圭子は久美よりも10歳くらいは若いと思うのに、いつもジーンズで髪を束ねていたので、女の魅力は感じられない。
50代、華麗な生き方をしている久美に会ってみたい気分にさせられる草刈の気持ちも分かる。
「そうだ!」草刈なら山岸に連絡をせずに、庭師として彼女に会いに行ける「ねぇ植木の道具を取りに行って確認出来るんじゃないの?」
「雨の日なんて行かないし」
「明日は晴れそうよ」
「そう?じゃ行ってみるかな」
「写真の人ならどうする?」
「どうするって? 」
「ベットの中なら話すかもよ、詳しく」
「そんな・・イヤらしいなぁ」
「知りたいんでしょ、お父さんのこと・・私も彼女のこと知りたいし」
「なんで?・・」
「彼女の・・愛した男たちを知りたい」
「えっ?嘘でしょ」
「考えてみれば、もう貴方しか聞く人いないかもね。永遠の謎に包まれるだけ」
焦るように「冗談抜きで、どうやって近づく・・」
「そうね、・・名前を言えば分かるかも」
「ああ」
「彼女は複数の人を愛していたら、もしかしたら貴方も愛してくれるかもよ」
「俺を愛してくれる・・?」草刈はベットの中でしか父の話は聞けないのかと本気に思った。
「シャワーしてくる」と草刈は、その場から立ち上がると、圭子は持ち込んだスケッチブックに自画像を描いてみる「ほんとに色気が無いなぁ」
・・
しばらくしてパジャマ姿で「なんか小泉さんが居るなんて信じられない、家族って感じ。良かったらシャワー使って下さい」
「家族ですか? ふぅーん、じゃシャワー借ります。着替えがないなぁどうしよう」
「男のパジャマでよければ・・」