同室の面白いオネーサマ(わたしより10才年上)の元へ毎日やって来る理学療法士さんは、ロン毛をひとつにくくった明るい男性だった。大きな声で芸人ばりによく喋る。
オネーサマとの掛け合いは漫才みたいで、わたしは毎回クスクス笑っていた。
オニーサン
「今日はお願いがあります!」
オネーサマ
「愛の告白以外なら何でも言って」
オニーサン
「告白は無いです!この単語(後悔という言葉らしい)を使って短文を作ってほしいんです!」
オネーサマ
「はいはい!えーと。わたしは頭の手術の後、暴れて三日間叫び続けて、皆さんに迷惑をかけました。とても後悔しております。ずっと主人の悪口だけ言っていたそうです。全然おぼえてません。そして‥」
オニーサン
「え、まだ続くん?」
オネーサマ
「まだよっ!そしてまわりの皆さんにも暴言をはいたそうです。本当に恥ずかしいです。でも全然おぼえてません。後から聞いて‥(延々続く)」
申し訳ないけど、わたしは涙が出るほど笑ってしまった。そしてこの、旦那さんと一人息子さんの文句ばかり言っているオネーサマと、ぜひ一度お話してみたいと思ったのだった。
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