「ゲゲゲの謎 鬼太郎誕生」。
見てきたんです。
やっぱりね、「ゲゲゲ」って聞くと、無視できないので。(笑)
大ファンですから。
ドラマの。そして、松下奈緒さまの。(笑)
それに、子供のころにアニメも見てたんです。俺が見てたのは4期かな。
だからね、鬼太郎を映画館の大きなスクリーンで見れるって、結構うれしくて。
ばっちり、行ってきました。
…いやぁ、すごかった。
なんだろう、圧倒されちゃって。
「鬼太郎誕生」だから、「ゲゲゲ」ってよりは「墓場鬼太郎」よりな内容になるのかなと思ったんです。
子供向けより、大人向けに作られてるのかなって。
そういう側面もあったんです。
欲望渦巻く跡目争い。
命の重さや尊さを説く人間ドラマ。
そして、様々な形の愛の物語。
でも、そこに加えてしっかりと、少年マンガなバトルアクションのシーンもあって。
「おやじ、かっけぇ!」って。(笑)
そんな、いろんな要素てんこ盛り。なのに、まったくとっちらかってない。
その全てを、しっかりと完結し、着地させて、消化不良を起こしてない。
正直、この完成度には度肝抜かれた。本当にすごかった。
それに「ゲゲゲの女房」を見てるからこそ、より理解できる場面もあったりして。
「水木」が戦争から帰ってきた人間っていう部分は、水木しげる先生の経験を元にしたんだと思うんだけど。
朝ドラで水木先生が戦争に行って、何を見て何を感じてきたかっていうのが描かれてたから、この映画の「水木」にもそこは反映されてるんだろうなって。
「水木」っていう登場人物の解像度が上がりました。
左目の傷跡と左耳の破れた部分は、水木先生の隻腕をオマージュしてるのかな。
それと、鬼太郎の父親、目玉のおやじになる男を「ゲゲ郎」って呼ぶんですけど。
水木先生自身が、子供のころ「しげる」をうまく言えなくて「げげる」って言ってしまう。だから友達から「ゲゲ」って呼ばれたって話があって。
だから、アニメの6期も見てたら、もっと面白い発見もたくさんあったのかなぁ。
もし次があったら、ちゃんと履修してから行こうかな。
いやぁ、しかし、おもしろかったなぁ。
鬼太郎の父親が「わしの子が生きていく世界じゃ」って、自分を犠牲にして世界を守るシーンは大号泣だった。
最後の、男の子の幽霊(名前を失念)の「忘れないで」ってセリフも泣けてしまった。
あと、6期の猫娘めっちゃ可愛いね。(笑)
あとね、すごく印象に残ってるセリフが一つ。
「片目を隠してるぐらいで 丁度いいんじゃよ」
鬼太郎の父親が、水木に言ったセリフ。
ゲゲ郎と触れ合う中で妖怪が見えるようになった水木に対して、
「なんでもかんでも見えてしまうから、見えないものが生まれる。世の中、見なくていいものもあるんじゃ」と。
僕自身、病気で視野を左下四分の一、失いました。
不便なことがたくさんあります。
やたらぶつかるし、左手しょっしゅうケガするし、いろんなもの倒すし、車の運転はめっちゃ怖い。
でも、なんでもかんでも見えてるのも、良くないんだ。
世の中、見なくていいものもたくさんあるんだよ。
この、自分の不便な目を少し好きになれました。
いやぁ、すげぇ映画だったなぁ。
何度も見たいし、俺がもっと年齢を重ねた時にもまた見たい。
きっと、また違う感動や気づきをもらえるはず。