先週、経済同友会の大会に出席するため、一泊二日で島根県の松江市に行ってきました。


松江は初めての訪問です。


なかなか情緒のあるいい街だとは聞いていたのですが、行ってみて歴史と文化の雰囲気を持った


いい所だなと私も実感しました。




街の目の前に穏やかな宍道湖が広がりそれだけでもいい感じのですが、街の中央を大きな川が流れ


水の都的な雰囲気を作り出しています。


さらに旧市街地の方には松江城とその森が見え、その周りを囲うように内堀、外堀が豊かな水をた


たえています。


お城の周辺は景観も保存されており、車が通ってなければ江戸時代にタイムスリップしたかのうよ


うな落ち着いた雰囲気です。




一緒に行動したF社の専務さん、O社の社長さんと大会の翌日、そのお堀を巡る遊覧船に乗りました。


堀から見る松江城とその城址、街並みも実に美しく、船頭さんの絶妙のトークや民謡を聞きながら、


実にゆったりとしたいい時間を過ごすことができました。




このお堀は10数年前までは水質汚染が進み、臭くて汚いやっかい物だったそうです。


それを宍道湖の水をポンプで引き込み、水質を改善。


そこに屋形舟を浮かべて遊覧船にし、「堀川巡り」と名付けたそうです。


船頭さん達はすべて一線を離れた高齢者の皆さんを再雇用して訓練したそうです。




その結果、今では40万人が乗船する有名観光地となりました。


「松江市の事業で唯一黒字なのはこの堀川巡りだけ。だから私達船頭さんは市内を肩を風切って


歩いています」と、私達が乗船した船頭さんは楽しそうに笑って話していました。


観光と高齢者雇用、まさに一石二鳥、環境対策も入れると三鳥かな。




私には福井市の街づくりで密かな思いがあって、それは水の都福井を復活できないかというものです。


かって福井城の周辺は幾重の堀が巡らされていました。


そのほとんどは埋め立てれてしまいました。


でも、福井は南は足羽川、北は九頭竜川、東は荒川、西は日野川に囲まれ、江戸時代はさらに幾重もの


お堀が巡る、国内随一の水の都だったのです。


今の福井城址のお堀と荒川、足羽川を結び、水の都を復活し、屋形舟を浮かべたり、子供が水遊びが


できる工夫を凝らしたりしたら楽しいだろうなーと、いうのが私の個人的な思いです。


そんな思いを私が抱いたきっかけは、江戸時代の福井の地図を見てからです。


それは見るからに素晴らしい水の街でした。




今現在、お城の堀を巡る遊覧船はここ松江だけですーと、船頭さんは自慢げに話していました。


「あ~ぁ、今頃、福井城のお堀が残っていればこんなもんじゃなかったろうな」私はそう思わずには


いられませんでした。

 

