『ナギハチ』とか何アレ可愛い(´;ω;`)!!
相変わらずの乗り遅れっぷり(-_-;)
私もナギハチに悶えたい!!
けど、その前に。
勿体ぶるようなものでもなければ、勿体ぶってるつもりもないんですけど。なんとか後半です。
それと、前回の記事は下げました。失礼致しました。コメントも頂いたのにすみません。あと、あそこに いいね!下さいました方々、ありがとうございました。上げ下げ勝手ですみませんm(__)m
ではでは、承凪SSの後半です。
宜しかったらお付き合いください。
『HEART BEAT』 後編
目が覚めたら今にも降りだしそうなどんよりとした空やった。
けど、ふたりの間に漂っていたここ数日の重い空気はなくなっていた。いつもの俺らに戻っていた。いや、ちょっと甘くなっとっかもしれん。凪沙にキスで起こされたから。穏やかに微笑む凪沙は綺麗やった。
「うわぁ、おっとろしいわ。見てみいこれ」
すぐにチェックアウト出来るように準備を済ませた俺らは、ゆうべ俺が飲んだくれたレストランでモーニングを食べていた。ようあるトーストのモーニングセット。急遽おさえたホテルやし仕方ないんやろうけど、朝はモーニングしかないと説明された時はかなり脱力した。昼は旨いもんを食おうなと、凪沙と視線で頷き合った。
凪沙が行こうとしている湧き水の場所までは、このホテルから10分の駅から出てるバスで行けるらしい。
「バスが出てるんやな?」
「うん。らしいで」
「らしいってお前…」
俺は不安になってきた。バスやと?確かにバス停みたいなもんはあったけど、昨日夕飯食うのに駅前をうろうろしていた間、俺は1台もバスを見てへんで。
凪沙はセットのパサパサなサラダをドレッシングでなんとか食っている。どうにも不安な俺はバスの時刻表を検索してみて、そして唸り声をあげたんやった。
やっぱり。こいつを無闇に信用したらあかんのや。
「見てみいこれ」
バスの時刻表を出したiPhoneを凪沙に向けると、画面を覗きこんだ凪沙が「すげぇな!」と弾けるように笑い出した。
バスは1日に10本も走っとらんかった。
「お前に任せとったらどうにもならんな」
「だいじょぶやって、タクシーとかもあるやろうし」
そんでも凪沙はニコニコしながら二枚目のトーストに食いついてる。
これはマジで任せといたら危なそうや。
行きは8時から10時までの間なら1時間に1本くる。帰りは9時から11時までの3時間の間に4本通る。その時間を逃したらとんでもない事になる。これは計画的に行かな面倒くさい事になりそうや。
俺はついでに昼飯に良さそうな店に目処をつけると、そのまま予約の電話を入れてみる。凪沙も好きそうな和食のその店は不定休やったから。
ホテルを出たらポツポツきてたが、遠くの空は明るく雨も大した降りではなかったので、駅前の売店でビニール傘をひとつだけ買ってふたりで差した。
凪沙が選んだ握り石の放り場所は、バス停から15分程歩いた静かな緑の中にあった。水汲み場になっている水路のちょっと先に、思ったより小さな水場がある。
こんこんと水が沸いているのを想像していた俺は、その小さな滝のような水場に拍子抜けした。水はもっと上流で湧いているらしい。ここは水路へまわしきれん湧き水を、いったん受け溜めるとこのようやった。
俺は傘をたたんで凪沙に確認する。
「ここに放ればいいんやな?」
「うん」
凪沙は水場を見つめながら神妙そうに頷いた。
これでやっと終わる。俺は移動中ずっと握らされてた石を、そこへ右手から滑り落とした。石はトプンと小さく水を跳ねさせて、小雨で細かく波立つ水面から水底へと静かに落ちていった。凪沙が「よろしく頼んます」と手を合わせたので、俺も「頼んます」とつられて手を合わせてしまった。どこの誰だかわからん神さん、頼んますよ、これで凪沙を安心させてくれ。
目を開けると、凪沙はもう顔を上げて俺を見ていた。
「ありがとな」
俺は返事の代わりに、少し雨を吸った凪沙の肩を軽く抱き寄せた。凪沙は俺の肩に頭をとんと乗せてすぐに離れた。
