今日は、3月18日。
サイヤの日。
先日、鳥山明先生が亡くなられました。
「ドクタースランプ」「ドラゴンボール」の作者。
「ドラゴンクエスト」や「クロノ・トリガー」というゲームのイラストでも有名な方。
俺にとっては、神様みたいな人。
実際にお会いしたことなんて勿論ないし、顔写真とかもあまり出ない人だから、本当に神様みたいに思ってます。
訃報を知ったのが、神戸の旅行中。
帰りの、神戸から関西空港に向かうバスの中ででした。
そして、関空で色んな人の追悼コメントを見て、涙が止まりませんでした。
あれからずっと、ふとした時に鳥山先生の事を思い出して、ぼんやりしてしまいます。
俺の家には、鳥山先生のことを思い出すアイテムが多すぎて。
「ドラゴンボール」のコミックスはもちろん。ピッコロさんのイラスト、フィギュア、パソコンに貼ったステッカー。
それが目に入るたびに、寂しさが襲ってきます。
きっと、みんなそうなんだろうなぁ。
ただの読者の俺がそうなんだから、実際に関わった人たちは、想像を絶する喪失感だろうな。
SNSとかを見てると、「『アラレちゃん』が出てきたときの衝撃はすごかった」とか、「鳥山明がマンガの新しい時代を開いた」とか言われてて。
そういうコメントを見ると、「あぁ、そうだったんだぁ」って思うんです。
俺は、1990年、平成2年の生まれです。
その世代だと、鳥山明さんの存在、「ドラゴンボール」って、もう、見てて当たり前の世代なんですよね。
赤ちゃんが生まれて、成長すると「おかあさんといっしょ」とか見るようになりますよね。
そのあとに、「アンパンマン」とか「ドラえもん」とか、「クレヨンしんちゃん」を見るようになる。
で、大体その次に「ドラゴンボール」を見だすんです。それも、あんまり時間を置かずに。
俺にとっては、その流れにあるものなんです、「ドラゴンボール」って。
幼稚園のときに、「ドラゴンボールZ」を見てたぐらいですから。
みんなやってたよ。「かめはめ波」。
…俺は「魔貫光殺砲」だったけどね。ピッコロさんが好きだったから。
「ドラゴンボール」の何が好きって、作品で描かれてる「強さ」が好き。
孫悟空もベジータも、「ひとりで戦う」って言う。
「二人が力合わせたら勝てるよ!」って周りがいくら言っても、「一人で戦って負けた方がマシだ」って。
「バカなのか、あいつは」なんて言われながらさ。
最近の作品じゃ、組んで戦うことにも抵抗があまりなさそうだけど。
でも、「一対一」へのこだわりを捨てているわけではなさそうです。
やっぱり「ひとりでたたかう」って、大事だと思うんです。
っていうか、人間って、戦うときはひとりですから。
「ひとりでたたかう人」の強さを、見せてくれていたことは、俺の人生でとても支えになっています。
突然、望んでもない苦労に放り込まれることって、誰しもあって。
努力は仲間と一緒に戦える場面もあるけど、苦労って、独りです。
そんな中でくじけそうなとき、「ドラゴンボール」から学んだ強さは、本当に、俺を支えてくれました。
大きなことで言えば、脳腫瘍をくらったとき。
手術を受けるなんてのは、もう、孤独です。それに、俺自身は寝てることしかできないし。
たくさんの人からもらった応援のメッセージに元気をもらって。
心に大きな元気玉を持って、「絶対負けねぇ」って気持ちで手術に挑みました。
そういう、強さの見本を見せてくれていたのが、ドラゴンボールでした。
術後。けっこう大きめの腫瘍を取ったもんだから、脳みそにでかい穴が開いてて。本当に頭がカラッポになったときも。
「頭カラッポの方が、夢詰め込めるんだぜ」なんて笑い飛ばせたのも、ドラゴンボールのおかげです。
俺は今、小説を三作品、発表しています。
「ドラゴンボールの十六巻」は、キーポイントになります。
孫悟空とピッコロ大魔王の対決。
16巻の終わり。孫悟空はかなりピンチの状況で終わります。
17巻でそれまで使えなかった「舞空術」を戦いの中で身に着け、勝利します。
この展開が本当に好き。
やっぱり、人が成長するのは、戦いの中でですから。
それに、苦労と戦ってる人っていうのは、苦労に向けて備えるなんて、無理な話です。
だから、戦いながら強くなるしかない。
それを象徴する話なので、作品の中に盛り込んじゃいました。
それと俺は作品の中で、同じ「がんばる」でも、自分から目標に向かって戦うことを「努力」、生きるために仕方なく、襲ってきた敵と戦うことを「苦労」と位置付けています。
孫悟空って、「強くなりたい」って気持ちは持っていて、そうなるために努力はしてるけど。
でも、いざ戦うのは、敵に襲われた時だから、どっちかっていうと「苦労」なんですよね。
でも、孫悟空って、それを楽しんじゃってる。
だから、孫悟空って世界で一番強いんだと思います。
勝てないよ、このマインド持ってる人には。
でも、これって気持ちの問題だから、俺自身も持とうと思えば持てるんですよね。
…でも、難しいなぁ。大変だもん、苦労って。
やっぱ、すげぇなぁ、孫悟空。
「さいしょはグー。」という作品があります。
努力家と、天才と、苦労人と呼ばれる三人の男の子の物語です。
それぞれの名前を、加賀宗悟、菜田仁、風口理にしました。
努力家の加賀宗悟。天才の菜田仁、苦労人の風口理。
カカロットを少しもじって、「加賀宗悟」。それに、「宗悟くん」って言うと、「孫悟空」っぽいし。
天才は、やっぱり戦闘の天才と言われた「ベジータ」です。野菜の「菜」に「田」でベジータ。「サイヤ人」だから、「菜田仁」。
こうなると、「風口理」はもうわかると思います。
「ブロリー」です。
やっぱりね、過酷な環境で育ったやつが一番強いんですよ。
「ドラゴンボール」の登場キャラクター「ピッコロ大魔王」。
ピッコロさんは、俺の小さいころからの憧れです。
今でもずっと、憧れていて、少しでも近づけないかなって、本気で思ってたりします。
小さいころ、ピッコロさんが来てる道着みたいな、紫色のオーバーオール買ってもらってね。毎日着てましたよ。
だいたい、どの写真でもそれ着てるの。(笑)
そのころから、ずーっと憧れてます。
ほんとに、「SUPER HERO」って映画を作ってくれてありがとうございました。
俺にとっては、永遠のスーパーヒーローです。
だめだなぁ、かなりの雑文になっちゃった。
まだまだ書き足りないし、書き切れるわけがないです。
さみしいなぁ。
この喪失感はしばらく続くんだろうな。
「だいじょうぶだ ドラゴンボールで生き返れる」。
孫悟空の印象的なセリフ。
「ドラゴンボール」を読めば、鳥山先生の存在は心の中に生き返ります。
でも、全然大丈夫じゃないな。さみしいな。
鳥山先生、ありがとうございました。
長い間、お疲れ様でした。
どうが、ごゆっくりおやすみください。