消費税法の理論問題の話である。
理論の問題だが、問題の解答要求が箇条書きになっておらず、どうも読み飛ばしを誘発するように作っているように思われる。
出題の問題構成として、解答要求を箇条書きせず、次のような並べ方をしている。
●令和元年
理論 問2(要約)
(1)次の各項目について触れながら述べなさい
イ 簡易課税制度の適用要件
ロ 簡易課税制度選択届出書の提出が制限される場合
(2)みなし仕入率について述べなさい
(3)特例的な計算方法について述べなさい。また、区分をしていない場合の適用関係について述べなさい。
※(3)は箇条書きせず、文中に「また」で追加している。
●令和2年
理論 問2(要約)
(1)建物の譲渡について、消費税法令上の適用関係を述べなさい。
(注)課税資産の譲渡等の意義についても触れること
(2)消費税の適用税率について、消費税法令上の適用関係を述べなさい。
(注)「飲食料品」の意義、「一体資産の意義」の意義についても触れること
(3)簡易課税制度による申告にあたって、消費税法令上の適用関係を述べなさい。
※(注)で解答要求事項を追加している。
以上のようになっており、例えば(仮に)、令和2年の(2)ならば、
~~~~~
(2)消費税法令上の適用関係について、次の事項を答えなさい。
・「飲食料品」の意義
・「一体資産の意義」の意義
・消費税の適用税率
~~~~~
のように箇条書きになっていれば、解答要求が3つあることがわかるが、(注)で追加して書かれていると、私のように消費税のベテラン受験者でも、それに最初気付かず、適用関係を解答した後に(注)があることに気づき、(注)の解答(「飲食料品」の意義、「一体資産の意義」の意義)を追加して答えた。
私の場合、令和元年の問2の(3)で、「区分していない場合の適用関係」を読み飛ばしをした経験(読めていたら解答できていた)があり、令和2年の本試験でも(注)での追加があることに気付けたが、意外と焦っていると(注)を読み飛ばしする可能性があると思う。
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今まで担当された試験委員の先生は、令和3年においても、4年目となる消費税の担当をされると思うのだが、理論問題について同じような出題の傾向が続いた場合は、問題の読み取りに気を付け、解答要求事項を落ち着いて読むことが大事になると思う。
(あくまでも噂だが、試験委員の先生は、理論と計算の両方について関与しているということを聞いたことがあるので。)