連中と共闘なんて絶対にやりたくない。同じにしてもらっちゃ困る。
民主党にとっては今回の出来事は、見ようによっては何となく野党連合のなあなあ政権ではなく、単独過半数を狙って、思いっきり革新を目指す政党へと生まれ変わるチャンスにも見える。民主党の政権交代後の政策というのは、本当に全部実現出来れば多分日本の形は180度変わると言えるくらいの変化です(もちろん一気に全部実現するという事は出来るわけないし、一回くらい政権交代をしたくらいで日本の状況が劇的に変わるという事はないけれど、少なくともその為の最初の一歩という意味ではでかい)。これは我々の民度も重要になる。お任せ政治ではなくて市民性がためされるというか、市民性を成熟させないと回らないのではないか?という方向性です。しかしそれが達成出来れば、随分と日本が変わるかもしれない。これのネックは政権交代が本当に出来るのか?という問題。そして我々がそれに対応出来るのか?という市民性の問題。そしてもう一つが政権交代出来たとして、その改革を本当に民主党が貫徹出来るのかという問題。
自分は政権交代の劇薬として小沢の力は必要不可欠だと書いてまいりましたが、丁度小沢問題が浮上する前に書き出したネタの主旨は、民主党が政権を握っても何となく古い体質を切れないような予感がしたので、新自由主義的な方向性自体に問題があったわけではないという事を書きました。この眼目は民主党で言えば政権交代後、もっとも厄介なのは小沢の抱えている旧来の体質と、独善的な性格(に見られてしまう小沢の人間関係の結びかたのヘタさ)、小沢の事を生理的に毛嫌いする人の多さ、そして旧左翼的な頭の腐った連中であって、そいつらを牽制しないと、結局何も変わらないどころか、厄介な方向に行ってお終いというパターンになりかねないという意味も込めて書いていたわけです。もちろん新自由主義でも何でも無い小泉竹中的なものを否定するのはいいとしても、旧来の自民党的ダーティな再配分は尚更絶対マズい。
そういう風に考えると、今回の特捜の介入はもの凄くクリティカルな意味が込められているような気がする。かつて鈴木宗男事件といったような、というかロッキードからこのかた、特捜の戦いは金権政治との戦いであったと言える。それは即ち旧経世会的腐敗堕落の構造と常に対峙して来た。鈴木宗男事件の際、佐藤優氏は検察からこれは時代の変わり目の事件なんだと言われたそうな。それはこれからの日本は昔のような再配分、しかも腐った再配分は不可能な時代になっている。財政は逼迫し、グローバル化が進み、人口減、高齢化と余分な金をバラまける構造じゃなくなっている。したがってその象徴として、利権政治の象徴的存在であった鈴木宗男という生け贄が必要だったと。
それは旧経世会憎しの小泉純一郎と利害が一致した。だから小泉改革の片棒を担いでいたように見えた。それを引きずってまだそういう事を言っている人がおりますが、小泉竹中的な改革が進むと、今度は市場を使って金儲けが何よりという連中が出てくる。これもそういう社会になってしまえば日本はマズい方向に行きかねない。そのブレーキとしてライブドアや村上ファンドをパクった。
小沢の事件が発覚する前、明らかに民主党は政権交代がかなり実現可能な現実と化していた。だから自分も麻生がどこまで引っ張るかというのが第一の懸念でした。それがそのまま政治空白を作り出しているわけだから、一刻も早く選挙をやってくんないと政治が前に進まず、日本が自民党の権益の為に一歩も前に進めないような停滞を引き起こしてしまう。しかしその次のネックは、やはり政権交代後の劇薬として用いた小沢の力を、どうやって無効化してサブスタンシャルな方向性に進むのかという問題、そして旧左翼的ないつの時代の話をしてんだよというリベラルバカを無効化し、冷戦崩壊以降のリベラリズムの常識をわきまえた人間達の政策が前に出てくるようなスクリーニングが必要だというのが現実的になって来た。だからそんなような話を書こうと思ったわけです。
