「さぁちゃん早く!」
「あーはいはい」
今日は美優紀と2人でアメリカへ
簡単に言うけど
理由は父さんが向こうで賞を取ったから
お祝いをしに行く
みんなと一緒に行こうとしたが
俺達はテスト期間で少し遅れての出発
もう中学二年生やし
大丈夫やろ?っていう
なんとも言い難い対応
「さぁちゃん楽しみやねアメリカ」
「長いだけやろ
早くシートベルトつけろよ」
「もぉ冷めてるなぁ相変わらず」
「怖くても立ち上がったりするなよ」
「怖くないもんっ!
美優やって飛行機乗ったことあるし
もっと優しいこと言えんの?」
「…」
横でブツブツ言う美優紀を無視して
窓の外を見る
彼氏と別れてからの美優紀は
告白ラッシュらしい
断ってはいるみたいだが
少ししんどそうにも見える
優しいこいつの事やから
罪悪感に潰されてるんやろう
だからせめてもの息抜きになれば
(当機は間もなく離陸致します
シートベルトを…)
周りの子供たちや学生達は
飛ぶことにキャーキャー言うてる
楽しそうでなにより
朝早いから眠いなーなんて思ってたら
左手を掴まれた
「え?」
「ごめん、ちょっと
やっぱり…怖い」
俺の小指を遠慮がちに掴む美優紀
やっぱりな
「ご、ごめん…今だけ」
「ええから…」
手を広げ指を絡め繋ぐ
驚いた顔をする美優紀を無視して
外を見る
すると握った手に力が入った
離陸をしシートベルトのマークが
消えるが手は繋がったままやった
離すタイミングを失った
「ありがと…」
「あぁ、おぉ…」
「さぁちゃん」
「なんや」
「久しぶりやねこーやって繋ぐの」
小さい時は何も考えずに
歩く時、寝る時、悲しい時、嬉しい時に
繋いでいた手は同じくらいの大きさで
プニプニしてたのに
今は俺より小さくてスポンジみたいに
柔らかい手だった
「さぁちゃんの手男の人や…」
「まぁ男やからな」
「そうやんな、当たり前やんな」
「…」
「離そっか
もう怖くないし」
「さぁちゃん?」
「…」
俺は窓にそっぽ向いて
美優紀の手を握り直した
最初は力が入ってたけど
美優紀も安心したのか緩めてくれて
そこから特に何も話さず
時間を過ごした
「「おめでとー!!!」」
「みんなわざわざありがとう」
父さんの授賞式が終わって
レストランでパーティー
関係者の人もいて
たくさんの数
「彩ぁ、食べてるかぁー!」ガシガシッ
「あーもぉ、食べてるってば」
「ハハッそうか
そうや、どうなんや美優紀ちゃんと」
「なに」
「好きなんやろー?」
「ちゃうから、てかいいって」
「このこのぉー」
「うざいっ」
「ハハッうざいかぁ
彩も言うようになったなー
なぁ彩」
「何?」
「大切にしろよ」
「…」
さっきまでヘラヘラしてたのに
少し真面目な顔で言う父さんは
すごくかっこよくて
そんなふうに大人なのが嫌で
俺は何も言わなかった
「でもホントに優すごいよねー」
「優ちゃんたまにはやるからね」
「陽菜たまにははないでしょ」
「んーあれ?
優ちゃんどこいった?」
「関係者に挨拶って出てったけど」
「ふーん小さいから見えないー(бвб)」
「母さん言い過ぎ」
「俺、トイレのついでに見てくる」
「ありがと彩ー」
「えーっとこっち…あ、いた
父さ…」
扉の向こうの父さんの横には女性がいて
父さんに抱きつき顔を近づける
俺は突然の事で
後ずさると横にあった置物が落ちた
「えっ、あ!彩っ」
「何してんだよ…」
「あーこんなとこ見られて恥ずか…」
なんやねん、大切にしろとか
言うてきたくせに
いっつもそうや
ヘラヘラ笑って分かったように
俺の気持ちなんか分からんくせに
俺の事なんか見てなかったのに…
「彩…?」
バンッ!!!
「ふざけんな!!