海外に行くと日本人の感覚や感性がおかしいのだろうかと思う時が多々あります。



客を客とも思わない店員。


いい加減な交通機関や公的な立場の人達。


だまされた方が悪いといった感覚。


売り込みが激しい商売人。


感情もあらわにしてしゃべる街の人達。



上げれば切りがありません。日本じゃ通用しない言動がごく普通の社会。


でも、行く外国の先々で同じような経験をすると、むしろその方がメジャーで謙遜とか、謙虚とか、和とかを


重視する日本人の感性の方がマイナーで、グローバル化するということはこうした日本人の美徳と言われ


る部分をそぎ落とすことなんだろうかと最近私は思い始めていました。


女子ワールドカップの日米決勝戦を見るまでは・・




祝日の月曜日、その日は友人とのゴルフが入っていました。


それでも、この歴史的な一戦を見ないと末代までの後悔と思い、午前4時起床して、世紀の決戦を見てい


ました。



でも私は99%、日本は負けると思っていました。




確かに、”なでしこ”はここまで頑張りました。


でも、でも、アメリカは強い。体が大きいだけじゃない、スピードもある。シュート力は抜群です。


どう見ても勝てない。


前半のアメリカの猛攻をなんとかしのいだものの、後半、相手に一瞬の隙を突かれて1点を許します。


やっぱりな~でも、ここまでがんばったんだから・・


そんな私の諦めの境地とは裏腹に彼女達は勝負を捨てません。


きれいなシュートじゃないけどまるで押し込むような執念の同点ゴールを決めます。


延長戦にもつれ込んだ決勝戦。


どうなることかと思っていたら、延長戦前半、警戒していた相手のエースに見事なヘディングシュートを


決められます。


それでも後半、今度は沢キャプテンが芸術的な同点ゴールを決めます。


私は飛び上がりました。後は皆様ご存知の通り、PK戦でアメリカを圧倒し、見事、なでしこジャパンは


世界の頂点に立ちました。




もし、日本とアメリカのチームを個々のポジションごとにそれぞれ勝った、負けたと選手力を比較したら


沢以外はほとんど日本は負けと出たのではないでしょうか。


個々の力の劣勢をチームの団結力でカバーしたと言わざるを得ません。


個性を活かすよりチームワークを優先する。それによって個性がよみがえってくる。


体力で、スピードで勝る相手を、とにかく根気よく走りまわって、1対1では勝てなくても1対2で、1対3


でつぶしに行く。


なでしこの戦いぶりはそんなサッカーでした。




彼女達の年収は平均2~3百万円。ほとんどの選手がアルバイトで食いつないでいます。


飛行機はエコノミー。つい最近まで雑魚寝の宿泊だったそうです。


男子サッカー選手はJリーグでサポーターやマスコミにちやほやされ、飛行機はチャーター機かビジ


ネスクラス、ホテルは4星以上と決まっているそうです。


さらになでしこリーグのスポンサー企業はこの不景気で相次いで撤退。


そんな虐げられた環境の中で、彼女達は日本人の特性を生かしきったサッカーで頂点を極めたわ


けです。


かって日本代表チームの監督を務めたオシム氏は「日本サッカーを日本化する」と言いましたがそ


れを実現したのが図らずも男子チームではなく、なでしこだったのではないでしょうか。


私は勝敗が決まった後の興奮の中でそんな思いを強くしました。





何も日本は無理に世界に合わせなくてもいいではないか。


日本は日本化でいいのだ。


柔よく剛を制す。なでしこの勝利はまさにそれでした。


日本人が世界と戦う原点がそこにある。


個を捨て、チームのプレーに徹する。


相手のラフプレーに対しても抗議よりもプレーを優先。


なでしこはW杯のフェアープレー賞にも輝きました。


シュミレーションのようなみっともないプレーをしたがる選手は一人もいません。


武士道にも通じる潔さ、それでいて決して諦めず大きな相手に食らいついていく。


日本人としての原点の大切さを教えてくれた歴史的な決勝戦でした。


日本の企業の有りようも同じだと思います。


稲盛さんはよく社員とのベクトルを合わせなさいと言いますが、団結力こそ日本人の原点なのだ


と思います。



日本の男子サッカー代表チームのキャプテンの長谷部さんが執筆した「心を整える」という本が売れています。


先日のテレビでは実務書としてはナンバー1に入っていました。


今日はその本の中で私が気にいったいくつかの箇所を紹介します。ほんの一部ですが・・




心を整えるということを僕は常に意識して生活しています。常に安定した心を備える ことによって、どん


 な 試 合でも一定以上のパフォーマンスができるし自分を見失わなくてすみます。


 生活のリズム、睡眠、食事、そして練習。日々の生活から心に有害なことをしないようにしています。ちょっとで


 も心が乱れたたら自分で整えるようにしています。




ドイツには整理整頓は人生の半分であるという諺がある。日ごろから整理整頓を心がけ ていれば、それが生


 活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分と 言えるくらい大切なんだ。



愚痴だけでなく、負の言葉はすべて現状をとらえる力を鈍らせてしまい、自分で自分の心を乱してしまう。


 心を正しく整えるためにも愚痴は必要ない。




○恨みを貯金しても仕方がない。ボールをけって体を動かしてもいいし、何かリフレッシュして次に向かってリス


 タートした方がはるかに建設的だ。




○変化を受け入れなければ進化することはできない。


 だから岡田監督がワールドカップの直前に戦術を変更したことに対して、僕は心を整理するまでに時間はかか 

 

