何もしない出来ない 21小説 | 身近な大人たちの疑惑

(21) 実は餃子の中身はコオロギも混ざっていると打ち明ける。選手仲間では高タンパク質、筋トレには高評価なのだ。

 

「えええ」

 

趣味が料理というより昆虫食とは、身上書には書けなかった?普通なら書けないと思う・・コオロギ料理と知って、G115会員とは破談となったのか?

 

 私もそれを聞いて唖然としのだが、家庭でコオロギの入った料理はやめて欲しいと誰でも思う。けど、再び女性からの調査依頼が来たのは、ゲテモノに理解を示したのだろうか。

 

それとも、他に問題があるってこと?

 

佐伯結婚相談所の規約にもある・・調査依頼は受けたら正直に話すこと。内容に偽りがあれば、即刻破談となります。・・と、強気の佐伯相談所は利益など考えないことを主張していた。その厳しさがあることで女性会員には人気があったのだ。

 

 

一週間後、佐伯相談所にコーチから連絡が入り、秘書の三浦さんと交際をしたいと連絡が来たと言うが、佐伯は躊躇した。

 

秘書として働く彼女に「あのコーチには問題がある」と忠告する。

 

「料理のことですか ?」と聞くと佐伯は首を捻って理解出来てないようで「そうじゃなくて」と話を元に戻し、話し始めた。

 

彼は几帳面で好感が持てるが、いざ結婚して妻として家庭に入ったら、居場所も無いんじゃないかと思うほど、何事も自分でしないと始まらない完璧主義者であるとのデーターが残っていた。

 

それを聞いてラブドールは、まさに!何もしない出来ない。ただ横たわっているだけなのと似ていた。コーチにとってはベストな存在だった?

 

生身の女性だろうが、ラブドールを抱こうが行為が終われば快楽は同じと言えば、その通りかも知れないが自分本位だ。コーチの考え方は、人形と感情ある人間は一緒なのかと思っているとすれば、ゾッとする。

 

私が訪ねた時は、ラブドールはダンボールに詰めていた。あれは嘘なのか。過去の反省から片付ける行動を見せて、私と接していたのだとすれば破談的な行為だ。

 

私はもう彼の調査はどうでもよかった。もっと早く佐伯に相談しておけばよかったと、身上書1枚で自分好みを選んだことを反省した。

 

そしてG115の女性会員に秘書の立場ではなく、女として私の考えをレポートに書き上げることにしたのだ。