政権交代を先ずはやらなきゃしょうがないので、小沢の力は必要だし、ここまで民主党を戦える政党へと変えたのは彼の功績だと思う。お友達の政治ごっこ的仲良し集団から、政権を渡してもいいんじゃないか?と国民が思えるようになった。もちろん自民の自爆が半分くらい原因ですが、小沢が党首になっていなければここまでの飛躍は無かったかもしれない。だけど政権交代が現実味を帯びてくると、小沢の旧来の体質や独善的と思われる性格、そういうものが実質的な問題点として出てくるような気がした。旧左翼系のアホを動員に使っているというのも問題だし、再配分的な構造に戻りたい連中も動員に使っちゃっている。だからその部分がこれからの一番の課題だと思っていた。そこに今回の一件が出て来た。
出て来たときは先ず大前提である政権交代が吹っ飛ぶ可能性が何より厄介なので、自分も逆上しましたが、ここまで見ていると、まだ政権交代は可能だし、上手く舵取りをすればそういう政権交代後のネックをお掃除するチャンスでもある。今回の一件は誰の肩を押しているのか?それをポジティブに考えた方がいいような気がする。これは一種の民主党のマネージメント能力を問われているとも言える。今の与党にはそれが全く無い。ゼロです。しかしこれを上手くマネージメント出来れば、民主党にとってはもの凄くプラスにもなるし、今まで変えたくてもどうしても変えられなかった構造、動かそうとしても動かなかった構造を変化させるチャンスでもある。こういうチャンスはそう何度もあるわけではない。今後の日本がどのように生き残って行くのか?という分水嶺でもある。民主党の甘ちゃん達はまだまだ未熟でとてもじゃないけれど信用出来ないという人もいっぱいいるでしょう。そういう人達に対してアピールする為にも千載一遇のチャンスでもある。変な陰謀論でグズグズしているよりは、物事をシンプルに考えプラス思考で突破した方がいい場合もある。それを踏まえれば、小沢を断固支持する事がプラスかどうか?民主党支持者達は冷静になった方がいい。
小沢を麻生にしちゃマズい。とっとと引導を渡してやんなきゃダメです。本当に何を成すのが最善か?という事を考えた方がいい。ここで上手く小沢が辞めれば、政権交代を確実にさせる布石も打てる。このタイミングを誤ると麻生と同じになっちゃう。いつまでもどうせ政権交代後に引退する事を前提にしている小沢に頼っている場合ではない。
今、二階や漆間、森と、与党を攻撃しても民主党の党首が同じ構造を抱えちゃっているわけで、なんだよそれ?って印象は拭えない。益々不人気になって行く。所詮政治家なんてのは与野党含めた談合集団でしかないという諦めがこれ以上芽生えたらこの国はもうお終いです。
だから上手く小沢が辞任する必要がある、これを上手くやれば間違いなく政権交代も可能だし、よりその後のこの国の構造転換の為のスクリーニングにもなる。先ずは自分ばっかり不公平だという事は言わせない。検察の陰謀的な話も言わない。与党の謀略的な話も言っちゃダメ。これらは全部ネガティブにしか作用しない。このまま居座っていたずらに時を稼げば麻生と同じになる。推定有罪報道で益々人心が離れて行く。検事総長の参考人招致なんてのは絶対にやらない方がいい。やるなら小沢が辞めてからでないと、人心が離れるだけで何もいい事は無い。小沢の潔白を証明したり、正しさを証明する事よりも、政治家として勝つ為の布石を打て。
だから先ずは法的な罪を認めて退陣するわけではないという事は言った方がいい。今回の政治資金規正法の適応は従来の基準から考えると、ちょっと無理スジでもある。だからその事を先ず素直に言った方がいい。迂回献金をもらうという事は実は法律違反ではないという事。ダミー団体かどうかが問題なわけだがダミー団体かどうかというのは非常に曖昧で、政治資金規正法というのはそもそもダミー団体から迂回献金をやりやすくする為のザル法であるという事。その事を国民に説明をした上で、しかし法律に従うという事ばかりに目が行き過ぎていて、野党の党首としては透明化をする事が国民にとっての情報の可視化になるわけだから、法律に従い透明化すれば国民を裏切る事にはならないと増長していた。一番肝腎の政治家としての倫理観みたいなものを見失っていたという事を素直に国民に謝った方がいい。金を貰っていたのは事実なわけですから。そういう政治を打破するためという名目で、同じ事をやっているようでは国民の期待を裏切ってしまった。それに全部秘書がやった事という従来の政治家的な逃げもやっぱりよくない。秘書は政治家あっての秘書な訳だし。知らなかろうが、本当に秘書が勝手にやった事だとしてもその責任は政治家個人にもあるという事を認めれば、これはもの凄い今までにないタイプの誠実さをアピールする事が出来る。だから法に反しているかどうかはこれから戦って行くしか無いけれど、少なくとも野党の党首として、国民の期待を裏切った事に対する責任を取りますと、このくらいの事を言って辞任すれば、一気に形勢逆転、政権交代確実になる可能性があると思う。
