こんにちは
松花堂昭乗研究所です
2月18日(土)、定例講座を開催しました。
まだまだ寒いですね。
定例講座前半では、今回より、「松花堂墨跡巻」(個人蔵)所収の松花堂昭乗書状(全3通)を読んでまいります。
第1通目は、「式部卿」の署名のある「極月二十一日」付書状です。
宛先は「児傳兵様」とあります。
年末の書状ですね。「児傳兵」からの書状に対する返事です。
今年は徳川家「御上洛」のため、私もとても忙しく、無沙汰をしました。
もう今年も日が少ないので、来春はぜひ御登山ください。まってます!
「御登山」というと、リュックサック背負って・・・と妄想が広がりますが、石清水八幡宮へのご参詣ということになります。
男山で、昭乗さんが「来てねー」と手を振って待っているイメージですね。
昭乗さん、お歳暮に「杉原紙」を贈られ、そのお礼を述べます。
とても心のこもった温かなお心遣い、お礼の申し上げようもないです。
追而書(追伸)がありました。
「児傳兵」はちょうど富田辺りに滞在中とのこと。
「一郎兵」とはお話などなさいましたか?
「一郎兵」はちょっとした「手跡すき」ですからお会いされたかなと・・・。
「一郎兵」のことが話題になります。
一郎兵(衛)は、昭乗さんの門人、藤田友閑の名です。
友閑は摂津富田の人。
昭乗さんのことを敬慕してやまない人でした。
「昭乗さん大好き!」 であったわけです。
書の門人として、昭乗没後は書流「松花堂流」の確立に尽力しました。
「手跡すき」という言葉から、昭乗さんが友閑の筆道精進を認めていることが感じられますね。
ちょっとした一文ですが、興味深いです。
「児傳兵」も手跡仲間であったのでしょうか。
「児傳兵」とは、おそらく幕臣の児島(小島)忠余のことと想像されます。
昭乗さんとはどういう関係だったのでしょう?
今のところはっきりわかりませんが、2通目の書状の宛先も同人物ですので、課題としたいと思います。
後半は、「八雲御抄」(仮称)を研究生のFHさんの担当にて、よみ進めました。
FHさん、おつかれさまでした!
ここではまだ、初冬頃の季節の詞が続きます。
年度をまたぎますが、もうしばらく、よみ進めたいと思います。
よろしくお願いいたします。
来月は、定例講座にかえて、研究報告会と講演会の開催となります。
3月11日(土)の開催です。
一般のみなさんの聴講も歓迎です。
どうぞお誘いあわせください。お待ちしております。