ある曲を参考に…
なんの曲分かりますか?




(彩さんお願いします)

「あ、はい…ふぅ

よし、できるできるできる…」

夢は叶った
グループを卒業し
単独で大きな会場でライブ
ステージに上がると割れんばかりの拍手
関係者席を見ると
懐かしのメンバー達
その中でどうしても探すのは君だった
淡い期待は直ぐに打ち壊される

「…おるわけないか」

ライブも後半戦
どうしてもやりたかった曲
この曲が全てだった
遡れば…5年前ほど




「できひんっ…」

グループでギター経験者は少なく
ましては1度デビューしている私
そのため期待は大きく
周りからのプレッシャーに反比例して
自分の納得いくものは出来なかった
メンバーを避け1人になりたくて
冷たい態度を取ってしまう
そんな自分にも嫌気がさして
ホンマに最悪やった

「もう、やめよか…ハハッ」

「やめんのー?」

「え!?」

突然声がして振り返ると
そこには
子供みたいな笑顔を私に見せる
みるきーがいた

「何してんの?帰ったんじゃ」

「打合せしててさー
終わったらギターの音して
彩ちゃんの音やと思って聞いてた」

「そう…」

「相変わらずアーティストやな」

「アーティスト?ハハッこんなんで?
そんなもんちゃうよ
アイドルやけどギターできるだけ
物珍しさだけや」

「…ふーん」

「ふーんって」

「そう思ってるんやーって
別に私はなんでもいいけど
でも彩ちゃんの歌好きやで」

「…」

「はい、次の曲ー」

「はぁ?」

「はーやーくー」

思えば昔からそうだ
入った時から自由で自分勝手
まるで猫みたいに振る舞う彼女
でも、辛い時
必ずと言っていいほど側にいた

みるきーからの言葉で少し楽になった
ギターを続けることも出来た
でもそんな時だった

「卒業おめでとう」

「あ、彩ちゃんありがとう」

「グループ出てんから
周りにわがまま言うて困らすなよ?」

「えーそんなんせんよー
彩ちゃんも大丈夫?
私おらんくて…できる?」

「っ…
アホちゃう?行けるわ」

「そっか」ニッ

本当は行かないで欲しかった
例えば私がギターを弾けなくなって
高い声で歌えなくなっても
君だけは笑ってうなづいて一緒に
歌ってくれる
そんな君に何度助けられたか
君に惹かれてから心の中は君の歌で溢れてる
君だけは分かってよ…

彼女がいなくなって
周りは沢山支えてくれた
でも、レッスン場で1人練習してても
虚しく音が響くだけ
早く帰ろうと急かす声も
歌うのをやめれば早く歌えという
君の温かさもない
割れんばかりの拍手も響き渡る歓声もいらない
ただ君がいればいいのに


それから沢山悩んで決めた卒業
1人になるのはすごく勇気がいることだった
卒業が近づく度に愛に溢れたこのグループを
離れたくなくなった
グループを支え続けたとたくさんの人に言われたけど
そうじゃないんだよ
私が支えられたんだ皆にこのグループに
愛に溢れた最高のチームに

卒業して1人になって
沢山歌った
必死に頑張った
夢を叶えた
ねぇ、夢を叶えたんだ
貴女が応援してくれた夢を

君が私を忘れてしまっても
ちょっと辛いけど
私より先に遠くへ行かないで
手の届かないどこかへ
私はいつだって片想いだ
私の心を乱すだけ乱して
どこかへ行くのはいつも君だ



溢れる想いを込めて歌う歌は
大きな会場に響き渡る
泣いてくれる人もいた
歌い終わると体が震えるほどの
拍手が鳴り響いた
さぁ、次の夢へ1人で歩こう
立ち上がり頭を下げた
たくさんの人が名前を呼ぶ
ステージを降りようとした時
ふと頭に聞こえた





「彩ちゃん!!!」



「え…」

振り返り
真っ直ぐみると
彼女がいた

少し微笑むと
私に向かって掌を見せる
数々の困難を乗りこえた時
私達はいつも手を合わせた
ハイタッチ
不器用な私たちの精一杯

「ずるいな」

私も手を挙げて
何十メートル離れたハイタッチをした
すると満足そうに笑い
会場を出ていった

「ほら、、
また







カタオモイだよ、、」