検察の鼻持ちならないエリーティズムというか余計なお世話のパターナリズムはムカつきますが、彼らは腐っても検察、ここは陰謀論や裏を読む事ばっかりしてないで、素直にシンプルに捉えた方が物事は前に進むような気がする。政治家というのはこういう時に叩かれて使い捨てられる覚悟を持った人間がなるべき役割。そういう人間の潔白を主張する事を最優先にしていてはサブスタンシャルじゃなさ過ぎる。単なる政局の消耗戦と化してしまう。
従来のような利権金権政治はもうもたない時代ですし、かと言って稼ぐが勝ち的な資本主義を思いっきりブーストさせるような方向性もマズい。素直に検察の一連の動きを見れば、そういう所に釘を刺して来たと言えるわけで、今回の小沢への攻撃も、政権交代しても政治資金規正法のような誤摩化しを続ける気じゃないだろうなという釘を刺しているようにも見える。天下りを根絶出来ない原因はそこにあるわけです。政治家への献金と役人の天下りというのは言わばセット。
行き過ぎた事後チェック、もしくは腐敗した事前チェック、その双方の綱引きじゃなくて、もう少しまともな次世代を見据えた構造のシフトをいい加減にやらんかい!!というプレッシャーとポジティブに捉えれば見えない事も無い。もちろん本当はどうかはわかりませんよ。ただ本当は何か?なんて事をグズグズ考えているヒマがあるのなら、検察なんかに突っ込まれないようなまともな国家像を目指した方が実りがある。
事後チェック型の社会に変化したと言っても、今のそれはただ構造を複雑化し、責任を末端に押し付ける、もしくは責任を取らなくて済む構造に変化させただけとも言えるので、そこに無理矢理特捜が介入すると、害をまき散らして辺り一面焼け野原にしないと叩けない構造に変化している。事前チェック型の腐敗堕落を叩いたら、稼ぐが勝ちのやりたい放題へと構造がシフトしてしまい、その行き過ぎに対して、今度はライブドアや村上ファンドへの攻撃が、官製不況の引き金になり、その後のコンプライアンス利権の争奪戦を引き起こしてしまった。事前チェック型で権益を貪りたい連中が跳梁跋扈し、どんどん巻き返されてしまい、今の麻生政権ではサブプライムをいいわけにして堂々とやりたい放題、なんの効果も望めない意味のないバラマキ景気対策と票を買う事を堂々とやっている。定額給付金のような選挙違反とも取れるバラマキを平気の平左でどんどん押し進めてしまう。こういう不毛な綱引きが繰り返されていては、この国はもう持たない。
透明化し情報を極限まで可視化し、市民性を成熟させ、高コスト構造を是正して、まともな意味での事後チェック型の社会に移行しないと、セーフティネットも整備出来るわけないし、役人も信用されない。検察は益々複雑化していく社会に対応出来なくなってくる。しかしまともな事後チェック型に変化させるという事は可視化されるので、悪い事は出来難くなるわけだから、間違いなく特捜の仕事は減る。この相矛盾したジレンマも抱えているのは間違いないとは思います。
だから信用は出来ないというのはわかるけれど、彼らを攻撃しても実際に何が変わるわけでもない。小沢は金を貰っているという事は事実なんだし、今やるべき事がなんであるのかを考えれば、与党の謀略だろうが、役人の権益拡張であろうが、民主党がとるべき戦略は何も変わらない。何が何でも政権交代させなくちゃ物事は始まらない。当の彼らにその意志が弱いのだとしても、彼らを使うしかないという事は民主党支持者であればそこには諦めも混じっているのかもしれませんが誰でもわかっているはずです。小沢の潔白に拳を振り上げるのではなく、民主党が勝つ為に成すべき事に向かって尻をひっぱたいた方がいい。肉を切らせて骨を断て、という事です。
そんな事を思う次第です。本日はこれにて。