あなたは、トレードをする際に、移動平均線を確認しますか?
確認するとしたら、それは何日線ですか?
おそらく、もっともポピュラーな分析指標の一つが移動平均線だと思います。
ほとんどの投資家がこれを見ています。
この移動平均線をみたうえで、トレードを行う、という行為が『最適化』です。
あるいは、経済指標をみるという行為も『最適化』です。
人はトレードを行ううえでは、何らかの根拠を求めます。それが移動平均線であったり、経済指標だったりします。
サイコロを振って売りか買いを決めるという人でもなければ、必ずこのような根拠があります。
つまり『最適化』といのうは、システムトレードにおいても、裁量トレードにおいても必ず行われる工程なのです。
では『過剰最適化』とは、具体的にはどんなことでしょうか?
移動平均線にもいろいろ種類があります。5単位、9単位、21単位、25単位、89単位・・・。
人によって使う移動平均線はさまざまですね。
ここで、2日平均線と2000日平均線を考えてみます。
これらは普通は使われることのない移動平均線です。しかし普通使われない移動平均線を選んだからといって、『過剰最適化』とはいえません。
2日線でも、5日線でも、2000日線でも理論的には何も違いはありません。
ただ多くの人が5日線や21日線を見ている(使っている)というだけです。
『最適化』という意味では全く同じです。
しかし、“感覚的に”2000日線より5日線の方が信頼できそうですね。
それは5日線と、2000日線ではサンプルの数が決定的に違うからです。
2000日線を売買シグナル判断に使おうと思ったら、最低でもバックテストは10年以上やらないと、まず2000日線が描けません。
たとえ20年近くバックテストを行ったとしても、ある特定の売買シグナルが出現する回数は非常に少ないでしょう(10回以下とか)。
それに対して、5日線であれば同じ20年間のバックテストをやれば、
最低でも数百回の売買シグナルが出現することが期待できます。
同じ、利益(額or率)が記録できたとしても、サンプル数が少ないシステムは脆弱といわざるを得ません。つまりシステムの再現可能性が低いということです。
逆に言えば、2日線で良い結果が得られるのであれば、サンプル数は十分に期待できるので、おおいに活用するといいと思います。
過剰最適を避けるために、
①変数やフィルターをなるべく減らし、シンプルにすること
②売買システムや変数の理論的根拠を説明できること
がよく言われます。
①については、変数やフィルターとバックテストのサンプル数の関係です。十分なサンプル数が得られないので、あまりに多い変数やフィルターはよくないということです。
しかし②については、あまり理論的ではありません。
感情的には、売買シグナルに理論的根拠があるほうがトレードしやすいです。
しかし、そもそもの理論的根拠が正しいのかというところに疑問はあります。
相場は無数の要因で変動しており、いくつかの理論で説明しきれるほど単純ではありません。
したがって“理論的根拠”というもの自体の信頼性はあまり高くないと考えれます。
結論としては・・・
・裁量orシステムトレードのいずれにおいても、最適化という工程は必ず必要である。
・過剰最適化(≒カーブフィッティング)とは、十分なサンプル数を伴わない最適化のことである。
ということです。
話が少し理屈っぽくなりましたね。最適化については非常に重要であり、奥の深いテーマなので、また改めて記事にしたいと思います。