さっきの記事を書いて、やっと、自分の気持に素直になれた気がします。

ずっと、胸につかえていたものが、取れた気がします。

今なら、はっきりと言えます。

NSCは、俺の居場所じゃない。

あそこで求められる「笑い」は、俺がやりたい「笑い」じゃないんです。

NSCでのネタ見せの授業で、持ち時間は2分。

これが悩みの種でした。

2分で出来るネタがないんです。書けないんです。

これはもうずっと前から言ってる事ですけど。

今、主流の「一瞬で笑える笑い」は俺のやりたい笑いじゃないんです。

だからと言って、闘わなかったわけじゃないんです。

何度も、2分のネタを書こうとしました。そして、なんとか書きました。何度も、ネタ見せに挑もうと思いました。

でも、無理だったんです。

それは、そのネタに、自信と誇りが持てなかったから。

それは、スベるのが恐いとか、そういう次元の話じゃありません。


スベるのは、いつだって恐いです。それは、友達と話してるときですら。


スベる事への恐怖は、そのネタに自信があって初めて生まれるものです。


今回のは、それ以前の話。


ネタに誇りが持てない。自信がない。


俺は、そんな状態、気持ちで、笑いと向き合いたくなかったんです。

かなり悩みました。

もしかして、自分は「お笑い」から逃げてしまったのか?

そうとすら思いました。

でも、そうじゃなかったんです。

お笑いが大好きだから、こだわりがあるから。

だからこそ出来なかったんです。

言い訳に見えるかも知れません。

でも、本心です。

今までずっと、なぜNSCに通えなくなったのか考えました。

上下の関係が厳しいから、指導が厳しいから、先輩や先生が恐いから、人数が多いから…。

でも、どれも違ったんです。


本当にやりたい事が出来るなら、通えたはずでした。


でも、無理だったんです。

そして、この答えを自分の中に見つけて、やっと「これだ!!」と思えました。

「ここで創る笑いに誇りが持てないから。」

そして、これはNSCに行って気付けた気持ちです。

それだけで、あそこに行った意味はあったと思います。

大事な気持ちに気付けました。


そして、あの気持ちのまま、無理に通わなくて良かったと、今では思っています。


あの時の俺は、精神的にかなりまいっていました。


だから、あのまま通っていたら、「お笑い」を嫌いになってしまっていたかも知れません。


そんなことにならなくて良かった。



16歳。夏。

「鈴木翔太プロデュースコントライブ ~真実~」。

あの時には、自分の作品に対して、自信も誇りもありました。

客がどんなに笑ってなくても、

「俺達が面白いと思ってるからいいんだよ。」

そう思えました。


俺は、あの気持ちを持って、お笑いと向き合いたいんです。

でも、自分ですら自分の作品を面白いと思えない。

そんな状態でなんてやりたくない。


「NSCに行く」と言った俺を応援してくれた皆さん。本当にごめんなさい。


本当に本当に、ごめんなさい。


でも、これが俺の出した結論です。


そして、俺は今、次の場所へ向かうべく、動き出しています。


俺は、自分の夢はあきらめません。


いくら遠回りをしても、失敗しても、俺が目指すのは舞台の上。笑顔のお客さんの前です。


それは変わりません。


18歳。夏。


新しく、スタートします。


                                                 鈴木 翔太