2才で九州のk市に引越した。


最初の家は竹藪に囲まれた古い平家だった。台所は土間で、かまどがあったように思う。
仕切りの襖を全部外してワンルームにした居室は天井板が無く広々としていた。
横になると大きな梁が組まれた屋根裏が見えて、小さい動物でも住んでいそうだった。

そして昔の家はみんなそうだったが、トイレは部屋をぐるっと囲んだ縁側の一番端っこにあった。
あの、中が丸見えの汲み取り式のトイレだ。

落ちてしまいそうで本当に怖かった! 

多分小さい子には危ないからだと思うが、トイレの手前の縁側で母に抱えられて外に向かっておしっこをしていたことを憶えている。

もう少し大きくなってからは、夜はよく庭にしゃがんで用を足していた。

今となっては「それどこの国?」というような話である。


トイレの横の軒先にこんな形の手洗いタンクが下がっていた