 ったものの、異論はなかった。




自分が発する言葉というのは自分自身に語りかけているところがある。


  口にした言葉は自分の耳を通して自分の心に届く。




脱皮しない蛇は破滅する。人間もまったく同じだ。古い考えの皮をいつまでもかぶっていればやがて内側から


 腐っていき、成長することなどできないどころか、死んでしまう。


 常に新しく生きていくために私達は考えを新陳代謝させていかなければならない。



人生の岐路に立たされた時、どんなに自信はあっても迷いは生まれるものだと思う。


 もし失敗したらという不安、まわりからの反対、挫折することへの恐れ、どうすれば成功するかという確固たるノ


 ウハウなんてないし、人それぞれの道の選び方があると思う。


 では岐路に立った時、僕は何を大切にしているのか。


 それは「あえて難しいと思った方 を選択する」ということだ。(中略)しかし、僕は知っている。難しい道ほど自分


 に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がることを。




「直にして礼なければすなわち絞す」正義感が強すぎて真面目すぎると、かえって周囲を締めつけてしまう。




時折、もっと豪放に生きてみたいと憧れることもありますが、自分自身の内なる弱さを 認め、それと向き合っ


 て生きていくということが自分に向いていると考えています。

 

 よく弱さを認めることも強さであると聞く時がありますが、本当にその通りです。


 強がってばかりいてもすぐに一杯いっぱいになってしまいますし、自分の弱さを知ってこそ人は他人に優しくな


 れるのではないでしょうか。




以上ですが、長谷部さんはドイツのチームに移籍した時、なんて俺が俺がのチームメイトが多いのだろうと思っ


たそうです。


誰もがシュートを打ちたがる。


目立ってなんぼのプロの世界では当然のことかもしれません。


でも、その結果、いたるところに空きスペースができてしまい、このチームの弱点はそこにあると分析し、じゃ僕


はその空きスペースを少しでもカーバーするようにしようと思い立ち、その通り実行したそうです。


当然、目立ちません。


一時はチーム経営層からの評価も低くなったりしたそうです。


しかし、次第に長谷部さんはチームになくてはならい存在へとなり、誰もがその役割の重要性を認識するように


なったそうです。


素晴らしい自己犠牲の精神です。


それが結果的に長谷部さんのプロとしての価値を高めている。


この人はすごく謙虚な人だと思います。


それ故に自分を知っているし、周囲への感謝の気持ちを忘れないでいる。


感謝の心。


これがいかに大切かということを27歳の若さで理解している。


この本の印税はすべて大震災の被災者に寄付されるそうです。


あらゆる点で脱帽です。


是非、みなさんも読んでみてください。必ず得るところがある本です。


ちなみに私の家内にも読ませたところ、彼女も感動の嵐で、その熱ぽい解説に私はしばらくお付き合いする羽目


になりました。

福井県の有効求人倍率が6月も1を超えています。少し前月より悪化してはいるのですが、1を超えているのは福井県だけで、全国トップとなっています。これだけ見ると福井は景気はそこそこということになります。


先日、そのことである地元のアナリストから「何故福井の有効求人倍率が高いと思いますか」との質問を受けました。私は即座に原発の点検要員の求人が常に発生しているからだと思うと自信を持って答えました。


するとその人は「確かにその側面は間違いなくあります。でも、原発のない嶺北だけでみても隣の石川や富山よりも高い。原発だけでは説明がつかない」と突っ込まれました。


私もえっそうなのと思い返事ができないでいると、さらに「求人は高いけど、その一方で求人を出す企業の賃金は下がっています。これっておかしいと思いません」


確かにそうです。需要と供給で価格が決まるという経済の原則に反しています。


私は答えが見つからず、う~んとうなってしまいました。


彼の解説はこうです。他県は福井に比べ大企業のウエートが高い。それら大企業は中国等の新興国に早々と進出、震災後もさらに進出を強めている。


一方、福井は中小・零細企業がほとんどで、新興国に出たくともでれない。いわゆる空洞化がそれほど進んでいない。


したがって福井の企業の多くは、新興国との価格競争にさらされている。したがって求人を出しても賃金は上げらない、上げられないということになる。


製造業の空洞化はそれほど顕著ではないので、企業側の求人ニーズは存在する。しかし、中国を中心とする新興国との厳しい価格競争で苦闘しているのが福井の企業の実態で、決して有効求人倍率が高いからと言って状況がいいわけではないと彼は言いたかったのかもしれません。


