「ほい、熱なし
痛みはー?」

「結構痛い…この辺」

「見して…んー傷口は綺麗やけどな
中の問題やな今日レンドゲン撮るから
それ見て判断してもらお
じゃあ採血するから手出してー」

「あ、うん」

「はーいチクッとするよー
はい、おしまい」

「痛くなかった」

「それはよかったー」

「姉ちゃんホンマに看護師やったんやな」

「なにー?疑ってたん」

「少し」

「もぉ…失礼やなぁ」

「愛菜くんは?」

「外来終わったら見に来るって言うてたで」

「愛菜くんも医者なんやな」

「そーやで
そんなん言うたら私やって
ゆーりはホンマに刑事なんやな」

「そんなたいそうなもんではないけど」

「たいそうやろ?こんな大怪我して
…ちょっと後悔した」

「え?」

「お父さんとお母さん亡くなって
私を守るためにって警察になったんやもん
すごい、申し訳なくてさ」

「これは僕が決めたことやから
姉ちゃんは関係ないよ」

「でもさっ…こんな怪我してるゆーり
見たくないっ…ゆーりまで居なくなったら」

「ちょっと姉ちゃん泣かないで」

「おーー誰や
俺の大事な嫁泣かしてるやつはー」

「愛菜くん」

「どーや具合は」

「だいぶ楽になったよ」

「嘘ついてる顔やな
痛み我慢するなって
生きてるのが不思議くらいやねんで」

「…ごめん、2人とも心配かけて」

「…心配かけられるのは嬉しいこと
でもあるんやけどなぁ
さすがに大事な弟が
救急搬送ってのは嬉しくはないな」

「…ごめん」

「けど、お前は大事な命を守ったんや
それはすごい事やでゆーり」

愛菜くんは微笑んで頭を撫でてくれた
愛菜くんは昔から優しい
そして真っ直ぐだ
大きな愛で包んでくれる人




「朱里〜これゆーりのデスク置いてて」

「なんですかコレ」

「お見舞い品かな
あいつ新人のくせして色んな部署の人らと
交流ありすぎやろ」

「へぇー」

「それに助けた女の子たちからの
連絡止まらんしなぁ
さすがに個人情報やから病院は教えへんけど
会いたい言うてるからなー」

「…」

「朱里?どした」

「いえ、別に」



モテるんやなアイツ
そりゃすごいお人好しやし
すごい周りのこと見てるし
顔は、カッコイイし
それはそうやんな


(あの!吉田さん)

「え?」

(あの太田くんのお見舞い行きますか?)

「あー、うんまぁ」

(連れていってください!)
(あ、私も!)
(私もお願いします)

「…うんいいけど
なんで私?」

(指導係って聞いたんで)

指導係…そーやったな

仕事終わりに彼女たちと待ち合わせして
病院へ向かう

「太田くんお見舞…」

(ゆーーりくんっ!)
(えっすごい怪我)
(大丈夫なんっ!?)

扉を開けると私を押しのけて
彼の元へ向かう女の子たち

「あーみんな来てくれてありがとう」

彼も嬉しそうに笑い話をする
あー、私と話す時と同じ顔
優しくて全部聞くよーって顔してる
女の子たちはこの顔が好きなんやろな
…おもんない

「太田くん私明日仕事やから
帰るね」

「え、あ…はい」

引き止めもせんのや
まぁ関係ないけど

なんかムカつくから
病院のカフェでコーヒーを飲む
何をムカついてるんやろ
もしかして…好き?
いやいや、彩さんが好きなのは代わりない
彩さんがみるきーと話してる時は
ムカついたりしない
寂しくなるだけ
恋ってそういうものやんな…

「なんか百面相?」

「あっ、菜々さん」

「どうも綺麗な人がいると思ったら
朱里さんやったわ」

「今からですか?」

「うん、夜勤やからねー
今日も来てくれたんですね」

「あぁ別に今日は女の子案内しただけで」

「へぇー相変わらずモテるなぁー」

「昔からですか?」

「根っから優しいからねー
よぉモテてたよ」

「へぇー…」

「フフッ嫉妬?」

「違います!
私好きな人いるから」

「ふーん、、」

「好きな人には別に嫉妬しなくて
ただ寂しくなるだけで」

「…決めつけなくていいんちゃう?」

「え?」

「私も旦那がねほかの女の子に
優しくしてたら
寂しくもなるし悲しくもなるけど
腹も立つよ?
なんなん若い子がええんか!って
好きだったらこういう感情はないって
決めつける必要はないと思うの」

「…」

「まぁ私も最初ね旦那のこと好きって
認めたくなかったの
彼年上で余裕が凄かったから
これで好きになったら思いどおりになる!って
勝手に対抗心燃やして
でも結局、好きって認めたら楽になった」

「好き、って認める…?」

「強要はしないけどね
我が弟ながらすごーいオススメ
ゆーりには幸せになって欲しいから
朱里さんみたいな人と一緒になれたらなって」

「私?私なんか…」

「これでも人を見る目はある方よ?
じゃあ、仕事行くわ」



好きとか分からなくなってきた
彩さんのことが好きなのに
失恋したはずなのにな

「まだ帰ってなかったんですねっ」

「太田くんっ?え、ちょっと
動いて大丈夫なん?」

「まだ車椅子ですけどね
意外と動かすの難しくて時間かかっちゃいました
姉ちゃんが朱里さんがカフェにいたって聞いて」

額に汗をかきながら笑顔で言う彼

「女の子たちは?」

「あーすぐ帰りましたよ
話長くなりそうだったんで
ちょっと痛いって伝えたら帰ってくれました」

「演技したん?せっかく来てくれたのに」

「そりゃ嬉しかったですけど
朱里さんのこと気になってたから
よかった、帰ってなくて」

「別にコーヒー飲みたかっただけやし
早く病室帰らな悪化するで」

「それもそうですね
よいしょ、ん?あれ…ほっ!」

「もぉ…後ろ押したるわ」

「ありがとうございます」

車椅子を押して部屋まで帰る

「じゃあ帰るから」

「もう少しいてくれないんですか?」

「傷痛むんやろ?」

「朱里さんがいたら治ります」

「治りません」

「ちぇっ」

あー、笑顔綺麗やな…

「朱里さん?」

「えっ、あっ…なんもない
帰るから」

「…っ、いててててっ」

「え?大丈夫?」

「ちょっと見てもらえますか?」

「え?どの辺?」

ベットに座る彼が指さすお腹の方に
目をやる
痛々しい傷はあるけれども特に血が出たりとかは
なさそうやった

「何もなさそ…



ンッ!?」

「…好きな人とのキスは
鎮痛効果があるんですって」

「あ、あ、あ…///」

「強引なことしてごめんなさい
けどちょっと、進めたくて」

「…アホちゃう、犯罪や」

「何罪ですか」

「わいせつ罪」

「いや、なんか表現が…」

「…」

「…ごめんなさい
ちょっと調子乗っちゃって
嫌でしたね、ほんとにすみません」

「…嫌とは言ってない」

「えっ///」

「い、いいとも言ってないから!
調子に乗るなマセガキ
じゃっ!!」

バタンッ!!

「…真っ赤やったな

はぁぁぁ…可愛い
朱里さん、、好きだぁ」