学校でのいじめが社会問題になっています。
いじめが原因とみられる自殺も相次ぎ、私もびっくりしたのですが、2011年度では全国
で200人の小中高生が自殺しているとか。
なんとも悲惨な数字です。
ただでさえ少子化なのに、まさに日本の社会的財産の損失です。
東京の品川区では、いじめる生徒に対しては登校を禁止してもよいという条例まで立ち上げ
たということです。
これが抜本的な対策にならないことは百も承知の上で、そういう対策を取らざるを得ない事
態ということなのでしょう。
子供が子供をいじめるという行為をゼロにするというのは難しい話だと思います。
要は陰湿な、精神的にもダメージの強いいじめをどうなくすかということでしょう。
私は学校においてちゃんとした精神教育を実施すべきだと思います。
まさに稲盛さんが説いているような感謝の心や利他の心といった人としての考え方の教育です。
戦後の日本の教育が、こうした考え方の教育が思想統制と誤解されるのを極端に恐れるあま
り、知識教育に偏重しすぎた結果だと思います。
考えてみれば、教育が人として正しい大人を育て、社会の発展に貢献してくれる人材を育成
することが目的であるとしたならば、何よりも人として、日本人としての考え方を教えなけ
ればならないはずです。
したがって今の日本の学校教育は、本来の人間教育を放棄しているということです。
その犠牲に子供たちがなっているというのが私の理解です。
日本が今、おかしくなっているのも根本は教育にあるとも思っています。
その際、私達大人も考えなければいけないことは、2つのコミュニケーション能力について
です。
コミュニケーションには外的コミュニケーションと内的コミュニケーションがあります。
内的コミュニケーションはまさに自分の心との付き合い方です。
これが上手くできていない人は、外的コミュニケーションの能力もダメです。
したがって他者とのコミュニケーションが上手くとれない人の多くが、実は自分の心とのコ
ミュニケーションが取れないことに起因しています。
自分で自分の心を正しく導くすべを知らないというか、そうしたことの重要性を認識してお
らず、自分の思いつきのまま、あるいは感情のままに発言し、行動する。
生まれつきそうした能力に恵まれた、または出来た親御さんに教育されて、あるいは学校で
立派な教師に出合って教えられた、社会人になってしっかりした会社で上司から鍛えられた、
そんなことでもない限り、自分で自分の心と向き合うことは自らかなり強力に動機づけしな
いとできることではありません。
ほとんどがそんな機会は与えられず、子供がそのまま大人になったようなものです。
そんな人が学校や会社や社会に溢れ、ぎすぎすした世の中をつくり出している。
陰湿ないじめが後を絶たず、一方でいじめられる側もあまりに打たれ弱い。
さらにうつ病患者が増える一方なのもこの内的コミュニケーションのまずさが影響している
と私は思います。
人はたまたまうつ病になるのではない、精神と肉体がうつ特有の症状をていすることにより
うつになると言われています。
つまりうつは自分の心のありよう、自分の思いがもたらす病気なのです。
原因は外にない、自分の内にある。
だからこそ人としての考え方教育が今こそ求められているのです。
京セラフィロソフィに学び、当社としてのフィロソフィ手帳がもう少しで出来上がってきます。
私がそうした哲学を実践できているわけではないが、当社の構成メンバーはこうあるべきでは
ないか、こういう考え方をすべきではないかということは社長としての私が言わなければなら
ないことだと思っています。
そして哲学を体得できればそれにこしたことはないが、そうありたいと願い折に触れて我が身
を反省し、なんとか体得しようと努力することが大事だと思います。
少しでもそれに近づきたいと懸命に生きている人とそう思わず漫然と生きている人では人生や
仕事の結果はまったく異なってくるのではないでしょうか。
今後、私自身も生涯をかけてこの哲学の学びを実践できるよう皆さんと一緒に頑張っていくつ
もりです。
皆さん、全員が私よりは若い。
そんな皆さんが成長し、会社をさらに発展させて行って欲しいと心から願っています。
哲学の実践で私を乗り越え、私よりも立派な考えを持って会社をリードしてください。
それは会社の発展に結び付くだけでなく、皆さんの人生においても必ず役立つはずです。
この手帳はたったこれだけの大きさしかありませんが、会社に、皆さんの人生にもたらすもの
は非常に大きいと思います。
是非、この手帳を折に触れて開き、活かしていきましょう。