彼の説が正しいのかどうかは私にもわかりません。

共稼ぎ世帯の高さなども影響している面もあるかとも思います。ただ、彼の説には確かに説得力がありました。


当社は直接新興国との競争をしているわけではありませんが、それは回りまわって我々のビジネスにも跳ね返ってくることも事実です。


経済のグローバル化の中で、激しい国際競争が起きており、行政の一部には有効求人倍率が高いと自慢げに語る人もいますが、だからといって喜んでばかりいるのはお門違いだと改めて思います。


稲盛さんの数々の教えの中で今日は値決めは経営を取り上げたいと思います。「お客さんが喜ぶ値段の一番高い点を求める」それが値決めということ、稲盛さんは言っています。


ではその値段はどう決めるか。通常、原価に利益を乗せて売価とします。稲盛さんはもは

やこの考え方ではダメだと言っています。

売価還元方式で原価を求めるべきだと強調しています。私もまったくこの意見に賛同しています。


会社を興して以来、社員の皆さんからこれだけ工数がかかる、これに利益を乗せると見積金額はこうなると言われ続けてきました。いつも私はおかしいと感じていました。


そんな考えは通用しない、工数の積算で売価を決めるのではなく、そのシステムがお客さんにもたらす価値で決めるべきだと思っていました。

そのように言うと大抵。それでは赤字になるとか、価格が決めようがないというお決まりの答えが返ってきて私は悶々としながらもそれを受け入れてきました。


でも盛和塾で勉強するようになってから、やはり自分の考え方は間違っていなかったのではないかと思うようになってきました。稲盛さんは言います。


「これだけ競争の激しい昨今、原価+利益=売値という考え方は通用しない。売値は先に決まっていてそれで利益が取れるように原価を合わせてやっていかないといけない。これが現在の市場経済の原則だ」


売値が先にあり、それに合わせるには工数はこれだけに抑えないといけない。そのためにどうするかと考える。まったく発想が逆です。でもこれが今我々に求められている。


でないと生き残っていけません。もちろんこれまでもASPサービスやサポート価格等々はこうした考え方でやってはいたのですが、ホームページも含めた受託システムについても、稲盛さんの言う売価還元で考えるべきだと私は思います。


そんなことしたら赤字案件ばかり抱え込むと思う人もいるかもしれません。仮にそうだとしたらそのビジネスモデルはもはや時代に通用しなくなっているか、当社のコスト体質に問題があるのだとと考えるべきです。


それと売価を下げるばかりが能かといえばそうでもありません。逆に高く設定しているから売れるケースもあります。その例として稲盛さんはコカコーラを上げています。

コーラが日本で販売された時、あんな薬臭くてまずい物が、あんな値段で売れるはずがないと稲盛さんは思ったそうです。

私も子供ながらにこんなものよりラムネの方がいいやと思いました。でも、ちょっぴり大人になったような、あこがれのアメリカに近づいたような気にはなりましたけど。


でも、コーラは意に反して売れに売れ、安くてうまいと思われた日本のラムネやサイダーを蹴散らしてしまいました。なぜか?どうみてもコーラの原価は安いと思います。

でも売値は高い。したがって粗利は大きい。だから十分な販促費や小売りマージンをかけることができます。小売店はラムネやサイダーより儲かるからコーラをバンバン売ります。そしていつの間にかナンバー1飲料の座を獲得したわけです。


値決めというのは安ければいいとか、高ければいいとかいうものではないということです。

どのような戦略に基づくかということだと思います。まさに値決めは経営なのです。