「どうした?」

「なにが?」

「足、ないぞ?」

「ないねぇ。」

「体、透けてるぞ。」

「すけてるねぇ。」

「頭に白い三角のやつあるぞ。」

「あ、本当だ。」

「…。」

「…。」

「こうして話すのは、初めてだな。」

「でも、初めてな気しないよね。」

「ちゃんと、伝わってた?」

「うん、全部。ただ…。」

「ただ?」

「月イチの赤いごはんはまずかったぞ。」

「うそ。ご褒美のつもりだったのに。」

「高けりゃいいってもんじゃないよ。」

「お前に教わるとはな。」

「ショック?」

「ちょっとな。」

「ごめん。」

「いいや、ありがとう。」

「それは、こちらこそだよ。」

「それは良かった。」

「じゃあ、もう行くわ。」

「そうか。元気でな。」

「ははは。ワン!」