クソ親父!」
俺はそう叫んで走って出ていった
「彩!!!」
「彩!?」
父さんの声と母さん達の声
それを無視して店を飛び出す
誰もついてこないでくれ
1人になりたい
もういいだろう
そう思いながら走っていたら
声が聞こえる
いつやってそうや
いつやって…ついてくるのは
「さぁちゃん!!!」
美優紀なんだよ
「あーはいはい」
今日は美優紀と2人でアメリカへ
簡単に言うけど
理由は父さんが向こうで賞を取ったから
お祝いをしに行く
みんなと一緒に行こうとしたが
俺達はテスト期間で少し遅れての出発
もう中学二年生やし
大丈夫やろ?っていう
なんとも言い難い対応
「さぁちゃん楽しみやねアメリカ」
「長いだけやろ
早くシートベルトつけろよ」
「もぉ冷めてるなぁ相変わらず」
「怖くても立ち上がったりするなよ」
「怖くないもんっ!
美優やって飛行機乗ったことあるし
もっと優しいこと言えんの?」
「…」
横でブツブツ言う美優紀を無視して
窓の外を見る
彼氏と別れてからの美優紀は
告白ラッシュらしい
断ってはいるみたいだが
少ししんどそうにも見える
優しいこいつの事やから
罪悪感に潰されてるんやろう
だからせめてもの息抜きになれば
(当機は間もなく離陸致します
シートベルトを…)
周りの子供たちや学生達は
飛ぶことにキャーキャー言うてる
楽しそうでなにより
朝早いから眠いなーなんて思ってたら
左手を掴まれた
「え?」
「ごめん、ちょっと
やっぱり…怖い」
俺の小指を遠慮がちに掴む美優紀
やっぱりな
「ご、ごめん…今だけ」
「ええから…」
手を広げ指を絡め繋ぐ
驚いた顔をする美優紀を無視して
外を見る
すると握った手に力が入った
離陸をしシートベルトのマークが
消えるが手は繋がったままやった
離すタイミングを失った
「ありがと…」
「あぁ、おぉ…」
「さぁちゃん」
「なんや」
「久しぶりやねこーやって繋ぐの」
小さい時は何も考えずに
歩く時、寝る時、悲しい時、嬉しい時に
繋いでいた手は同じくらいの大きさで
プニプニしてたのに
今は俺より小さくてスポンジみたいに
柔らかい手だった
「さぁちゃんの手男の人や…」
「まぁ男やからな」
「そうやんな、当たり前やんな」
「…」
「離そっか
もう怖くないし」
「さぁちゃん?」
「…」
俺は窓にそっぽ向いて
美優紀の手を握り直した
最初は力が入ってたけど
美優紀も安心したのか緩めてくれて
そこから特に何も話さず
時間を過ごした
「「おめでとー!!!」」
「みんなわざわざありがとう」
父さんの授賞式が終わって
レストランでパーティー
関係者の人もいて
たくさんの数
「彩ぁ、食べてるかぁー!」ガシガシッ
「あーもぉ、食べてるってば」
「ハハッそうか
そうや、どうなんや美優紀ちゃんと」
「なに」
「好きなんやろー?」
「ちゃうから、てかいいって」
「このこのぉー」
「うざいっ」
「ハハッうざいかぁ
彩も言うようになったなー
なぁ彩」
「何?」
「大切にしろよ」
「…」
さっきまでヘラヘラしてたのに
少し真面目な顔で言う父さんは
すごくかっこよくて
そんなふうに大人なのが嫌で
俺は何も言わなかった
「でもホントに優すごいよねー」
「優ちゃんたまにはやるからね」
「陽菜たまにははないでしょ」
「んーあれ?
優ちゃんどこいった?」
「関係者に挨拶って出てったけど」
「ふーん小さいから見えないー(бвб)」
「母さん言い過ぎ」
「俺、トイレのついでに見てくる」
「ありがと彩ー」
「えーっとこっち…あ、いた
父さ…」
扉の向こうの父さんの横には女性がいて
父さんに抱きつき顔を近づける
俺は突然の事で
後ずさると横にあった置物が落ちた
「えっ、あ!彩っ」
「何してんだよ…」
「あーこんなとこ見られて恥ずか…」
なんやねん、大切にしろとか
言うてきたくせに
いっつもそうや
ヘラヘラ笑って分かったように
俺の気持ちなんか分からんくせに
俺の事なんか見てなかったのに…
「彩…?」
バンッ!!!
「ふざけんな!!
クソ親父!」
俺はそう叫んで走って出ていった
「彩!!!」
「彩!?」
父さんの声と母さん達の声
それを無視して店を飛び出す
誰もついてこないでくれ
1人になりたい
もういいだろう
そう思いながら走っていたら
声が聞こえる
いつやってそうや
いつやって…ついてくるのは
「さぁちゃん!!!」
美優紀なんだよ