帰りのバスはあと30分もしないで来るはずや。俺らはゆっくりとバス停まで歩いた。
バス停には小さな待ち合いの小屋があり、そこにはちんまりと並んで座っている老夫婦がおった。このふたりは俺らがここに着いた時からおった。聞けば俺らが今行ってきた湧き水場へ行くのに、雨が降ってきてずっと立ち往生しとると言う。もうすぐバスは来てしまう。その次のバスは3時間後や。
よければ傘使いますかと聞いてみたが、もうすぐやみそうだからと愛想良く断られた。そうこうしてるうちにバスがやって来た。俺らは仕方なく会釈して夫妻を後にした。
乗客が数人しかいないバスに乗り込むと、凪沙が一番後ろの席まで進んだので、俺もそのまま続いた。
「おじいちゃんら大丈夫かな?」
並んで腰をおろすと、凪沙が後ろを振り向きながら呟いた。
すぐに湧き水場まで行って帰っても、年寄りの足なら一時間弱はかかるやろう。また2時間近くあそこでああして今度はバスを待つのか。他人事ながら俺はうんざりした。
やけどあのふたりからは、苛立ったもんはなんも感じなかった。ふたり並んで空を見上げたり、足元を眺めたり、向こうの繁みを見つめたり。そうしてただ雨がやむのを待っていた。ぽつりぽつりとたまに言葉を交わしながら、ただ待っていた。
俺ならうんざり思うような時間も、あのふたりにはなんてことない事なんやろうか。ただ寄り添って。
バスは走りだしてしまい、ふたりの姿は見えなくなった。前を向いて座り直したら、凪沙がまたぽそりと呟いた。
「なあ、あんなん十姉妹みたいやったなぁ」
見ればこいつは、まだ振り向いたままやった。もう老夫婦もバス停も遠く見えやしないのに。
「小学生の頃、友達の家が十姉妹飼っててん。あんなんやったで」
最初なんの事を言ってるのか分からんかったが、すぐにそれが今の老夫婦の事やと気がついた。
「お前…」
そんな言いぐさないやろうに。
やけど凪沙は振り向いた格好のまま動こうとせず、俺の咎める声を気にする様子もなく、相変わらずなに考えとんのか判らん眼差しでじっと道の向こうを見つめとる。
「ええなぁ、あれ」
そう続けて見つめとる。
「なぁ、あんなんええなぁ」
もう一度そう言うと、さり気無くとんっと俺の肘に肘をぶつけてきた。
俺はとなりにいる男の、その三十を越えた今でも小綺麗な横顔を見る。
「…そうやなぁ」
俺もとんっと返した。
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ありがとうございましたm(__)m
えっと、終わったところで言い訳を(^_^;)
読んで頂いた方の中には「おや?」と思われた方もいらしたかもしれません。今回の内容には元ネタというか、模範させてもらった小説があります。もう鬼籍に入られた超メジャーな大作家先生の短編小説です。…すんません(いや、ホントに(-_-;)) もちろん本元に同性カップルは出てないし、夜の営みシーンもありません(^_^;) 当たり前ですがこんなに薄い内容でもありません。エピソードを真似させて頂いたんです。本元では水場ではなく砂丘に行ってましたが。
最近はすっかり本を読まなくなって(漫画やBL小説は読んでます(・_・)) たまに読んでもエッセイや短編ものなんかばかりになってしまってるんですが、この元ネタのお話を読んだときに「こんなのを承凪で読みたいなあ」と思ったんです。全然書けてなくて残念なんですが。ちなみに「十姉妹のような」なんてのも、同じ短編集の中の別の話に出てきた比喩を真似っこいたしました。ええ、そちらもこんな使い方ではないんですけどね(-_-;)
なんかね、静かなお話を書いてみたいなぁとか思ったんですよ。←超無謀
いや、ホント、すんません(-_-;)
いつも以上にまとまりのないものになりました。ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございましたm(__)m