ダンス講師のフィギュアスケート鑑賞記 -16ページ目

ダンス講師のフィギュアスケート鑑賞記

フィギュアスケート五輪連覇の伝説の王者・羽生結弦選手を独自の視点で応援させていただくことを主な目的とするブログです。
フィギュアファン歴20年以上。

羽生選手が具体的にどのミュージシャンを指しているのか不明である以上、分かる範囲での解説です。お願い

 

 

 

●コアを引き上げる事例

 

 

当時11歳のMaddie Ziegler。

これはバレエ・パントマイム・コンテンポラリーが土台の踊りです。

バレエやミュージカルは体の中心を引き上げ、指先にまで神経を行き渡らせます。

 

この名言が相応しい。

「芸術は絶対的な技術に基づいたものであると僕は思っています」 by羽生結弦

https://www.nikkansports.com/m/sports/news/20180227000

 

 

 

 

 

●男性スケーター群舞とミュージックビデオによる考察

説明のために動画をお借りします。お願い

後半の男性スケーター群舞について。

 

 

この中で当時高校生の羽生選手1人だけが、なにやら上半身で大きくリズムを取っています。

上半身の軸がぶれています。

元気いっぱいイケイケな少年の印象。

これはこれで良いんです。

最年少としての役割、成長途中の男子高校生らしさ、可愛さ、若さが先走る無謀さ、それゆえの魅力に溢れて。

これはこれで良いんです!

でも

羽生選手がおっしゃる「イケイケなかっこ良さではなくて、もっとなんか、スって、コアが落ちてるような、見てみろよみたいなかっこ良さ」

とは決定的に違うと私は思うのです。

 

この曲の雰囲気を比較的上手に表現出来ていると私が思うのは、

この中ではアレックス・シブタニさんと無良さん

です。

俺は何があろうとも動じないぞ、俺は強えぞ、と言わんばかりの貫禄。

身体の中心(おそらく筋トレで言うコア、インナーマッスル、脊椎)で音を捉え、無駄に動かない印象。

まさにこの感覚だと私は思います。

映画に登場するマフィアの殺し屋も無駄に動きません。

ベイダー卿も無駄に動きません。

要するに

×   カワイイ 

○   クール

×   子どもの可愛さ

○   大人の余裕

×    120パーセントに見える

○   80パーセントに見える

×    友好的

○   喧嘩上等な殺気or マフィアのボス

私はそのように思います!

 

僭越ながら、この曲の表現という意味では、北米の方でも上手ではないスケーターもいらっしゃいます。えーん

国籍はあまり関係ありません。

 

使用されているのはFlo Ridaの曲です。

Club Can't Handle Me

 

 

一瞬Go spidaのバージョンに聴こえたが、おそらくDavid Guetta。

ジャンルはハウスラップとヒップホップを混ぜた感じのクラブミュージック・ダンスチューンです。

羽生選手がおっしゃる「イケイケなかっこ良さではなくて、もっとなんか、スって、コアが落ちてるような、見てみろよみたいなかっこ良さ」は、動画の中のFlo Ridaのイメージが近いかもしれません。

David Guettaは僅かしか映っていませんが、「イケイケ」と「スって、コアが落ちてる」を両立しているように見えます。

 

ただし羽生選手が憧れているのはヘヴィメタル寄りのハードロックではないでしょうか?  Vertigo の歌詞は宗教とか血を連想させ、オペラ座1作目は狂気や血を連想させ、Let me entertain youの振付と衣装にはヘヴィメタの象徴を2つ(ハンドサインとスタッズ付き衣装)を取り入れていますよね。ウインク

 

 

 

 

 

●音楽の捉え方の違い

「みんなで集まって踊りに行こう!」という場面(そもそも日本には存在しない文化)においては、

私の知る限り日本人も海外の方も上手な人ほど動きが少ない傾向があります。

止まるところは止まって、

流すところは流して、

アクセントつけるところは大きくアクセントをつける。

体の中心で音楽を感じているイメージ。無駄に力が入っていない。

何も言わなくても醸し出す落ち着きがあるのです。

羽生選手が述べられた種類のカッコ良さは、その感覚にも通じると私は考えています。

そもメンタルの構えだったり、背景にある文化だったりが、異なると言えます。

その一方で、せわしなくバタバタ踊っている人々がいると思ったら

日本人グループだったことも…。

その日本人グループの踊り方が悪いとは私は思いません。

ただ単に、違いを説明しているだけです。

勿論ジャンルや時代によって異なることもあるでしょう。

 

 

 

 

●社会的背景・気候や風土を学ぶ姿勢

そもそも「コアが落ちているような、見てみろよみたいなかっこ良さ」の根元にある本質は何か。

何故、その雰囲気が出るのか。何故、その動きをするのか。

その答えは、その曲やダンスの社会的背景も含めて学ぶこと、それによって気づくことができる場合もあるのではないでしょうか。

 

羽生選手はガラスの仮面・北島マヤのように多数のスイッチをお持ちであり、ジャンルを超える才能は飛び抜けていると私は思います。

(ただし現時点ではカポエイラ、サンバ、レゲトン、ストリート、ブレイキンはあまり合わない印象。まあこれらをフィギュアスケートで演じる必要は無さそうですが)。

 

 

羽生選手を応援させていただける幸福に感謝しながら、コロナ禍の暗闇を生き抜いていきたく存じます。