我が家の野良出身の外猫は
死期を察すると姿を消してしまいます。
タロー君がいなくなってから、
もう2週間が経ってしまいました。
甘えんぼうで
人なつこくて
ドジでマヌケで
本当にかわいかった……。
行動範囲が極端に狭く
常に家の前に寝転んでいて、我が家の番猫でした。
ベランダから玄関付近を見下ろすと、
いつも必ずタローがいました。
それが当たり前の光景だったのに
当たり前の光景ではなくなってしまいました。
基本がグータラのタロー君でしたので
コロッコロに太っていて、まん丸の顔をしていたので、
いつしかつけられたあだ名が「満月」でした。
寝返りを打った拍子に
家の前の坂道を転がってしまうこともしばしばで
そのマヌケぶりに大爆笑したものです。
私が車で帰宅すると
いつもタローは大騒ぎして迎えてくれました。
毎朝、出かけるときも
「仕事になんか行くな!」と大騒ぎして
車の前に立ちはだかって困らせてくれました。
前の家の屋根に乗るも、何ともマヌケなことに
自力で降りれなくなり、大騒ぎすることもしばしばで、
よく寒い冬の夜中に起こされたものでした。
そんなタロー君ですが意外なことに
ねずみ取りの名人で、仕留めたネズミを
玄関に並べては、たびたび私をパニックに落とし入れました。
今となっては、すべてが懐かしい思い出です。
基本的に、大人しくて、本当に良い猫でした。
名前を呼べば必ずすぐに飛んで帰ってきたのに、
2週間前から、何度、名前を呼んでも帰って来ません。
本当に哀しいです。
あんな元気だったタロー君も
今年に入ってからは体調を崩してやせていました。
夏なのに常に鼻をグシュグシュしていて辛そうでした。
ここ数ヶ月、私自身があまりに忙しすぎて
タロー君の体調不良や異変に気づいてあげられなかったのが、
とにかく残念で悔やまれます。
頭のどこかでは、
もうすでに死んでしまっていることは分かっていますが
それでも、まだ生きていてくれているような気がして
どうしても近所を探してしまいます。
誰にとっても死は避けられないものですが
何で最後まで甘えてくれなかったんだろう……。
ものすごく大きな未完了になってしまっています。
本当に寂しいです。